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第2章 対峙

六話 レベル臨界突破

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再激突の間近。シオンの動きが突如止まる。


“何故?”


これまで感じた事の無い、危機的本能が何かを訴えていた。


この少年は“危険”だと。


『な……何これ?』


『寒気!?』


シオンのみじゃない。その場に居る誰もが感じる、背筋を這う様などす黒い感覚。


それは明らかに、この少年から発せられていた。


「かっ……身体が動かないだと!?」


シオンは止まったというより、自分の意思では動かせない身体を、思考が理解出来ない。


本能が“恐怖”により止められている事に、気付いている者はいなかった。


“――何だ……“あれ”は?”


そしてようやく事態に気付いた。その意味を、そして少年の変化に――


「銀……色?」


その漆黒の瞳は銀の眼へ。そして毛髪までもが、それに呼応するかの様に、煌めく白銀髪へと変貌を遂げていくのを。


人は現実と理解を越えた出来事に、怯え立ち尽くすとされるが、その少年の存在が正にそれだった。


「――っは!!」


シオンは反射的にサーモの数値を確認する。


「こっ……こんな事がっ!?」


己の目を疑う。先程まで『5%』だった数値が、少年の変貌を皮切りに凄まじい速度で上昇していくのを。


そして――


************






“level 99.99%over”



















※※※※EMERGENCY※※※※








突如何処からか、耳に障る警告音がけたたましく鳴り響く。


『何だこの音は!?』


そしてサーモという装置より、無慈悲な事実を伝える無機質な機械音声が――





※レベル臨界突破計測確認――


CODE:0990100よりモード反転――


スタビライザー解除:裏コード移行――




※※※※EMERGENCY※※※※




※本機はこれより モード:エクストリームへ移行します――


地殻変動及び空間断裂の危険性大――


速やかな退避を推奨します――




※※※※EMERGENCY※※※※








――――――――――――――

※裏コード~臨界突破
※モード:エクストリーム


 対象level 154.88%


※危険度判定 S

――――――――――――――

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