僕と結婚しませんか?

大森心晴

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行ってみる・・・

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メモにある会社まで来た
一歩が踏み出せない

「あれ?来たんだ」
「鈴本さん・・・・」
「迎えまで時間あるよね?あいつ宜しく!」

そう言って去っていった。

『トントン』
鈴本さんに指さされた部屋をノックする。
「はい」
佐々木さんの声

「私です・・・」
「ッ!!」
佐々木さんの驚いた顔
その表情は直ぐに無表情となった

「どうしたんだい?」
普通の表情、普通の対応

「あの日の事・・・誤解って言うか」
「・・・・」
「行ってから合コンだって気が付いて、飲み会あった事も佐々木さんには言って無かったのは私も悪いと思ってます」

良い訳にもならない
言葉が上手くまとまらない

チラッと佐々木さんを見ると泣いていた
「なっ!!」
何も言わずに泣いていた

「何か言ってください!」
「・・・」

何も言わなかった
『アイツは諦め癖がついたんだろうな・・・』

頭をよぎった

「何も言わないなら終わりで良いです」
終わりな訳なかった
終わりたくはなかった・・・

「これから先もこんな事があって、会話も出来ないのは辛いし・・・」
「・・・・」
「何も言われないんじゃ・・・」
「くない・・・」
「なんですか?」

声が小さくて聞き取れない
「別れたくない・・・・」

佐々木さんは私よりも年上で
何をするにもスマートで・・・・

なのに、私の事で泣いて『別れたくない』と
「私の事は諦めるんじゃないんですか?会えないし・・・」
「諦めたく、ない…。」
「じゃぁ、どうしたいですか?」

暫く無言状態が続いた
俺は佐々木さんがなにか言うまで黙るつもりでいた。

「別れたくない…側にいて、ドコにも行かないで下さい」
「後は?この際だから全部、吐き出せば?」
泣いている佐々木さん
元は私が招いた事
佐々木さんは悪くないのに、私は酷い

「…俺の事、愛して下さい」
静かに泣きながら佐々木さんは言った
「はい」

私はにやける

デスクに顔を伏せて泣いている佐々木さんに近づいた
顔を上げて佐々木さんを抱きしめた
「やっと、抱きしめられた(笑)」
弱ってる佐々木さん…可愛い

「俺の事を愛して…」
そう言う佐々木さんに私は笑顔で答えた。
「もちろん」
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