上 下
11 / 12

第10話 脚光の中で

しおりを挟む
朝日が差し込むクロエ・ハートフィリアの屋敷の中、彼女は重たいまぶたを開けた。昨夜の屈辱的な経験がまだ彼女の心と体に深く刻まれていたが、今日はまた別の仮面を被らなければならなかった。今日は魔術学園での一大イベント、魔術大会の日だった。

クロエは自分の体に残る奇妙な感覚を無視するようにして、ベッドからゆっくりと起き上がった。彼女の腹部にはまだ、触手が増殖し続けている感覚が残っていた。朝になると、再びそれを排出しなければならないという現実が彼女の心を重くした。しかし、そんなことを考えている暇はなかった。今日は、彼女が公爵令嬢としての誇りを守るために、学園の舞台に立たなければならないのだ。

クロエは深呼吸をし、意識を集中させた。彼女の顔には、完璧な笑顔が浮かんだ。それは、彼女が今まで何度も練習してきた仮面だった。触手の存在やゴブリンの支配に苦しんでいることなど、誰にも悟られてはならない。

「今日は大切な日....私は公爵令嬢、クロエ・ハートフィリア...私は...負けない...」

クロエは自分に言い聞かせるように呟いた。彼女は、ゴブリンに支配された奴隷ではなく、魔術学園で最も優れた生徒の一人である自分を取り戻そうとしていた。
豪華なドレスを身にまとい、クロエは屋敷の玄関を出た。彼女の目には、一瞬だけ決意の光が宿っていた。しかし、その光はすぐに消え去り、無機質な表情に戻った。触手の存在が、彼女を現実に引き戻したのだ。

学園に到着すると、周囲の生徒たちは彼女に注目した。クロエ・ハートフィリアは、その美貌と才能で誰もが知る存在だった。彼女が魔術大会でどのような力を見せるのか、誰もが期待していた。

「クロエ、お前なら必ず優勝できるさ。」

友人たちは彼女を励まし、その言葉にクロエは微笑んで答えた。しかし、内心では触手が彼女の胎内で動き続けているのを感じていた。それがもたらす感覚は、次第にクロエにとって奇妙な快感へと変わっていった。最初は苦痛だったそれが、今や彼女に新たな刺激と快感を与える存在となっていたのだ。

魔術大会の会場は、華やかで緊張感に満ちていた。クロエは他の生徒たちと共に舞台に立ち、順番を待った。彼女の胸は緊張で高鳴っていたが、その原因は大会そのものではなかった。触手が再び彼女の胎内で蠢き始め、心の奥底から湧き上がる快感が彼女を悩ませたのだ。

「次は、クロエ・ハートフィリア。」

司会者の声が響き、クロエはゆっくりと前に進んだ。すべての視線が彼女に集中する。その瞬間、彼女は触手の存在を忘れ、目の前の勝負に集中しようとした。彼女は公爵令嬢であり、何よりも自分の誇りを守りたいという強い意志があった。

クロエは闇属性の魔力を操り、複雑な魔法を次々と繰り出した。彼女の動きは優雅で、力強さを感じさせるものだった。観客たちは息を呑んで彼女の演技を見守り、その美しさと力強さに魅了されていった。

しかし、クロエの内面では、別の戦いが繰り広げられていた。触手が胎内で蠢き続け、その動きが彼女に快感をもたらし、集中力を奪おうとしていたのだ。彼女はその感覚に抗いながら、必死に演技を続けた。彼女が一瞬でも気を緩めれば、すべてが崩壊してしまうだろう。

演技の終盤、クロエはついに限界に達した。彼女の動きがわずかに乱れ、魔法の流れが乱れた。しかし、観客たちはそのわずかな乱れに気づくことはなかった。
彼女の演技は、依然として完璧に見えたからだ。

クロエは最後の魔法を放ち、観客たちから大きな拍手が巻き起こった。彼女の姿は、まさに完璧な令嬢のように映っていた。しかし、クロエ自身はすでに限界を超えていた。彼女の体は、触手によって完全に支配されていたのだ。

舞台を降りたクロエは、友人たちの祝福を受けながらも、その笑顔の裏で必死に耐えていた。彼女の内側で触手が暴れ回り、彼女の身体をさらに支配していた。
しかし、彼女はそれを隠し続けた。誰にも知られてはならない。公爵令嬢クロエ・ハートフィリアは、完璧でなければならないのだ。

その日の夜、クロエは屋敷に戻り、再び地下室へと向かった。ゴブリンが待っているのを知りながら、彼女は重い足取りで進んだ。魔術大会での成功も、彼女にとってはもはや虚しいものでしかなかった。

「お前はよくやった、クロエ。だが、それも無駄だ。お前はもう完全に私のものだ。」

ゴブリンの冷たい言葉が、クロエの心に突き刺さった。彼女はその言葉に反論することもできず、ただ黙って立ち尽くしていた。彼女の中では、触手が胎内で増殖し続けている感覚が広がり、手びそれを排出しなければならないという現実が待ち受けていた。

クロエは、自分がかつての栄光を取り戻すことはできないと悟った。彼女の人生はすでに終わりを迎え、今はただゴブリンの奴隷として生き続けるしかないのだ。触手によって支配され、ゴブリンの意志のままに動く生活が、彼女の唯一の現実となっていた。

クロエは夜の闇の中で、再び触手を排出しながら、奇妙な快感に襲われた。それは彼女にとって、何よりも屈辱的でありながら、逃れられない現実だった。彼女が求めた光は、もう二度と戻ってくることはない。闇に覆われた彼女の心には、ただ絶望と苦しみに絡まる奇妙な快感が残されていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

冒険者の女の子が魔物に襲われて助からない話

ききふわいん
ファンタジー
タイトルのまんまです。女の子が魔物に襲われたり捕まったりして、孕まされたり搾取されたり何かしらにえっちな感じに利用されたりします。 異種姦が主になります。触手・苗床・出産・捕食・丸呑み……他にも色々あるかと思います。 えっちの果てに女の子がゲームオーバーしちゃっても、コンテニューで別ルートを進んだ感じで何もかも忘れて(まあ別ルート選択した感じなので、そもそも経験していないというか)元気な姿でまた出てきます。 とにかく冒険者の女の子のゲームオーバー集……みたいな感じです。 【男性向け、R18小説です】

錬金素材採取用幼女

ききふわいん
ファンタジー
うさ耳ロリがあんなことやこんなことされて愛液を採取され続ける話です。 助からないです。おうち帰れません。ご注意。全部で3万字~4万字くらいになるかと思います。【男性向け、R18小説です】

堕ちていく私 陵辱女子大生日記

月乃綺羅
恋愛
あらすじ 地方の中高一貫女子校を卒業し、東京の大学に進学した恭子。垢抜けなさはあるものの、整った顔立ちと男好きのする少しふっくらとした体型もあり、言いよる男も少なくなかったが、地元に残した彼氏に義理立てをして、断り続けていた。 しかし、遠距離恋愛の壁によって破局。ちょうど彼との関係について相談に乗ってくれていた同級生、直樹と付き合うことに。元彼とはプラトニックな関係を貫いていた恭子だったが、直樹とは一線を越える。 いつも優しく、大人っぽい落ち着きのある直樹だったが、会うたびに過激化していく直樹とのセックスに不安を覚える恭子だった。 この作品はpixiv、ノクターンノベルスにも投稿しています。

【R18】アリスエロパロシリーズ

茉莉花
ファンタジー
家族旅行で訪れたロッジにて、深夜にウサギを追いかけて暖炉の中に落ちてしまう。 そこは不思議の国のアリスをモチーフにしているような、そうでもないような不思議の国。 その国で玩具だったり、道具だったり、男の人だったりと色んな相手にひたすらに喘がされ犯されちゃうエロはファンタジー!なお話。 ストーリー性は殆どありません。ひたすらえっちなことしてるだけです。 (メインで活動しているのはピクシブになります。こちらは同時投稿になります)

大人ぶってる女の子が「トリックオアトリート」を無視したのでカボチャのお化けに悪戯される話

ききふわいん
ファンタジー
ハロウィン遅刻しました。女の子が悪戯(助からない)されます。 【男性向け、R18小説です】

ロリ妖精が培養槽に入れられ永遠に卵を産まされる話

ききふわいん
ファンタジー
タイトルの通り、ロリ妖精が培養槽に入れられ人工的な卵……っぽものを産まされ続ける話です。 電気びりびりとか、プラグ挿入とかもあります。 SFっぽいけど妖精が出てくるのでファンタジーということで。 【男性向け、R18小説です】

退魔の少女達

コロンド
ファンタジー
※R-18注意 退魔師としての力を持つサクラは、淫魔と呼ばれる女性を犯すことだけを目的に行動する化け物と戦う毎日を送っていた。 しかし退魔の力を以てしても、強力な淫魔の前では敵わない。 サクラは敗北するたびに、淫魔の手により時に激しく、時に優しくその体をされるがままに陵辱される。 それでもサクラは何度敗北しようとも、世の平和のために戦い続ける。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ 所謂敗北ヒロインものです。 女性の淫魔にやられるシーン多めです。 ストーリーパートとエロパートの比率は1:3くらいでエロ多めです。 (もともとノクターンノベルズであげてたものをこちらでもあげることにしました) □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ Fantiaでは1話先の話を先行公開したり、限定エピソードの投稿などしてます。 よかったらどーぞ。 https://fantia.jp/fanclubs/30630

【R18】触手鎧姫 ラナ 女勇者が魔物に嵌められ触手鎧姫に堕ちる

瀬緋 令祖灼
ファンタジー
 幼馴染みであるロイと幸せに暮らしていたラナは、突如勇者の宣託を受け、魔王討伐に向かう。  旅立つ前日、ラナはロイの元を訪れ、契りを結ぶ。  ロイの愛情を受けて旅立ったラナは、試練の迷宮へ入り、聖剣を手に入れようとする。  しかし、魔物であるキングミミックの罠が仕掛けられており、ラナは体に寄生され、苗床となるべくおぞましい改造を受け堕ちていく。

処理中です...