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1の2 どのように対処するか
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「その人を訴えます。それは侮辱罪であると共にその人は危険人物です」
「確かに。大概はそうする」
次いで白髪の皇 深遠が答えた。
「ボッ、ボボボ僕は、頭のおかしなヒヒヒ人の言葉はマママまともに受けないつもりですけど、ココこの場合はケケケ警察に通報します」
「確かに精神異常だ」
デュアルメンはにっこり頷いてから「他には」と辺りを見渡す。
運天泰通が挙手した。控えめなイメージの東洋系で、頭はすこぶる良い。
「取り敢えず会いたい旨を伝えて『ターゲットにされた噂の人』を確認します。そしてターゲットと秘密裏に連絡を取り、噂の真偽に関わらず裁判を勧め、裁判所では証人として出廷します」
成る程、とデュアルメンは頷く。
「運天君は裁判に持ち込むか。これは是か非か」
生徒たちが顔を見合わせる。
「僕は裁判は……親が……」
「僕もちょっと……」
「僕も立場的に……」
デュアルメンが教壇から下りてきた。
「泣き寝入りか。では、もしも君たちに『あの人は……』とターゲットを特定した上で『ターゲットが性行為を望んでいるからどうだ』と誘惑されたらどうする」
と、生徒全員に目をやって「さあ、考えるんだ。どうする」と訊く。
ワッフルヘアの小柄なエシュアがそっと俯いて唇に人差し指を当てた。
(先生、ジェルと薄くて強いゴムを買いませんか。大人の男の人はみんな使うそうです。ピスカレッロはどうかな……あん、いけない妄想……授業に集中、集中……)
「ピスカレッロ君、君の人間性を『侮辱』する誘いをどうするかね」
悪魔はピスカレッロの傍ら立って金髪頭を見下ろし、答えを誘導した。
「裁きます。そりゃあ僕と違ってモテラルキー底辺の人たちには魅力的な唆しかも知れませんが、それにしても、邪悪なボンクラしか乗らないでしょう。高校生の立場では、侮辱罪での訴えは効力が薄いかも知れません。でも、裁判所には、この僕を誑かそうとした馬鹿者をしっかり裁いてもらいたいです」
ピスカレッロは堂々と答える。
デュアルメンは「成る程成る程、さすがは皇子様だな」と頷いて反対側の小柄な白髪に向きを変えた。
「では、皇君。君はどうだね。警察に通報するかね」
「ボッ、僕は、セッセッセー精神のおかしなヒヒヒ人を相手にしたくありませんから、ワラワラ笑って逃げます。そういう失礼なヒヒヒ人って信じられない。オッオモおもいっきりタッタッタカー高笑いしてヒヤヒヤ冷やかしてあげます」
デュアルメンは「見かけによらずしたたかだね。しかし君自身がターゲットにされないように気を付けなさい」と皇深遠の肩に軽く手を乗せた。
「では、運天君。君はどうだね」
デュアルメンは歩を進めた。運天泰通の前に立つ。
運天泰通は立ち上がった。
「取り敢えず噂のターゲットに意志の確認を取りたいところですが、真偽はどうであれ誹謗中傷の噂を流した人を訴えます。それは犯罪です」
運天泰通は白髪の皇深遠をチラリと見た。深遠の方でも泰通を振り返って目が合う。
「他には……」
デュアルメンは静かに待つ。降り始めた雪がゆっくり積もるように。
「確かに。大概はそうする」
次いで白髪の皇 深遠が答えた。
「ボッ、ボボボ僕は、頭のおかしなヒヒヒ人の言葉はマママまともに受けないつもりですけど、ココこの場合はケケケ警察に通報します」
「確かに精神異常だ」
デュアルメンはにっこり頷いてから「他には」と辺りを見渡す。
運天泰通が挙手した。控えめなイメージの東洋系で、頭はすこぶる良い。
「取り敢えず会いたい旨を伝えて『ターゲットにされた噂の人』を確認します。そしてターゲットと秘密裏に連絡を取り、噂の真偽に関わらず裁判を勧め、裁判所では証人として出廷します」
成る程、とデュアルメンは頷く。
「運天君は裁判に持ち込むか。これは是か非か」
生徒たちが顔を見合わせる。
「僕は裁判は……親が……」
「僕もちょっと……」
「僕も立場的に……」
デュアルメンが教壇から下りてきた。
「泣き寝入りか。では、もしも君たちに『あの人は……』とターゲットを特定した上で『ターゲットが性行為を望んでいるからどうだ』と誘惑されたらどうする」
と、生徒全員に目をやって「さあ、考えるんだ。どうする」と訊く。
ワッフルヘアの小柄なエシュアがそっと俯いて唇に人差し指を当てた。
(先生、ジェルと薄くて強いゴムを買いませんか。大人の男の人はみんな使うそうです。ピスカレッロはどうかな……あん、いけない妄想……授業に集中、集中……)
「ピスカレッロ君、君の人間性を『侮辱』する誘いをどうするかね」
悪魔はピスカレッロの傍ら立って金髪頭を見下ろし、答えを誘導した。
「裁きます。そりゃあ僕と違ってモテラルキー底辺の人たちには魅力的な唆しかも知れませんが、それにしても、邪悪なボンクラしか乗らないでしょう。高校生の立場では、侮辱罪での訴えは効力が薄いかも知れません。でも、裁判所には、この僕を誑かそうとした馬鹿者をしっかり裁いてもらいたいです」
ピスカレッロは堂々と答える。
デュアルメンは「成る程成る程、さすがは皇子様だな」と頷いて反対側の小柄な白髪に向きを変えた。
「では、皇君。君はどうだね。警察に通報するかね」
「ボッ、僕は、セッセッセー精神のおかしなヒヒヒ人を相手にしたくありませんから、ワラワラ笑って逃げます。そういう失礼なヒヒヒ人って信じられない。オッオモおもいっきりタッタッタカー高笑いしてヒヤヒヤ冷やかしてあげます」
デュアルメンは「見かけによらずしたたかだね。しかし君自身がターゲットにされないように気を付けなさい」と皇深遠の肩に軽く手を乗せた。
「では、運天君。君はどうだね」
デュアルメンは歩を進めた。運天泰通の前に立つ。
運天泰通は立ち上がった。
「取り敢えず噂のターゲットに意志の確認を取りたいところですが、真偽はどうであれ誹謗中傷の噂を流した人を訴えます。それは犯罪です」
運天泰通は白髪の皇深遠をチラリと見た。深遠の方でも泰通を振り返って目が合う。
「他には……」
デュアルメンは静かに待つ。降り始めた雪がゆっくり積もるように。
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