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後日

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「…ソフィア、大丈夫なのかい」

「ええ。本当のことを言いますと、あの変態義兄があまりにもしつこくてねちっこくてゆっくり休めないんですって。それと、…妊娠、なさったそうです。おめでたですわ」

オーウェンにそう答えたソフィアは、「まさかお兄様が赤ちゃんを産むなんて…人生何が起こるかわかりませんわねぇ」と微笑んだ。

「え、じゃあ余計にまずいんじゃ」

「ええ。でもそれと同じくらい、妊娠した妻に発情して何をするかわからない変態もまずいんですの。予測不可能なことをやるのがレイノルド・パーカーですから…。お姉様はまだ初期ですし、安静にするべきですから…幸い妊娠は告げていませんし、安定期に入るまでは何がなんでもお義兄様の元には帰せませんわ…皆様、せっかく王族なのですから協力してくださいませね」

ニッコリと微笑まれて、3人ともその笑っていないソフィアの瞳に身震いした。

「せっかく王族って…なんか…酷いな…」

「ソフィア様、強くなられましたね…これなら未来の王妃でも」

ギリギリとオーウェンに睨み付けられ、パーシヴァルは急いで口を閉じた。まだオランジェと契っていないのに消されたくない。契ったから消されて良いわけでもないのだが。

「ソフィア様」

マーカスの声に視線を向けた3人は、マーカスの後ろにひっそりと立つオリザに気がついた。声も出さず椅子を倒す勢いで立ち上がったベンジャミンは、オリザの元に駆け寄るとその唇を奪った。

顔を真っ赤にしたオリザがベンジャミンの胸を叩くが、その腕をひとまとめに拘束しますますキツく自分の胸に抱き込む。クタリと崩れるオリザの姿に、オーウェンは遠い目でどこかで見たな、と嘆息した。

横抱きにしてオリザを抱き上げたベンジャミンは、「義姉上、部屋を借ります」と告げて歩き出す。

「毎週お泊まりの部屋にどうぞ」

後ろ向きに手をヒラヒラとするベンジャミンを見送ったパーシヴァルは、

「…僕、オランジェに会いたいので帰ります」

と踵を返し、後にはオーウェンとソフィアだけが残った。
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