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後日

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「オリザを、早く連れて来い!」

「まあ、怖い顔。オリザお姉様は逃げ出してしまうでしょうね」

ソフィアの言葉にグッ、と詰まったベンジャミンは、

「…俺は、オリザと絶対に結婚する。でもそれは公爵になりたいから、という理由じゃない。オリザを、愛してるんだ。ガキで、コンプレックスばかりで、一個も優しくできなかった。自分の想いも素直に伝えられなかった。オリザには嫌われて当然だけど、これから時間をかけて償うし、兄上といういい見本を見せてもらってきたからこれからは毎日オリザに愛を告げる。大事にするし、もちろんすぐに俺のモノにする。悪い虫がつかなくて本当に良かった…。邪魔するならここにずーっとずーっと居座ってやる。俺とソフィア嬢に怪しい噂がたって、スムーズに結婚できなくなるかもしれませんね、兄上」

「…それは脅迫か?宣戦布告か?そもそもソフィアはもう僕のだ!僕の童貞を捧げたんだ、誰にも奪わせない!やるならやろうじゃないか、」

「えー、じゃあ僕もここに来るぅ、伯爵家は僕とチェイサー君の子どもに継がせるから」

「そんな、パワーバランス崩すような真似はやめてくださいよ!そんなことになったら僕は立太子しませんからね!」

ギャンギャン騒いでいる4人を横目に、ソフィアがマーカスに視線を向ける。マーカスはそっと姿を消した。

「…皆様」

ソフィアが言葉を発すると、4人はピタリと止まってソフィアをおずおずと見た。レイノルドだけはニヤニヤしながらだが。

「まず。お義兄様。そうやって煽って周囲を巻き込むのはおやめください。…あ、そうだわ」

わざとらしくポン、と手を叩いたソフィアは、

「お兄様…お姉様、シェリル様は、実家に帰りました」

ニッコリと嗤ったソフィアに、「はあああ!?」とレイノルドが詰め寄る。

「なんで…っ!!僕、聞いてない!!」

「お義兄様が毎週末こちらに来る、それなのに行き先を告げていないそうですね。物珍しかっただけで、もう自分に飽きたのだろうと…傷付いておられましたわよ。おに…お姉様もだいぶ反省なさって両親にも謝罪しましたし、私にも…元々家族ですから、受け入れましたの。しばらく帰らないと思いますわ。あらまあ、まさか、離縁なんてなったらどうしましょうねぇ?」

いつも余裕を崩さないレイノルドの表情が一気になくなる。

「…そんなこと絶対に認めない。僕の大事な人を取り上げたりしたら全面戦争だよソフィア」

そう言って踵を返し、ものすごい速さで駆けて行くレイノルドをソフィアはクスクス笑いながら見送った。
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