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二人で席に付き、出された紅茶を含んだ後、オーウェンは震えだす手を必死に握りしめ「パーカー君」と呼んだ。

「はい、なんでしょう?」

ニコニコと屈託なく笑うレイノルドの瞳にイヤな色を感じ、オーウェンは一瞬黙った後、振り切るように首を振り口を開いた。

「今夜、…結婚式なのかい?」

「ええ!そうなんです!やっとこの日を迎えました!」

ムカムカする心を必死に押さえ、オーウェンは笑顔を取り繕う。

「…夜に結婚式だなんて、変わっているね」

「ええ、こちらでは特に披露する必要もありませんし、何しろ結婚式が終わったらすぐに初夜を迎えたくて、僕が!待ちに待った今夜、初めてカラダを見ることができるかと思うともう、はち切れんばかりです!」

楽しみだなぁ、といいながら股間に手を当てるレイノルドに、オーウェンはあからさまな嫌悪感を見せた。その表情を見て、レイノルドがニヤーッと嗤う。

「…まさか、こんな形で手に入れることができるなんて、入学する前は思ってもみませんでした。これもすべて第1王子殿下のおかげです!」

ありがとうございます、とニヤニヤされ、オーウェンはもう取り繕うことができなかった。

「…ずっと、狙っていたと、そういうことか?」

斬り殺さんばかりの威圧を向けられてもヘラリとかわしたレイノルドは、

「ええ!入学前からずーっと狙っていたんです!」

とニヤニヤする。そのバカにしたような物言いにオーウェンが怒鳴りつけようと立ち上がった時、「お待たせしました」と声がした。

「ソフィア!」

バッ、と立ち上がったレイノルドは主人に纏わりつく犬のようにソフィアの周りをグルグル回りながら、「可愛い!」「美しい!」「あー、やっぱり純白にしてよかったぁ!」「僕も白のタキシードだからね、ソフィア!」「可愛い!」とニコニコする。それを呆れたように見ていたソフィアが、ふ、と微笑むのを見て、オーウェンの胸は締め付けられるように痛んだ。

「わざわざこんなことしなくてもいいでしょうに…」

「ふふ、僕なりの愛情表現だから!」

また呆れたように笑うソフィアを呆然と見やるオーウェンは、レイノルドが自分を見ながらニヤリとしたことに気づけなかった。

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