もう一度、あなたと

蜜柑マル

文字の大きさ
上 下
9 / 77
初対面で身元不詳なのにお風呂で不埒なことをされそうになっています

しおりを挟む
「ふ…っ」

ソウリュウくんの口から洩れる吐息に、なぜか後孔がキュウッと疼く。なんでだ、僕はゲイじゃない…いや、だからと言って女性を欲することもなかったが、男性に惹かれた経験もない。

「ハルチカ、ハルチカの手、気持ちいい…もっと、もっと強く扱いてくれ、ハルチカ」

悩ましげな声にカラダが震えそうになる。なんで僕、こんな気持ちになってるんだ?相手はどこの誰かもわからない不審者もどきなのに!

でも、止めることができない。むしろ、もっと気持ちよくなってほしい、そんな感情が湧いてくる。

「う、うん、…あっ!」

僕の後孔に入っているソウリュウくんの指がカラダの中の何かに当たって、ビクビクッと背中が跳ねる。

「…ハルチカの気持ちいいところはここだな。たくさん擦ってやる」

中の指の動きが激しくなったと思ったら、圧迫感が増した。

「…ハルチカ、すごい。3本入ったぞ。ふふ、いいな、ハルチカ…いやらしくて、すごくいい。ああ、ハルチカの中、キュウキュウしめつけてくる…熱い…」

「ひ…っ、あ、ああん…っ」

また分身が精を吐き出す。聞いたことのない自分の声の甘さに、顔がカァッと熱くなる。こんな声、どこから!?

「ハルチカ、また達したんだな。可愛い、可愛い、ハルチカ、可愛い…」

ジュウッと舌を吸い上げられ、中も擦られ、苦しいのか気持ちいいのかなんだかわからないままひたすら涙が頬を伝う。

「ハルチカ、俺もイキたい。ね、お願い、イキたい…」

青い瞳が、爛々と僕を見つめている。その瞳に欲情が見え、僕はたまらなくなった。こんな僕を、欲しがってくれる人がいるなんて事実に。自分すら、大事に思っていない僕を。

「あ、いい、いい…っ。出る…っ、出る、ハルチカっ!」

ソウリュウくんの肉棒がぶわっと膨らんで弾けた。ものすごい量が、後から後から止まることなく吐き出される。若いって、すごい…いや、僕はこんなに出たことあっただろうか?

荒い息を整えるようにフーッと長く息を吐いたソウリュウくんは、僕を見てニッコリした。

「ハルチカ、匂いが濃くなってる…俺に発情してるんだな。嬉しい」

ちゅ、と重なる唇に、今更ながら恥ずかしくなった僕は、

「あ、の!お、お湯、汚れちゃったから…っ」

ソウリュウくんから離れようとしたが、とたんにクラリとなった。

「ハルチカ!…危ない、たくさん出したんだから」

「言うなぁ!」

「なぜだ?俺は嘘は言ってない。たくさん精を出したんだからカラダが疲れたんだ。それでなくてもハルチカは細い…」

そう言うと、ソウリュウくんは僕の腹を撫ぜ、不愉快そうに眉をしかめた。

「こんな薄い腹ではこどもを生めない。ハルチカが死んでしまうかもしれない。それはダメだ」

「僕は男なんだからこどもを生めるわけないだろ!」

「ハルチカは俺の番だから生める。心配するな」

心配はそこじゃない。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

侯爵令息セドリックの憂鬱な日

めちゅう
BL
 第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける——— ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。

婚約破棄は計画的にご利用ください

Cleyera
BL
王太子の発表がされる夜会で、俺は立太子される第二王子殿下に、妹が婚約破棄を告げられる現場を見てしまった 第二王子殿下の婚約者は妹じゃないのを、殿下は知らないらしい ……どうしよう :注意: 素人です 人外、獣人です、耳と尻尾のみ エロ本番はないですが、匂わせる描写はあります 勢いで書いたので、ツッコミはご容赦ください ざまぁできませんでした(´Д` ;)

もう一度、貴方に出会えたなら。今度こそ、共に生きてもらえませんか。

天海みつき
BL
 何気なく母が買ってきた、安物のペットボトルの紅茶。何故か湧き上がる嫌悪感に疑問を持ちつつもグラスに注がれる琥珀色の液体を眺め、安っぽい香りに違和感を覚えて、それでも抑えきれない好奇心に負けて口に含んで人工的な甘みを感じた瞬間。大量に流れ込んできた、人ひとり分の短くも壮絶な人生の記憶に押しつぶされて意識を失うなんて、思いもしなかった――。  自作「貴方の事を心から愛していました。ありがとう。」のIFストーリー、もしも二人が生まれ変わったらという設定。平和になった世界で、戸惑う僕と、それでも僕を求める彼の出会いから手を取り合うまでの穏やかなお話。

【完結】人形と皇子

かずえ
BL
ずっと戦争状態にあった帝国と皇国の最後の戦いの日、帝国の戦闘人形が一体、重症を負って皇国の皇子に拾われた。 戦うことしか教えられていなかった戦闘人形が、人としての名前を貰い、人として扱われて、皇子と幸せに暮らすお話。   性表現がある話には * マークを付けています。苦手な方は飛ばしてください。 第11回BL小説大賞で奨励賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。

BLR15【完結】ある日指輪を拾ったら、国を救った英雄の強面騎士団長と一緒に暮らすことになりました

厘/りん
BL
 ナルン王国の下町に暮らす ルカ。 この国は一部の人だけに使える魔法が神様から贈られる。ルカはその一人で武器や防具、アクセサリーに『加護』を付けて売って生活をしていた。 ある日、配達の為に下町を歩いていたら指輪が落ちていた。見覚えのある指輪だったので届けに行くと…。 国を救った英雄(強面の可愛い物好き)と出生に秘密ありの痩せた青年のお話。 ☆英雄騎士 現在28歳    ルカ 現在18歳 ☆第11回BL小説大賞 21位   皆様のおかげで、奨励賞をいただきました。ありがとう御座いました。    

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

腐男子ですが、お気に入りのBL小説に転移してしまいました

くるむ
BL
芹沢真紀(せりざわまさき)は、大の読書好き(ただし読むのはBLのみ)。 特にお気に入りなのは、『男なのに彼氏が出来ました』だ。 毎日毎日それを舐めるように読み、そして必ず寝る前には自分もその小説の中に入り込み妄想を繰り広げるのが日課だった。 そんなある日、朝目覚めたら世界は一変していて……。 無自覚な腐男子が、小説内一番のイケてる男子に溺愛されるお話し♡

日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが

五右衛門
BL
 月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。  しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

処理中です...