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我が妻は、偉大なる宮廷魔術師
しおりを挟む私は、しがない猟師である
ある、深淵なる翠緑の森で、一羽の純白の梟を卑劣なる罠師から救ったのが、我が妻との出会いであった
梟が人の姿になった訳ではなく、梟は彼女の遣い魔だった様だ
はじめ、私が梟を捕まえたと勘違いし、森が私を捕らえようとしたが、梟の嗎似た鳴き声が、全てを制止した
「え!違う?」
「キュ~~ン」と鳴く梟
「この方が、罠師から救ってくれたの?」
「キューン」
「そうだったの」
「キュン」
彼女は、慌てて、私の呪縛を解き放つと、深くお辞儀をして、
「知らぬとはいえ、大変失礼を致しました。このとおり、お詫びします」
私は、それを直ぐに、
「誤解は、直ぐに解けましたし、深林魔法を体感出来て、いい機会に恵まれたと、思います」
と、応えた
彼女は、ガバッと頭をあげると、翠緑の双眸が、私の心を鷲掴みにした!
彼女が、「お名前を伺っても?」
「あの…やっぱり、怒ってらっしゃる?」
「あのですね!」
と、言ってるところで、
我に返った(恥ずかしいぞ)
「え!あ!こ!これは、失礼しました!、その、あの、貴女の瞳が、まるでこの森にある、翠緑の泉の底の様に見え、しばし、見惚れていました(赤面)」
今度は、彼女が、赤面し出した!
「えッ!」
と、言ったまま、俯いてしまった
しばらくすると、俯きのままモジモジしながら、
「私の髪の色見ても、怖くないのですか?」
彼女の髪の色は、艶やかな漆黒の髪だった
「私は、猟師を生業としているので、私の神は、自然そのものです。ですので、唯一神のような依怙贔屓は、しませんよ」
と、言って、自然と微笑む
「貴方のような方と早くお逢いしたかった、貴方の奥さまは、幸せな方ね」
と、彼女は言った???
「ン?」「えッ?」
彼は、キョトンとした?
「私は、妻帯者ではありませんよ、こんな、むさ苦しい者に連れ添ってくれる者などいませんよ!」
その言葉に、今度は彼女がキョトンとした
彼女はそのまま、俯き押し黙ってしまった
私は、跪坐くと
「まだ、お名前も伺いもしないままですが、この瞬間を無駄にしたくないので、貴女と末永く幸せに暮らして行きたいです、私の伴侶になって、くださりませんか?」
と、手を差し伸べた
「わたくしは、亜神と成ってしまい、悠久の時を過ごして、来ました」
と、言って、彼を見つめると、彼は髪をかきあげた?
長くしなやかな耳が其処には在った!
「私の真名は、ジークリフ、仲間からはギーと呼ばれていて、ハイエルフです。まだ120年程しか生きてない、若輩者です。ですが、貴女の事を真剣に考え思っております、よろしくお願いします」
彼女は、ハッとする様な笑顔で、
「わたくしは、サラと言います、まるで魔女の様な私に、真名迄、捧げてくれたのは、貴方が初めてです」
「本当によろしいのですか?」
私は、彼女に
「貴女じゃなければ、私の世界は、色を喪う」
彼女は、真珠のような涙を、ポロポロと流しながら
「わたくしも、貴方とともに、寄り添って行きたい!」
その日から、彼女(彼)は、隣で、寄り添っている
次回へと続く
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