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第四章 緑石の力に潜む意思
コミヒ姫への依頼
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「もう、嫌だ・・・・・。」
テーブルに臥せった状態でフォリーが呟く。
「どうしましたか?フォリー様。」
ジョーンズが声をかける。
「泣くって疲れるのよ。元に戻ったということは、寂しい思いをしていたもうひとりの自分の感情も入ってきてるのよ。泣きたくなくてもこの状況。そろそろ落ち着いたと思いたいわ。しかも、少ないとはいえ、たいした情報でないとはいえ、あっちの世界の情報が一緒に頭に入ってきていてごちゃごちゃよ。」
顔をフォリーがあげた瞬間、ジョーンズがうにゅっとフォリーの頬をつまむ。
「ひょっと!何ふんの!」
フォリーが抗議の声をあげる。
「フォリー、これで少し気がそれたでしょ?ププッ。」
滅多に見せない、幼なじみとしてのジョーンズがそこにいた。
「おのれ、覚えていなさい。」
フォリーが呟くと、ジョーンズが怖い怖いと両手をあげる。
*
ルーカスはソファーに座って、テーブルの上の目の前の3つの物体を見つめていた。
①ずっと調査され、爆破を招いた緑石
②ファイアルから送られてきた雫の形の緑石
③トゲトゲから産まれた緑石
この内、①と②は同じものだと判明している。③はどうなのか?③が誕生したことで少なくとも妹とアレックスが本来の自分に戻った。同時期にセステオが石が産まれる事を無意識に予見した。石に直に関わった3人に変化がでている。ならば③は見た目だけだなく、中身も①②と同じものと考えてもおかしくはない。
そもそもあのトゲうさぎもどきは何なのか。石があれから生まれたとなればあの植物自体に何かあることになる。
扉を叩く音がする。許可すると、フォリーが入室してきた。
見事な金髪の可憐な妹。
「やれやれ、更に目立ちそうだな。変な虫に。」
「お兄様、何の事?」
「・・・お前はちょっとは自分自身について自覚しろ。」
「?」
「まぁ、いい。それよりどうしたの?」
「あのね、コミヒ様にお願いがあるの。視てもらいたいものがあるの。でも、この間、あんな事が起きたでしょう?それを考えると、頼むのもちょっと・・・。」
「何をみてもらいたいと考えている?」
「・・・そもそも、最初の緑石はどこから来たのか。トゲうさぎちゃんはどういったものなのか。」
「・・・・・なる程。俺と同じ考えだな。と、いうかここまでくれば当然そこを追求したくはなるよな・・・コミヒ様に確認してみよう。その前にあの植物のことについてコミヒ様にまだ話したことはないだろう?まずはそこからだよ。」
「・・・それからお兄様。私、まだお兄様にお話してないことがあるの。ううん、父上にも母上にも。思い出せた記憶について。」
フォリーが緊張した声で話す。
「フォリー、今は無理に話さなくていい。」
ルーカスは妹の頭にぽんっと手を置いた。
*
そろそろあの子から連絡がくる頃だわ。
コミヒは待っていた。連絡がくることは、以前市井の先読みを生業とした者に予言されていた。興味半分で先読みに接触した時に、この世界ではない事に関わる娘がお願いをしてくると言われていた。死を意識する頃とも。自分が不自然な怪我をしたあととも。
あの時はいまいち実感がなかったけど、今なら理解できる。先読みの力は弱い者が多く、視えたものに関して読み間違えもあるという。だが、これは読み間違えではないのだろう。
テーブルに臥せった状態でフォリーが呟く。
「どうしましたか?フォリー様。」
ジョーンズが声をかける。
「泣くって疲れるのよ。元に戻ったということは、寂しい思いをしていたもうひとりの自分の感情も入ってきてるのよ。泣きたくなくてもこの状況。そろそろ落ち着いたと思いたいわ。しかも、少ないとはいえ、たいした情報でないとはいえ、あっちの世界の情報が一緒に頭に入ってきていてごちゃごちゃよ。」
顔をフォリーがあげた瞬間、ジョーンズがうにゅっとフォリーの頬をつまむ。
「ひょっと!何ふんの!」
フォリーが抗議の声をあげる。
「フォリー、これで少し気がそれたでしょ?ププッ。」
滅多に見せない、幼なじみとしてのジョーンズがそこにいた。
「おのれ、覚えていなさい。」
フォリーが呟くと、ジョーンズが怖い怖いと両手をあげる。
*
ルーカスはソファーに座って、テーブルの上の目の前の3つの物体を見つめていた。
①ずっと調査され、爆破を招いた緑石
②ファイアルから送られてきた雫の形の緑石
③トゲトゲから産まれた緑石
この内、①と②は同じものだと判明している。③はどうなのか?③が誕生したことで少なくとも妹とアレックスが本来の自分に戻った。同時期にセステオが石が産まれる事を無意識に予見した。石に直に関わった3人に変化がでている。ならば③は見た目だけだなく、中身も①②と同じものと考えてもおかしくはない。
そもそもあのトゲうさぎもどきは何なのか。石があれから生まれたとなればあの植物自体に何かあることになる。
扉を叩く音がする。許可すると、フォリーが入室してきた。
見事な金髪の可憐な妹。
「やれやれ、更に目立ちそうだな。変な虫に。」
「お兄様、何の事?」
「・・・お前はちょっとは自分自身について自覚しろ。」
「?」
「まぁ、いい。それよりどうしたの?」
「あのね、コミヒ様にお願いがあるの。視てもらいたいものがあるの。でも、この間、あんな事が起きたでしょう?それを考えると、頼むのもちょっと・・・。」
「何をみてもらいたいと考えている?」
「・・・そもそも、最初の緑石はどこから来たのか。トゲうさぎちゃんはどういったものなのか。」
「・・・・・なる程。俺と同じ考えだな。と、いうかここまでくれば当然そこを追求したくはなるよな・・・コミヒ様に確認してみよう。その前にあの植物のことについてコミヒ様にまだ話したことはないだろう?まずはそこからだよ。」
「・・・それからお兄様。私、まだお兄様にお話してないことがあるの。ううん、父上にも母上にも。思い出せた記憶について。」
フォリーが緊張した声で話す。
「フォリー、今は無理に話さなくていい。」
ルーカスは妹の頭にぽんっと手を置いた。
*
そろそろあの子から連絡がくる頃だわ。
コミヒは待っていた。連絡がくることは、以前市井の先読みを生業とした者に予言されていた。興味半分で先読みに接触した時に、この世界ではない事に関わる娘がお願いをしてくると言われていた。死を意識する頃とも。自分が不自然な怪我をしたあととも。
あの時はいまいち実感がなかったけど、今なら理解できる。先読みの力は弱い者が多く、視えたものに関して読み間違えもあるという。だが、これは読み間違えではないのだろう。
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