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第二章 光でも闇でもなく

小路話③ある日の王妃達の会話

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 「この店のお茶、本当に美味しいわよね。ステラ。」

 「ええ、エリー。次回のお茶会の時、ここの店が使ってる茶葉を注文しようと思ってるの。」

 東のエリー王妃と西のステラ王妃は、ある暖かい春の日にまったりと過ごしていた。

 「ところでうちのアレックス、昨日、そっちに行ったら、落ち込んで帰ってきたみたい。」

 「あー、多分アレかな?フォリーが従兄弟のノアと熱烈に話し合いしてたのよね。内容は犬についてだったらしいけど。」

 「ノア王子。なるほど。年齢近いし、2人で話に熱中していたところへアレックスが顔を出したのか。バカね、あの子は。2人が男女の仲になってるわけではないのに。」

 「わかってても落ち込んだってところでしょう?一番仲が良いのだからもっと自信もてばいいのにね。」

 2人は同時にため息をつく。

 「誰に似ちゃったのかしらね、あの初恋拗らせ息子は。」

 「初恋拗らせどころではないでしょう。最初っから気持ちが全開よ。ただねぇ、うちの娘が・・・」

 2人同時に
 「「謎なのよねー。」」

 ステラが続ける。
 
 「好きだとは思うのよね。でも幼なじみとしてなのか、家族的なものなのか、異性としてなのか。最も拒否してないから大丈夫だとは思うのだけど。」

 「拒否も何もアレックスはフォリーを愛しすぎちゃって逆に手が出せない感じなんだけど。」

 と言いながらエリーは腕を組み、ため息をつく。

 「手が出てたら私達あっという間におばあちゃんにされちゃうわよ。私は別にいいけど、そんな事になったらルーカスがブチ切れるわね。それでなくても年齢的にね。」

 「街中の幼なじみ達なんかアレックスの気持ち全開をずっとみてるから、2人の事がそれぞれタイプだったとしても恋愛相手として眼中に入れてないだろうしね。むしろ王子、頑張れ的な。」

 「我が子ながら謎だわ、あの娘は。」

 その後日、ファイアル国の王妃からステラ王妃宛にある手紙が届き、娘のことを聞かれても謎すぎてと返事を送る事案が発生していた。
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