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第一章
昔々あるところに・・・
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昔々あるところに、とても愛し合っている男女がいました。そして女性にはとても仲の良い妹がいました。家族皆、仲が良かったのです。
ところが、女性に恋人ができた頃から均衡は崩れていきました。妹が女性を攻撃するような言動は度々目撃され、男は女性の妹の目的が何なのか調べようとします。その最中、妹が原因で女性は命を落としてしまいました。絶望した男もまたこの世を去ってしまいました。
そして残された妹がその後どういう人生を歩んだのかは誰にも伝えられておりません。
そう、妹が何を考えていたのか、結果姉を失ってどう思ったのか誰もしらないのでした。
「何、その物語?概要だけって感じで、人が亡くなった以外に何があったのかさっぱりわからないけど?」
騎士カイルが呟く。
怪しい露天商の話に首を傾ける。
「だから、お客さん。どんなに仲の良い者たちでも何かがきっかけでガラっと変わってしまうってこと。日頃からの何気ない行いが誰の人生を狂わすこともあるって話。だからこそ、これを買ってよ!土産にお得だよ?特売。お客さん、なかなかハンサムだからおまけもつけちゃう。国に帰ったら知人、友人、家族に配りなよ。日頃からの信頼関係を大切に!
これ、日持ちするし、美味しいからさ。」
露天商とカイルのやり取りをみながら、レイが疑問を口にする。
「ねぇ、ジェイさん。この話、残された妹ってどう思います?」
「さぁ。理解しようにもその立場になった事はないから。」
「僕、その妹、すごく後悔したんじゃないのかなって気がするんです。だって仲良しのお姉さんが自分のせいで死んじゃったんでしょう?
何でお姉さんに攻撃するようになったのかは知らないけど、元々は仲良しなら、お姉さん失って悲しんだんじゃないのかなぁ?」
「・・・・・レイは優しいんだね。
そうだね、レイみたいな人がその物語の妹さんだったら、悲しみそうだね。」
淡々とジェシカは返事をする。
過ぎ去った過去は考察はできても、起きた結果は変わらない。
あの露天商、あの国へ行ったことがあるんだわ。
これはあの国の伝承みたいなものだもの。
「「あ・・・。」」
レイとジェシカは同時に声を出す。
「負けちゃいましたね、カイルさん。買わされてる。」
レイが呟く。
カイルがお菓子を抱えてふたりに合流する。
「国に戻った時のお土産にするのかな?と、いうことはそろそろ貴方は私達と別れて旅立つのかな?」
ジェシカが話しかけるが、
「あー?そんな事言って消えようと考えてるのか?言ったろ?逃げても無駄だよ。追いかける。
この旅は面白そうだしな。」
「何でそんなについてきたいのやら。」
ボソっとジェシカが呟く。
「何か言ったか?ジェイ?」
「いや、別に。」
凸凹コンビは歩きはじめた。
遠くの方で騒ぎが聞こえてくる。近寄ると、怪我人がいて、介抱してる者たちが声を出していた。
「どうしたんだ?」騎士カイルが声をかける。
「ま、魔物です。魔物が出たんです。」
ところが、女性に恋人ができた頃から均衡は崩れていきました。妹が女性を攻撃するような言動は度々目撃され、男は女性の妹の目的が何なのか調べようとします。その最中、妹が原因で女性は命を落としてしまいました。絶望した男もまたこの世を去ってしまいました。
そして残された妹がその後どういう人生を歩んだのかは誰にも伝えられておりません。
そう、妹が何を考えていたのか、結果姉を失ってどう思ったのか誰もしらないのでした。
「何、その物語?概要だけって感じで、人が亡くなった以外に何があったのかさっぱりわからないけど?」
騎士カイルが呟く。
怪しい露天商の話に首を傾ける。
「だから、お客さん。どんなに仲の良い者たちでも何かがきっかけでガラっと変わってしまうってこと。日頃からの何気ない行いが誰の人生を狂わすこともあるって話。だからこそ、これを買ってよ!土産にお得だよ?特売。お客さん、なかなかハンサムだからおまけもつけちゃう。国に帰ったら知人、友人、家族に配りなよ。日頃からの信頼関係を大切に!
これ、日持ちするし、美味しいからさ。」
露天商とカイルのやり取りをみながら、レイが疑問を口にする。
「ねぇ、ジェイさん。この話、残された妹ってどう思います?」
「さぁ。理解しようにもその立場になった事はないから。」
「僕、その妹、すごく後悔したんじゃないのかなって気がするんです。だって仲良しのお姉さんが自分のせいで死んじゃったんでしょう?
何でお姉さんに攻撃するようになったのかは知らないけど、元々は仲良しなら、お姉さん失って悲しんだんじゃないのかなぁ?」
「・・・・・レイは優しいんだね。
そうだね、レイみたいな人がその物語の妹さんだったら、悲しみそうだね。」
淡々とジェシカは返事をする。
過ぎ去った過去は考察はできても、起きた結果は変わらない。
あの露天商、あの国へ行ったことがあるんだわ。
これはあの国の伝承みたいなものだもの。
「「あ・・・。」」
レイとジェシカは同時に声を出す。
「負けちゃいましたね、カイルさん。買わされてる。」
レイが呟く。
カイルがお菓子を抱えてふたりに合流する。
「国に戻った時のお土産にするのかな?と、いうことはそろそろ貴方は私達と別れて旅立つのかな?」
ジェシカが話しかけるが、
「あー?そんな事言って消えようと考えてるのか?言ったろ?逃げても無駄だよ。追いかける。
この旅は面白そうだしな。」
「何でそんなについてきたいのやら。」
ボソっとジェシカが呟く。
「何か言ったか?ジェイ?」
「いや、別に。」
凸凹コンビは歩きはじめた。
遠くの方で騒ぎが聞こえてくる。近寄ると、怪我人がいて、介抱してる者たちが声を出していた。
「どうしたんだ?」騎士カイルが声をかける。
「ま、魔物です。魔物が出たんです。」
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