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そんな風に西島が心の中で神に祈りを捧げていると、それを見越したかのように石神がこんなことを言った。
「まあ 確かに? 比較的早くに女ができる可能性もある。大学のサークルとかバイト先とか、そういったところで知り合ったりしてな」
「うんっ、うんっ!」
「けどさ、それってどんな女だ? 美人か? それともブス? おまえにできる彼女はどっちだよ」
問われて西島は考えた。一秒かからずに答えがでる。
ブスだ、ブスに決まってる。
間違いない。
かわいい彼女ができたらいいな、なんてことは西島だって星の数ほど考えたし、憧れてきた。けれど、それが現実なると思ったことはない。むしろ、どんな子でもいい、彼女ができるというだけで喜ばしいと、現実的にはそう考えていたのである。
「かっ、顔なんてどうでもいいんだ。優しくて良い子なら、それだけで俺は――」
「つまり、未来のおまえの彼女はブスってことだな?」
「ブ、ブスって言うなよ。普通だよ、普通。それに、見た目より中身が大事だ!」
「女の顔の普通って評価は、男にしてみればブスだろう」
「うっ……」
「本当にいいのか? ファーストキスの相手だぞ? ブスでいいのか? 一生の思い出になる相手がブス。初めてキスする相手がブスで、おまえ、本当にいいのかよ」
「い、嫌だとしても、どうにもならないじゃないか。仕方がないよ!」
「だったら!」
そこで石神は西島の顎の持って、ぐいと顔を上に向けさせた。そして、自らもそこに顔を近づける。
「俺にしといた方がいいんじゃないか? おまえに将来できるブスな彼女より、絶対に俺の方が顔が良いと思うけど?」
「そ、それは……」
「おまえ、さっき俺のことイケメンって言ったよな? つまり、俺の顔は嫌いじゃないんだろう?」
「それはまあ」
「だったら俺にしとけよ。おまえの今後の人生、俺より顔の良いやつと親しくなれる可能性はあると思うか?」
ないだろうな、と西島は素直に思った。
男の西島の目から見ても、石神は驚くほど整った顔をしている。それに、ガタイも良い。まるでテレビや雑誌から飛び出してきたみたいにすべてが整い、輝いている。
「唇なんて男も女も変わらない、ってか、同じだろ? それなら、少しでも顔の良いヤツとした方がいいんじゃないか?」
「そ、そうかもしれないけど、でも」
「ファーストキスの思い出だろ? 本当にブスでいいのか?」
「いや、それは……」
「俺、キス上手いよ? これまで山のようにしてきてるからな。おまえのこと、腰抜かすくらい気持ち良くしてあげられるけど? 興味ない?」
「キ、キスが気持ちいいって本当? 都市伝説じゃなく?」
「気持ちいよ。俺となら、キスだけで勃起するくらい気持ち良くなれる。どう? やってみたくない? こんなチャンスを逃して本当にいいのか?」
石神が優しく西島の髪を梳いた。それだけで、西島の体にぞくりと快感が走る。
「な? ちょっとだけ試しにやってみよう? 嫌ならすぐにやめるし」
「え、で、でも」
「すごく気持ちよくしてやるから。ほら、したいって言ってみな?」
「俺……」
「言うのが恥ずかしいなら頷くだけでいい。俺、おまえが好きだよ。だからキスしたい。キスして気持ち良くしてやりたい。なあ、俺とキスしよう? すごく気持ちいいから。な、キスしていい?」
「う……あ……」
「藤原の誹謗中傷からも守ってやる。ほら、頷けよ、西島。俺とキスしよう?」
滅多に見ないほど整った顔の石神から至近距離で甘く囁かれ、西島の頭はボーッとしてしまって上手く働かない。無意識に目は石神の形良い唇に釘付けになっていて、気が付けば西島はコクリと頷いていた。
「まあ 確かに? 比較的早くに女ができる可能性もある。大学のサークルとかバイト先とか、そういったところで知り合ったりしてな」
「うんっ、うんっ!」
「けどさ、それってどんな女だ? 美人か? それともブス? おまえにできる彼女はどっちだよ」
問われて西島は考えた。一秒かからずに答えがでる。
ブスだ、ブスに決まってる。
間違いない。
かわいい彼女ができたらいいな、なんてことは西島だって星の数ほど考えたし、憧れてきた。けれど、それが現実なると思ったことはない。むしろ、どんな子でもいい、彼女ができるというだけで喜ばしいと、現実的にはそう考えていたのである。
「かっ、顔なんてどうでもいいんだ。優しくて良い子なら、それだけで俺は――」
「つまり、未来のおまえの彼女はブスってことだな?」
「ブ、ブスって言うなよ。普通だよ、普通。それに、見た目より中身が大事だ!」
「女の顔の普通って評価は、男にしてみればブスだろう」
「うっ……」
「本当にいいのか? ファーストキスの相手だぞ? ブスでいいのか? 一生の思い出になる相手がブス。初めてキスする相手がブスで、おまえ、本当にいいのかよ」
「い、嫌だとしても、どうにもならないじゃないか。仕方がないよ!」
「だったら!」
そこで石神は西島の顎の持って、ぐいと顔を上に向けさせた。そして、自らもそこに顔を近づける。
「俺にしといた方がいいんじゃないか? おまえに将来できるブスな彼女より、絶対に俺の方が顔が良いと思うけど?」
「そ、それは……」
「おまえ、さっき俺のことイケメンって言ったよな? つまり、俺の顔は嫌いじゃないんだろう?」
「それはまあ」
「だったら俺にしとけよ。おまえの今後の人生、俺より顔の良いやつと親しくなれる可能性はあると思うか?」
ないだろうな、と西島は素直に思った。
男の西島の目から見ても、石神は驚くほど整った顔をしている。それに、ガタイも良い。まるでテレビや雑誌から飛び出してきたみたいにすべてが整い、輝いている。
「唇なんて男も女も変わらない、ってか、同じだろ? それなら、少しでも顔の良いヤツとした方がいいんじゃないか?」
「そ、そうかもしれないけど、でも」
「ファーストキスの思い出だろ? 本当にブスでいいのか?」
「いや、それは……」
「俺、キス上手いよ? これまで山のようにしてきてるからな。おまえのこと、腰抜かすくらい気持ち良くしてあげられるけど? 興味ない?」
「キ、キスが気持ちいいって本当? 都市伝説じゃなく?」
「気持ちいよ。俺となら、キスだけで勃起するくらい気持ち良くなれる。どう? やってみたくない? こんなチャンスを逃して本当にいいのか?」
石神が優しく西島の髪を梳いた。それだけで、西島の体にぞくりと快感が走る。
「な? ちょっとだけ試しにやってみよう? 嫌ならすぐにやめるし」
「え、で、でも」
「すごく気持ちよくしてやるから。ほら、したいって言ってみな?」
「俺……」
「言うのが恥ずかしいなら頷くだけでいい。俺、おまえが好きだよ。だからキスしたい。キスして気持ち良くしてやりたい。なあ、俺とキスしよう? すごく気持ちいいから。な、キスしていい?」
「う……あ……」
「藤原の誹謗中傷からも守ってやる。ほら、頷けよ、西島。俺とキスしよう?」
滅多に見ないほど整った顔の石神から至近距離で甘く囁かれ、西島の頭はボーッとしてしまって上手く働かない。無意識に目は石神の形良い唇に釘付けになっていて、気が付けば西島はコクリと頷いていた。
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