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74.答え合わせの続き−2(R−15)完結

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「食事に行くか?」
「そうだな、被害に遭ってない場所なら店もやってんだろ。それともヘルムートのパン屋に行って、それから復興を手伝う?」
 確か先輩も今日から行くと言ってたしな。
 俺はそう思ったけれど、リッドに止められた。

「そこまでお前が心配する事はない。後は他の奴に任せればいい」
「でも――」
「今回の事でお前に責任は一つもない」
「うん」
 なかなかそうは思えないけど、でもゆっくりでもいいか。
 ゆっくりと俺に出来ることをしていこう。

 俺たちは定食屋みたいな店でたっぷりとした朝食を摂り、食材を買ってから家に帰った。
 そして答え合わせの続きをした。

 俺は王城で近衛兵達に襲われた事も、それでリッドに貞操帯の魔法を掛けられた事も、二人で軟膏を選びに行って店で盛り上がった事も覚えていた。
 他にもスライムクッションの上でしたことや、ツキカゲが生まれた時のこと、初めてリッドのベッドでした時の事もちゃんと覚えていた。
 って、なんだかえっちばかりしていたみたいじゃないかよ!
 違う、ちゃんとカイト先輩と再会した時の事だって覚えてるし、どういう関係だとリッドに迫られて釈明した事だって覚えている。
 それでその後、先輩に見せつけるようにえっちをして……うわぁ~ん、やっぱりえっちな事しかしてねえ!
 リッドとの思い出はエロを切り離せねえよ!

「どうした?」
 急に挙動不審になった俺を心配してリッドが顔を覗き込んできた。
 彫りの深いゴツゴツとした顔立ち。
 手も足も身体も、全部が俺よりも大きく作られていて、声すら大きくて最初は巨人みたいだと思った。こんな巨人の国でやっていけんのかよ、と不安だった。
 俺はリッドの頬に口付けて指を握る。

「最初は、指一本もきつかった」
「ああ……」
 リッドが何の事か察して顔を赤く染める。

「滑りやすくする為に軟膏を買って、指を二本、三本と増やしていって……もう普通の男のブツと変わらないサイズなのに、あんたたちのには全然足りなくてさ。でもどうしても繋がりたくて、薬屋で相談して怪しい丸薬を購入した」
「怪しくはない。こっちの女も使うものだ」
 リッドが真面目な顔でそう言ったが、俺が買ったのは男専用だよ。多分。

「丸薬を使っても全部挿れるのは難しくて、別にそれでも良かったんだけど九尾化して、半獣化して、自分で濡れるようになって……俺はすっかりあんたを受け入れられる身体に変わった」
「……イヤだったか?」
 気遣わしげに聞いてきたリッドの指に口付けて首を横に振る。

「副作用を聞いた時はろくでもない事になったと思ったけど、記憶を失くしたまま無理矢理に抱かれてもイヤだと思えなかった」
 記憶がなくても俺の相手はこの男だけだった。

「悪魔の呪いを解く途中で進化までして……とうとう俺は人間からはみ出しちまったのかもしれない。でも、始まりはあんたと繋がりたいって気持ちからスタートして、それでここがゴールなら、ハッピーエンドってやつじゃねぇ?」
 そう言ってじっとリッドを見つめたら、何を思ったのか真っ赤になって涙ぐんだ。

「ユウトに恋をして、優しくしたい、可愛がりたい、受け入れて欲しいとは思ったけど本当に繋がるのは無理だと思っていた。王都の宿でお前から誘われて、小さな穴に指を沈めて、俺の指で気持ちよくなっているお前を見たら堪らなかった。可愛くて、いやらしくて、指を締め付けてイッた時には気が狂うかと思った」
「思い出させるなよぅ……」
 俺は初めてだというのに一度達しただけでは足りなくて、自分から秘孔を押し付けるという痴態を曝した。

「指一本でお腹いっぱいだと言われて、指を挿れられるのが嬉しくて、でもそれ以上は駄目かと思ったらガッカリしてしまった。俺のを挿れられるなんて欠片も思っていなかった筈なのに」
 え、そうなの? リッドは俺にハメる気がなかったの?
 それって意外だしかなり驚きの事実だぜ。

「でも俺だけなんてやだよ。俺はあんたにも気持ちよくなって欲しかった」
「ああ。どれだけ気持ちよくしても満足しないお前を見て、俺が欲しいのかもしれないと思ったらカーッと頭に血が上ってな。お前の奥を解してその後で丸薬も買った」
 クソッ、覚えてる。初めて奥を解されて、俺は物凄く気持ちがよくなってぶっ飛んでしまった。

「水路でお前に挿れたいと言われて、無理だろうと思うのに諦められなかった。俺もお前と繋がりたかった」
「うん。あんたに欲を向けられると俺は嬉しいんだ」
「欲しがってもいいと思った。俺が、お前を欲しがってもいいんだと……」
「なんだよ今日は泣き虫だな」
 そう言って俺はリッドの頭を抱き締めた。

(そうか。俺が欲しがったから、こいつも手を伸ばす事が出来たんだな)

「愛してるって言われて、俺はあんたのそれを信じてしまった。もうあんたの愛してる無しじゃ生きられなくなった。ほんと、どうしてくれんだよ。責任を取れよな」
 俺はそう言ってリッドの髪に何度も口付けを落とす。
 愛してる、愛してる。俺もあんたを愛してる。

「ユウ……胸が痛い」
「最高の『愛してる』だな」
 俺はクスリと笑って胸の痛みが取れるオマジナイをした。
 キスとハグとそして――。
 ずっと側にいるという約束。
 俺たちは何度でも一緒に生きると、そう誓うのだった。

 完
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