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61.快楽地獄の中で一瞬垣間見えたもの-1(R-18)

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 困った男をちょっとからかってやるだけのつもりで丸薬を仕込み、今の俺は自分が追い詰められていた。
  
(もう、擦れるものがない……)
 さっきまでコロコロと内壁を刺激して俺を苛んでいた丸薬が溶けて消えてしまうと、今度はナカを擦られない事に悶絶し始めた。
  
(お尻、ゴリゴリして欲しぃ……)
 尻のナカを引っ掻いて擦って欲しくて堪らないのに、腹のナカはぬるぬると滑るばかりで硬いモノが何も無い。
 俺は余りの切なさに何か咥え込めるものはないかと辺りに視線を走らせるが、今は食事の最中だし俺たち二人の為だけにシタールを弾いてくれている演奏家の為にも目立った動きは取れない。
 俺はずくんずくんと脈打つ後孔の疼きに耐えながら硬く拳を握り締めた。
  
「何かリクエストはありマスかー?」
 外国人らしき男に訊かれたが、こちらの曲なんて知らない。
 丁度良いからこれでお終いにして貰おう、と思ったらリッドのバカが艶っぽい曲をやってくれと言った。
  
「余り詳しくないので、口下手な俺の代わりにこいつを口説いてくれるような曲を頼む」
「わかりました」
 演奏家は力強く請け負い、弦を震わせてつやめかしい曲を奏で始めた。
 まるで淡い桜色の花びらが散っているような素敵な演奏だったけれど、今の俺にはムラムラを煽るものでしかない。
  
「ユウ、シタールの音色に反応しているのか? 少し妬けるな」
 リッドがこちらに屈み込むように上半身を寄せて耳元で囁いた。
  
(クソッ、俺がこいつの声に弱いって知っててやってやがる。……確信犯め)
 腹が立つけれど丸薬が溶けきって粘膜から直接媚薬成分の吸収された身体はすっかりいう事を聞かなくなっている。
 俺はリッドの熱に惹かれて自分から身体を押し付け、もっと息を吹き込んで貰おうと耳を近付けた。
  
「どうした? 首なんて傾げて」
 くつくつと笑いながら耳穴に息を吹き掛けられ、俺は小さく悲鳴をあげて姿勢を崩した。
  
「もっ、限界……カラダ、熱ぃ……」
「おい、こんなところで脱ぐなよ? お前の肌を目にしたら、目玉を刳り抜かないといけないだろう?」
 ああそうだな、嫉妬したお前なら本当にやるかもしれないからなっ!
  
「リッド……なぁ、本当にもう我慢できない。なんでもいいから突っ込んで欲しいくらいなんだって」
 俺はとうとう我慢できずに早口でそう泣き付いた。
 けれどリッドは『なんでも』? と俺の言葉のどうでもいい部分に喰い付いた。
  
「バカッ、部屋に帰ったら拡げても穿ってもいいから……お願い」
 涙ぐみながら頼んだらリッドの目の色が変わって、腕を引かれて抱き上げられた。
 俺はリッドの首に両腕でしがみ付き、肩に額を押し付けて欲情しきったみっともない顔を隠した。
  
「済まない、演奏がよく効いたようだ。これはチップだ。取っておいてくれ」
 あー、やだやだ。カッコつけてるけど、嬉しそうなのが隠し切れてないからぁ。
 あんたが嬉々とした足取りなのなんてバレバレなんだからなっ。
  
 俺はジワリとナカから滲み出してきたものが垂れそうで、早く早くとリッドを急かせた。
 部屋に着いてベッドに下ろされ、直ぐに自分からシャツを捲ってパンツを膝まで下ろした。
 ベッドに突っ伏したまま猫のように尻だけを高く掲げ、フゥフゥと熱い息を吐きながら右手の中指を蕩けた穴に押し込んだ。
 一気に根元まで挿入して色付いた息を吐き、それでも足りずに忙しなく指を動かすが俺の細い指では物足りず、二本目を挿れようとしてリッドに手を掴まれた。
  
「俺が掻いてやる」
 腹を背中側に向けて這入ってきた指が、ねっとりと襞の間を押し伸ばすように動いた。
 それが余りに好くて、俺は自分から腰を後ろに突き上げて強請るように穴をくぱくぱと喘がせた。
  
「ユウ、どこもかしこも気持ちいいな?」
 リッドの指が窄まりから門の締め付けを通って奥まで満遍なく身体のナカを撫でる。
 こいつは俺の後ろをねちっこく弄るのが好きで、小さな穴が少しずつ解れていくのが良いのだと言う。だから今日みたいに既にトロトロの穴には興味が無いかと思ったのに、楽しそうに一気に三本の指を突っ込んできてバラバラと大胆に動かした。
  
「あんっ! ひうっ! あっ、ああっ!」
 ぐちょぐちょと酷い水音を立てながら掻き回して、リッドが声だけは優しく俺に訊いた。

「一度イッておくか?」
「ンッ、ンッ、ぁやぐぅ」
 こくこくと頷いたら逞しいリッドのイチモツが真上から垂直に這入って来た。
 苦しいけど半ばまで挿れられて、ズシンと突かれたらもう堪らなかった。
 俺はキュウキュウと締め付けてイッてしまった。
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