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59.泉の妖精は間抜けな悪魔だった-2
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「呪われっ子が捨てられてきた」
そう言ってニタリと笑ったヨークシャーテリアに似た毛むくじゃらの悪魔を、俺は条件反射的に殴り飛ばした。
「痛いっ! 何をするっ!」
「いや、ムカつく事を言われたから……」
「本当の事だろう! 大悪魔に呪われて、愛するものを忘れた癖に!」
いやぁ、悪魔に『愛するもの』とか言われちゃうとすっごい違和感だよね。
っていうか、呪われてるのって見たらわかるものなんだ?
「当たり前だ。大悪魔が人間に倒されるなんて、百年に一度の椿事だぞ! 盛大に呪われた跡が残るわい!」
「それってそんなに希少? 百年に一度なら割りとよくある方なんじゃあ……」
「ふん、そんな考えじゃあ、見捨てられるぞい。ほれ」
カゲボウシに頼むまでもなく、悪魔がヒョイと短い前足を振ったら泉の前の光景が空に映し出された。
俺の前で俺そっくりの男が笑ってふわりとリッドの腕の中に収まった。
(やだ、俺以外の奴を抱き締めるなよ!)
やっぱり俺は可愛げが無いから……と落ち込みかけたが、俺そっくりの男は口を尖らせて拗ねたりプイッと横を向いたりしている。
あれ? いつもの俺と変わらないような気が……。
考え込む俺の前で、リッドは『ユウと同じだがユウではない』と言って泉に返してしまった。
「おい、揺らぎもしなかったぞ?」
ウリウリと悪魔の顔を肘で抉ってやったらキャンキャンと吠えるようにおかしいと言った。
「おかしい、あの男の望むものを出した筈なのに!」
「リッドが望むのは俺って事だろ? でもって、同じだって俺じゃないならいらないって事だ。うん、そういう事」
俺は思わずニヤリと笑った。
どうしよう。顔がニヤけてしようがない。
「だがっ、それじゃ困るのだろ? お前たちは呪いを解きにきたんだろう?」
「いや、お前には解けないだろぉ。だって大悪魔の呪いだぜ? お前ごときじゃ手も脚も出ねぇって」
「わしはっ、泉の、妖精じゃっ!」
「何いってんだよ、正体は悪魔なんだろうが」
「悪魔ではないっ、妖精じゃっ!」
んん~? どういう事だろう? リッドは悪魔だって言ったんだけどなぁ。
「妖精にしては、やることが悪辣なんじゃない? 大事な人と引き換えに欲しいものを与えるとか、帰す時だってすんなりとは帰さないんだろう? 俺にも意地悪を言ってたしな?」
「違う! わしは……わしは、愛して欲しいだけだ。その為にライバルを蹴落とすのは当たり前だろう!?」
(……え? 俺って口説かれてたの?)
「そりゃあ、やり方がマズイよ。恋人との仲を引き裂いておいて、あんたに靡く奴なんかいなかっただろ?」
そもそも見た目が違い過ぎるけど、そこはまぁ愛情には動物愛的なものもあるから良いとしてもだ。
「どう考えてもアプローチが間違ってる」
「そんなっ! わしは愛を識る悪魔だぞっ!」
やっぱり悪魔なんじゃねぇかよ。なんで妖精を自称してんだよ。変な奴だな。
「愛を知ってる? 本当に?」
聞き返したら悪魔が俯いてしまった。
なんだか俺が虐めてるみたいじゃないかよ。
「俺は思うんだけどさ、ここに一人でいるうちは本当の愛なんて知ることは出来ないんじゃないか?」
「しかしわしは泉の妖精じゃ。この世界の理を無視して外に出る事は出来ない」
ん~、悪魔はルールに縛られるって奴だな。
とすると、泉の妖精って悪魔の名前なのかな?
「だったら他の悪魔と名前を交換すれば良いんじゃないか?」
「名前を、交換?」
悪魔の目から光が消えて真っ黒く染まった。
こういう所を見ちゃうとこいつは悪魔なんだと実感するな。
「悪魔は対価なしには動けない。だったら俺が悪魔を一匹捕まえて泉に落としてやるから、そいつと名前を交換すれば良い」
「……ふん、頭がいいな。それでお前は代わりに何を望む?」
お、なるほど。俺も悪魔に対価を要求出来るのか。
「大悪魔の呪いは解けないんだろう?」
「当たり前じゃっ! 妖精の手に負える事ではないわいっ」
「だったら大悪魔の呪いを解く方法は教えられるか?」
「大悪魔の名は?」
「わからない」
「それじゃあ教えられん。名は誓約なんじゃ」
ふぅん、堂々巡りか。
「貸しってのはありか? 俺が大悪魔の名前を突き止めたら、お前は必ず俺に呪いを解く方法を教えに来なくてはならない。そういうのは――」
言葉の途中で泉の底が眩く光った。
「クソッ、呪を掛けおったな! 勝手に契約を結ぶとはっ!」
悪魔がギャンギャンと吠えているが知らないったら。
俺は訊いてみただけだもん。
「お前がわしの一番の望みを見抜いたから、契約がなったのじゃ」
いやいや、見抜いたっていうか、あんたが自分で言ったんだよね?
愛されたいって。
「まあまあ、もう約束しちゃったんならしようがないじゃん。ほら、俺を地上に帰しなよ。リッドはあんたが差し出したものを突っ撥ねたし、俺はあんたの代わりになる悪魔を捕まえてこなくちゃいけないしさ」
「ぐぬぬ……こんな子供にしてやられるとは」
小さい犬みたいな見た目の奴に言われたくないけどね。
泉の妖精という名の悪魔は渋々と俺を地上に帰した。
「ユウ! 無事だったか!」
駆け寄ってきた男の前で、俺はその場に膝を付いて座り三つ指を付いた。
「リッド、忘れてごめんなさい。必ず思い出して、あんたの側で幸せになるから。不束者ですが、末永く宜しくお願いします」
「……いいのか?」
「ここであんたに一生を誓うよ」
顔を上げてじっと見つめた俺を、リッドが震える指を伸ばして頬に触れた。
「誓約を、強いる事は出来ない。それは魂を捧げることだから」
「わかってる」
「いいんだな?」
「ああ。魂に懸けて」
リッドが俺の額に額を押し当てて目を瞑った。
奴の後頭部にそっと手を当てながら、リッドはとっくに誓ってくれていたのに遅くなってしまったなぁと思う。
「ユウ、望みを叶えて貰った」
「うん」
けれど大悪魔の呪いは解けず、俺の記憶は未だに戻らないのだった。
そう言ってニタリと笑ったヨークシャーテリアに似た毛むくじゃらの悪魔を、俺は条件反射的に殴り飛ばした。
「痛いっ! 何をするっ!」
「いや、ムカつく事を言われたから……」
「本当の事だろう! 大悪魔に呪われて、愛するものを忘れた癖に!」
いやぁ、悪魔に『愛するもの』とか言われちゃうとすっごい違和感だよね。
っていうか、呪われてるのって見たらわかるものなんだ?
「当たり前だ。大悪魔が人間に倒されるなんて、百年に一度の椿事だぞ! 盛大に呪われた跡が残るわい!」
「それってそんなに希少? 百年に一度なら割りとよくある方なんじゃあ……」
「ふん、そんな考えじゃあ、見捨てられるぞい。ほれ」
カゲボウシに頼むまでもなく、悪魔がヒョイと短い前足を振ったら泉の前の光景が空に映し出された。
俺の前で俺そっくりの男が笑ってふわりとリッドの腕の中に収まった。
(やだ、俺以外の奴を抱き締めるなよ!)
やっぱり俺は可愛げが無いから……と落ち込みかけたが、俺そっくりの男は口を尖らせて拗ねたりプイッと横を向いたりしている。
あれ? いつもの俺と変わらないような気が……。
考え込む俺の前で、リッドは『ユウと同じだがユウではない』と言って泉に返してしまった。
「おい、揺らぎもしなかったぞ?」
ウリウリと悪魔の顔を肘で抉ってやったらキャンキャンと吠えるようにおかしいと言った。
「おかしい、あの男の望むものを出した筈なのに!」
「リッドが望むのは俺って事だろ? でもって、同じだって俺じゃないならいらないって事だ。うん、そういう事」
俺は思わずニヤリと笑った。
どうしよう。顔がニヤけてしようがない。
「だがっ、それじゃ困るのだろ? お前たちは呪いを解きにきたんだろう?」
「いや、お前には解けないだろぉ。だって大悪魔の呪いだぜ? お前ごときじゃ手も脚も出ねぇって」
「わしはっ、泉の、妖精じゃっ!」
「何いってんだよ、正体は悪魔なんだろうが」
「悪魔ではないっ、妖精じゃっ!」
んん~? どういう事だろう? リッドは悪魔だって言ったんだけどなぁ。
「妖精にしては、やることが悪辣なんじゃない? 大事な人と引き換えに欲しいものを与えるとか、帰す時だってすんなりとは帰さないんだろう? 俺にも意地悪を言ってたしな?」
「違う! わしは……わしは、愛して欲しいだけだ。その為にライバルを蹴落とすのは当たり前だろう!?」
(……え? 俺って口説かれてたの?)
「そりゃあ、やり方がマズイよ。恋人との仲を引き裂いておいて、あんたに靡く奴なんかいなかっただろ?」
そもそも見た目が違い過ぎるけど、そこはまぁ愛情には動物愛的なものもあるから良いとしてもだ。
「どう考えてもアプローチが間違ってる」
「そんなっ! わしは愛を識る悪魔だぞっ!」
やっぱり悪魔なんじゃねぇかよ。なんで妖精を自称してんだよ。変な奴だな。
「愛を知ってる? 本当に?」
聞き返したら悪魔が俯いてしまった。
なんだか俺が虐めてるみたいじゃないかよ。
「俺は思うんだけどさ、ここに一人でいるうちは本当の愛なんて知ることは出来ないんじゃないか?」
「しかしわしは泉の妖精じゃ。この世界の理を無視して外に出る事は出来ない」
ん~、悪魔はルールに縛られるって奴だな。
とすると、泉の妖精って悪魔の名前なのかな?
「だったら他の悪魔と名前を交換すれば良いんじゃないか?」
「名前を、交換?」
悪魔の目から光が消えて真っ黒く染まった。
こういう所を見ちゃうとこいつは悪魔なんだと実感するな。
「悪魔は対価なしには動けない。だったら俺が悪魔を一匹捕まえて泉に落としてやるから、そいつと名前を交換すれば良い」
「……ふん、頭がいいな。それでお前は代わりに何を望む?」
お、なるほど。俺も悪魔に対価を要求出来るのか。
「大悪魔の呪いは解けないんだろう?」
「当たり前じゃっ! 妖精の手に負える事ではないわいっ」
「だったら大悪魔の呪いを解く方法は教えられるか?」
「大悪魔の名は?」
「わからない」
「それじゃあ教えられん。名は誓約なんじゃ」
ふぅん、堂々巡りか。
「貸しってのはありか? 俺が大悪魔の名前を突き止めたら、お前は必ず俺に呪いを解く方法を教えに来なくてはならない。そういうのは――」
言葉の途中で泉の底が眩く光った。
「クソッ、呪を掛けおったな! 勝手に契約を結ぶとはっ!」
悪魔がギャンギャンと吠えているが知らないったら。
俺は訊いてみただけだもん。
「お前がわしの一番の望みを見抜いたから、契約がなったのじゃ」
いやいや、見抜いたっていうか、あんたが自分で言ったんだよね?
愛されたいって。
「まあまあ、もう約束しちゃったんならしようがないじゃん。ほら、俺を地上に帰しなよ。リッドはあんたが差し出したものを突っ撥ねたし、俺はあんたの代わりになる悪魔を捕まえてこなくちゃいけないしさ」
「ぐぬぬ……こんな子供にしてやられるとは」
小さい犬みたいな見た目の奴に言われたくないけどね。
泉の妖精という名の悪魔は渋々と俺を地上に帰した。
「ユウ! 無事だったか!」
駆け寄ってきた男の前で、俺はその場に膝を付いて座り三つ指を付いた。
「リッド、忘れてごめんなさい。必ず思い出して、あんたの側で幸せになるから。不束者ですが、末永く宜しくお願いします」
「……いいのか?」
「ここであんたに一生を誓うよ」
顔を上げてじっと見つめた俺を、リッドが震える指を伸ばして頬に触れた。
「誓約を、強いる事は出来ない。それは魂を捧げることだから」
「わかってる」
「いいんだな?」
「ああ。魂に懸けて」
リッドが俺の額に額を押し当てて目を瞑った。
奴の後頭部にそっと手を当てながら、リッドはとっくに誓ってくれていたのに遅くなってしまったなぁと思う。
「ユウ、望みを叶えて貰った」
「うん」
けれど大悪魔の呪いは解けず、俺の記憶は未だに戻らないのだった。
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