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57.現実はお伽話みたいには終わらない-2
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格子の柵の入り口に、俺はしっかりと鍵を掛けた。
いつか誰かが見つけるかもしれないけど、此処には入らない方が良い。
思い出として沈んでしまった方が良いんだ。
「ユウ、同じものをもう一つ作るか?」
「どうしてだよ、そんなに気に入ったのかよ」
俺はリッドの台詞にこいつは全くと、力が抜ける思いでそう聞いた。
「畳に布団の方が、ユウには暮らしやすそうだからな。家全体は無理でも、お前の部屋だけでもここと同じにするか?」
リッドの申し出に少し心が動く。
和室にそこまでの思い入れは無かったけど、久し振りに畳の部屋で過ごしたら居心地が良かった。
全く同じものが無理でもい草のマットや絹の布団は用意出来そうだし、それなりに近付ける事は出来るかもしれない。でも――。
「あの部屋にあるベッドは凄く気に入ってるんだ。ちょっと腰掛けるのにスライムクッションもとても便利だし、コーヒーカップを置くサイドテーブルもいい感じ。カーテンは薄くて遮光が付いてないけど、ゆらゆらと光が揺れるのが波みたいで気に入ってる。あの部屋は変えたくない」
「そうか」
リッドが嬉しそうに微笑んだので、俺はこっそりと息を吐いた。
同居する事になった経緯だとか部屋の細々としたものにまつわる記憶はあやふやだけど、居心地が良かった事だけは覚えている。
俺の生活がちゃんとそこにあった事を忘れていなくて嬉しい。
「呪いは解けなくとも、ここに来たことは無駄では無かったな」
なんかいい感じにまとめようとしているリッドを俺はジト目で見た。
俺は朝も昼も夜も快楽漬けにされて、ポーションですっかり身体は回復したものの俺には色んな記憶が残っている。ふと鼻につく甘い匂いや思い出しただけで蘇ってくる快感、言わされてしまった恥ずかしい台詞や囁かれた愛の言葉。それは本当に濃密で、これじゃあ古の聖女だって陥落する筈だと得心した。
でもさ、俺は物語の主人公ではないから “こうして二人は幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし” なんて終わらせる訳にはいかない。
ちゃんとリッドとも話を付けなきゃな。
「リッド、俺も良かったけどでもこんなのはもうごめんだ」
「……どうして?」
「上手く、言えないけど……世間から隔離されたみたいに、二人で引き籠もるのは駄目だ。互いしか見えない、互いだけがいればいいなんてそんなのは駄目だ。だってそこから先に行けないだろう? 世界は広く、もっと楽しい事があるかもしれないのに見ないなんて勿体ない! 俺は新しい事を知りたい!」
知りたいという気持ちは俺が生きている限り無くならない。だから引き止められたくないんだ。
そう必死に訴える俺の目を見てリッドが口元を綻ばせた。
「吃驚した」
「なにが?」
「俺がいつも女に引き止められて思うことを、お前が口にした。本当に驚いた」
むぅ……。どんだけ女を袖にしてきたんだよ。そりゃあ過去の事で妬くなんて馬鹿げてるけどさ、でもムカつく。
「今でもお前を一所に縛り付けたい。でも我慢する。お前を飼い殺しにしたい訳じゃない。自由に生きる手助けをしたいんだ」
「ありがとう。でもたまになら飼い殺されてやる」
俺だってリッドの執着という毒に浸かる心地好さは知っているので、たまにだったらいいのだ。
「フッ、楽しみにしてる」
滴るような色気全開で見つめられて早速ぐらついてしまう。
そもそも俺は快楽に弱いんだ。座敷牢に鍵を掛けたのだって、実は自分を戒める為だ。
「か、カゲボウシを渡しに行こう。王城へ戻る前にギルドに寄って、ギルマスに毛玉を預けてこよう」
「お前以外に上手く育てられるか?」
「魔力があれば何とかなるんじゃない? こいつらの飯は人の精気とか魔力みたいだから」
全く魔力のない俺に育てられたカゲボウシは、俺が九尾化して妖力を使えるようになってから能力を発揮し始めた気がする。
だからそこそこ魔力のあるギルマスにならちゃんと育てられるんじゃないかな。
俺とリッドは密室創造魔法の卵を使って、住んでいる街のギルドに転移した。
***
「大丈夫なのかっ!?」
顔を見るなりギルマスにそう訊かれ、俺はぬくぬくとした気持ちになりながらギルマスを部屋に押し込む。
「心配させてごめんな。俺は大丈夫だよ」
「まあ、リッドが飛び出して行ったし、無事だと聞いてはいたが……」
「うん。あのな、それで俺に負い目の出来た王家に情報を貰って、呪いを解く方法を試してる。それでカゲボウシの元が生まれて――」
「ちょっと待て。お前はカゲボウシが生まれる方法を知っているのか?」
「し、知らなぁい」
俺はギルマスから視線を逸らせてすっとぼけたけれど、勿論こんな態度で誤魔化せる筈がない。
王都の薬屋で手に入れた丸薬と、魔力の多いリッドに精を注いで貰ったら出てきた事を教えた。
「まさか人の魔力で孵化するとはな」
しかも男の腹を借りなきゃいけないんだよ。こんなの、方法を知ってたってそうそう試せねえだろ?
「お前に量産して貰う訳には――」
「滅多に生まれないんだって! 二匹目が出来たのはたまたま! いっぱい突っこ――いや、何でも無い」
「なんだよ、まだ話していない事があるのか? まあ、余り趣味が良くねえから敢えて訊かないでおいてやるけどよ。しかしこいつは……本当に俺が貰って良いのか?」
ギルマスが毛玉を手のひらで転がしながらそう聞いた。
「ギルマスが持ってるのが一番役に立つでしょ。依頼で遠くに行ってるリッドとも連絡を取りやすくなるし」
「だったらリッドに渡せば良いだろう?」
「リッドはいいの! 俺が覗くことも出来るし、カゲボウシが呼んだら気付くから」
「そうなのか?」
ギルマスが半信半疑でそう訊いたが、リッドはさも当たり前のように頷いた。
「こいつの半分は俺で出来ているからな」
「リッド! 言い方!」
間違いではないけど誤解を与えそうだ。
「まあ、まずは俺にカゲボウシを育てられるかだな。こいつの名前は?」
「えっ? 一号と二号で良いんじゃね?」
「お前、案外と雑だよなぁ……」
「だったらギルマスが名前を付けたらいいだろっ! 俺は困ってねえもん」
「はいはい、考えておくよ。それより王城にまた戻るんだろう?」
「うん、まだ四回チャンスがあるからね。それにカイト先輩も調べてくれてるし」
「あいつは真面目だからな。責任を感じてるし、何かしら掴んでくるだろう」
「うん」
「ああ、例の王弟殿下は一番キツイ所に送り込んだからな。安心してくれ」
さらりと告げられた言葉に喉が詰まる。
きっと、ギルマスはそれを一番伝えたかったんだろう。
「ありがとう。後味の悪い事をさせてごめんな」
「気にするな。俺は俺の仕事をしただけだ」
ぽん、と頭の上に手を置かれてそのまま俯いた。
本当に、俺は人に恵まれている。
俺は絶対に呪いを解くという気持ちを新たにして王城へ戻った。
いつか誰かが見つけるかもしれないけど、此処には入らない方が良い。
思い出として沈んでしまった方が良いんだ。
「ユウ、同じものをもう一つ作るか?」
「どうしてだよ、そんなに気に入ったのかよ」
俺はリッドの台詞にこいつは全くと、力が抜ける思いでそう聞いた。
「畳に布団の方が、ユウには暮らしやすそうだからな。家全体は無理でも、お前の部屋だけでもここと同じにするか?」
リッドの申し出に少し心が動く。
和室にそこまでの思い入れは無かったけど、久し振りに畳の部屋で過ごしたら居心地が良かった。
全く同じものが無理でもい草のマットや絹の布団は用意出来そうだし、それなりに近付ける事は出来るかもしれない。でも――。
「あの部屋にあるベッドは凄く気に入ってるんだ。ちょっと腰掛けるのにスライムクッションもとても便利だし、コーヒーカップを置くサイドテーブルもいい感じ。カーテンは薄くて遮光が付いてないけど、ゆらゆらと光が揺れるのが波みたいで気に入ってる。あの部屋は変えたくない」
「そうか」
リッドが嬉しそうに微笑んだので、俺はこっそりと息を吐いた。
同居する事になった経緯だとか部屋の細々としたものにまつわる記憶はあやふやだけど、居心地が良かった事だけは覚えている。
俺の生活がちゃんとそこにあった事を忘れていなくて嬉しい。
「呪いは解けなくとも、ここに来たことは無駄では無かったな」
なんかいい感じにまとめようとしているリッドを俺はジト目で見た。
俺は朝も昼も夜も快楽漬けにされて、ポーションですっかり身体は回復したものの俺には色んな記憶が残っている。ふと鼻につく甘い匂いや思い出しただけで蘇ってくる快感、言わされてしまった恥ずかしい台詞や囁かれた愛の言葉。それは本当に濃密で、これじゃあ古の聖女だって陥落する筈だと得心した。
でもさ、俺は物語の主人公ではないから “こうして二人は幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし” なんて終わらせる訳にはいかない。
ちゃんとリッドとも話を付けなきゃな。
「リッド、俺も良かったけどでもこんなのはもうごめんだ」
「……どうして?」
「上手く、言えないけど……世間から隔離されたみたいに、二人で引き籠もるのは駄目だ。互いしか見えない、互いだけがいればいいなんてそんなのは駄目だ。だってそこから先に行けないだろう? 世界は広く、もっと楽しい事があるかもしれないのに見ないなんて勿体ない! 俺は新しい事を知りたい!」
知りたいという気持ちは俺が生きている限り無くならない。だから引き止められたくないんだ。
そう必死に訴える俺の目を見てリッドが口元を綻ばせた。
「吃驚した」
「なにが?」
「俺がいつも女に引き止められて思うことを、お前が口にした。本当に驚いた」
むぅ……。どんだけ女を袖にしてきたんだよ。そりゃあ過去の事で妬くなんて馬鹿げてるけどさ、でもムカつく。
「今でもお前を一所に縛り付けたい。でも我慢する。お前を飼い殺しにしたい訳じゃない。自由に生きる手助けをしたいんだ」
「ありがとう。でもたまになら飼い殺されてやる」
俺だってリッドの執着という毒に浸かる心地好さは知っているので、たまにだったらいいのだ。
「フッ、楽しみにしてる」
滴るような色気全開で見つめられて早速ぐらついてしまう。
そもそも俺は快楽に弱いんだ。座敷牢に鍵を掛けたのだって、実は自分を戒める為だ。
「か、カゲボウシを渡しに行こう。王城へ戻る前にギルドに寄って、ギルマスに毛玉を預けてこよう」
「お前以外に上手く育てられるか?」
「魔力があれば何とかなるんじゃない? こいつらの飯は人の精気とか魔力みたいだから」
全く魔力のない俺に育てられたカゲボウシは、俺が九尾化して妖力を使えるようになってから能力を発揮し始めた気がする。
だからそこそこ魔力のあるギルマスにならちゃんと育てられるんじゃないかな。
俺とリッドは密室創造魔法の卵を使って、住んでいる街のギルドに転移した。
***
「大丈夫なのかっ!?」
顔を見るなりギルマスにそう訊かれ、俺はぬくぬくとした気持ちになりながらギルマスを部屋に押し込む。
「心配させてごめんな。俺は大丈夫だよ」
「まあ、リッドが飛び出して行ったし、無事だと聞いてはいたが……」
「うん。あのな、それで俺に負い目の出来た王家に情報を貰って、呪いを解く方法を試してる。それでカゲボウシの元が生まれて――」
「ちょっと待て。お前はカゲボウシが生まれる方法を知っているのか?」
「し、知らなぁい」
俺はギルマスから視線を逸らせてすっとぼけたけれど、勿論こんな態度で誤魔化せる筈がない。
王都の薬屋で手に入れた丸薬と、魔力の多いリッドに精を注いで貰ったら出てきた事を教えた。
「まさか人の魔力で孵化するとはな」
しかも男の腹を借りなきゃいけないんだよ。こんなの、方法を知ってたってそうそう試せねえだろ?
「お前に量産して貰う訳には――」
「滅多に生まれないんだって! 二匹目が出来たのはたまたま! いっぱい突っこ――いや、何でも無い」
「なんだよ、まだ話していない事があるのか? まあ、余り趣味が良くねえから敢えて訊かないでおいてやるけどよ。しかしこいつは……本当に俺が貰って良いのか?」
ギルマスが毛玉を手のひらで転がしながらそう聞いた。
「ギルマスが持ってるのが一番役に立つでしょ。依頼で遠くに行ってるリッドとも連絡を取りやすくなるし」
「だったらリッドに渡せば良いだろう?」
「リッドはいいの! 俺が覗くことも出来るし、カゲボウシが呼んだら気付くから」
「そうなのか?」
ギルマスが半信半疑でそう訊いたが、リッドはさも当たり前のように頷いた。
「こいつの半分は俺で出来ているからな」
「リッド! 言い方!」
間違いではないけど誤解を与えそうだ。
「まあ、まずは俺にカゲボウシを育てられるかだな。こいつの名前は?」
「えっ? 一号と二号で良いんじゃね?」
「お前、案外と雑だよなぁ……」
「だったらギルマスが名前を付けたらいいだろっ! 俺は困ってねえもん」
「はいはい、考えておくよ。それより王城にまた戻るんだろう?」
「うん、まだ四回チャンスがあるからね。それにカイト先輩も調べてくれてるし」
「あいつは真面目だからな。責任を感じてるし、何かしら掴んでくるだろう」
「うん」
「ああ、例の王弟殿下は一番キツイ所に送り込んだからな。安心してくれ」
さらりと告げられた言葉に喉が詰まる。
きっと、ギルマスはそれを一番伝えたかったんだろう。
「ありがとう。後味の悪い事をさせてごめんな」
「気にするな。俺は俺の仕事をしただけだ」
ぽん、と頭の上に手を置かれてそのまま俯いた。
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