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52.リッドが求めた元王弟殿下の処遇は決して軽いものではなかった-2(R-18)

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「先輩に言わなくて良かったの?」
 俺は宛てがわれた部屋で腹巻きを編みながらリッドに訊ねた。

「知られたくないだろう?」
「そうだけど、俺が姿を見せなくてあんたがここにいたら、変に思うんじゃない?」
「そんなのは呪いを解く方法を試してみているとか、どうとでも言い繕える」
「むぅ……殿下の処遇といい、意外と悪知恵が働くんだな」
「幻滅したか?」
 ちょっと眉を下げてそう聞いてくるリッドがおかしい。
 手を汚さずに生きてきた訳がない事はお互いにわかってるのに、今さら何をびびってんだか。

「意外だっただけだってば。二、三日なら部屋に籠もってたってやる事はあるし、寧ろ付き合わされるあんたの方が退屈なんじゃないか?」
 俺はこうして室内でも手仕事が出来るけれど、リッドにやれる事はない。

「俺はお前を見ているだけで退屈しないし、お前の聞きたいことにも答えてやれる」
「聞きたいこと?」
 俺は何のことだと目を瞬いた。
 そうしたらリッドは九尾化の事をもっとよく知りたいだろうと言った。

「ああ、まあなぁ」
 俺は妖気をコントロール出来る事で強くなった気でいたけど、俺の知らない妖気を封じ込める方法があったみたいだし、大概の奴には負けないなんて自信を持つのは思い上がりだった。

「他にも知らないことや忘れたことを、改めて知る時間があってもいいと思うが?」
 ピクピクとリッドの鼻が動いているのを見て俺は噴き出しそうになった。
 もしかしてこいつ、俺に思い出話なんてものをしたいのだろうか。

「そうだな。いずれ呪いが解けるにせよ、解けないにせよ、あんたがやらかした事は聞いておいた方がいいかもな」
「ふ、やらかしたのは殆どお前だぞ?」
「聞いてやるからちょっと言ってみろよ」
 俺は編み物の手を止めていそいそとリッドの膝に乗った。
 お膝抱っこなんて年じゃないけどさ、こいつの俺への甘やかしっぷりを見ていると、絶対にここが定位置だった気がする。
 だから胡座に収まってリッドを見上げたんだけれど、口元を手で押さえて赤くなったリッドを見て、完全に俺の勘違いだったと察する。

「ごめ、間違えたっ!」
 慌てて膝から降りようとした俺をリッドがぶっとい腕で拘束した。

「間違いじゃない。お前の位置はそこであってる」
「嘘だっ! だってあんた、動揺してんじゃないかよっ!」
「嘘じゃない。食事の時も、会話をする時も、お茶を飲む時もお前はここにいた」
 そんなの絶対に嘘だと思ったけど、余りにも必死に言い募るので騙されてやる事にする。

「わかった。そんでたまにキスとかされてたんだろ?」
「そ、そうだ」
 どもるなよ。
 俺は笑いを噛み殺しながらリッドの顎に口付ける。
 そうしたらリッドがふと思い出したような顔をした。

「ああ、そう言えばそんな風にじゃれてきて、触ってくれと強請られた事があったな」
(えっ、嘘。ほんとに?)
 どうやら嘘から出たまことってやつみたいで、俺はその気になったリッドに前を開けられて陰茎をボロンと外に出されてしまう。

「ちょ、恥ずかしいって!」
「丁度良いから九尾のここについて教えてやる」
「そんなのはいいっ!」
「遠慮するな」
 俺はピンク色のイチモツをぐちぐちと弄られながらリッドのレクチャーを受ける。

「半獣化した時の性器は根元に瘤が出来る。交尾の時にそれを引っ掛けて抜けないようにし、三回射精しないと治まらない」
「知ってるよっ! アンッ!」
「じゃあそれぞれ味が違う事は知っているか?」
「しら、な……ひんっ!」
「薄いのと、濃いのと、とろっとしたのがここから出てくる」
「穴を、えぐ、るなぁ……」
 どうしよう、勃ってしまった。
 もっと擦りたい。

「こら、人が説明しているんだから腰を揺らすな」
「だってぇ……」
 だってやわやわとした触り方でまどろっこしい。
 俺はケツの方が感じるけど、勿論前も反応しない訳じゃない。
 こんな風に触られたら当然、射精したくなる。

「半獣化してない時は痛いくらいにキツくしないとイかない。皮を剥くと……」
「ひんっ!」
 ズルっと半分剥けかけていた皮を下までおろされて先端に雫が溜まる。

「こんな風に泣き出すからついつい舐め取ってやりたくなる」
「こんの、オヤジっ!」
 攻め方が中年臭いと文句を言ったらグリッと先端に指先をめり込まされた。

「痛いっ!」
「余り噛み付くとここを虐めるぞ?」
「ヤダヤダごめんってば!」
 俺はリッドの腕に必死にしがみついて指先を止めてくれと懇願する。
 尿道責めなんてそんな高度なプレイには対応していない。
 っていうか、異世界の性事情ってやばくね? 奔放過ぎねえ?

「ならどうしたらいい? 止めて欲しいか?」
「う~……焦らすなよ。そこまでしたんだから最後まで責任を取れ」
「わかった。ほら、顔を上げろ」
 リッドは片手で俺の顎をツイッと押して上を向かせた。
 この男は俺の感じている顔を見たがるという悪癖を持っている。
 ただでさえ眼力が強いってのに、ガン見されて恥ずかしいったらない。
 こうして目を閉じていても視線を感じて顔が焼けるようだ。

「ユウ、歯を食い縛るな。声を聞かせろ」
(もうっ! 要求が多い!)
 俺は寧ろ俺の方がリッドにサービスしているような気分になりながら、自棄になって喘いだ。
 声を出したらもっと気持ちが良くなってきて、直ぐに見られている事を忘れた。

「……素直すぎて本当に心配だな」
 リッドの苦笑混じりの声も聴こえずにアンアンと喘ぐ。
 だってリッドの膝の上ですっぽりと包み込まれて局部を擦られんのは気持ちがいいんだもん。
 こんな心地好い事を我慢するなんてバカみたいだろ?

「ユウ……ほら、俺の手でイケ」
 耳元でイケボに囁かれて、俺は眉をキュッと寄せてイッた。
 絶対に変な顔を見られた、と思うけど気持ちが良かったからまぁいい。
 俺は吐き出してスッキリとした気分でリッドの膝の上から立ち上がった。

「えっちばっかりしてると不健全だから、エーリリテ姫のお子たちに会わせて貰ってくる」
「おいっ、部屋から出るのは危険だ」
「リッドが付いてきてくれれば平気だよ。あんたは部屋の外で待機ね」
 俺が軽く睨みながらそう言ったら、少しは反省しているのかリッドが大人しく頷いた。
 本当はリッドとくっついていたらもっと凄いことをしたくなっちゃうからなんだけど、それは内緒だ。
 たまには俺も主導権を取らなければ。
 こうして俺は出来たばかりの腹巻きを手に部屋を出た。
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