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㉘気が付いたら当て馬にしていてスミマセン−1(R−18)

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「それで? 先輩というのは元の世界の知り合いか?」
 家に帰ってきて早々にリッドに問い質され、俺は諦めの吐息を吐きながら頷いた。

「そうだよ。俺は商会の新人営業マンで、先輩は俺の教育係りだった」
「ただの教育係りにしては随分と親身になっていたようだな? まあ、お前に惚れていたならそれも頷けるが――」
「それはこっちで再会するまで俺も知らなかった。先輩は随分と厳しかったし、細かいしクソ真面目で付いていけねーとかウザいとか思うばっかりで、優しくして貰った覚えなんてねぇしな」
「奴はお前の取り扱いを間違えた訳か」
「取り扱いって言うか……向こうの世界じゃ俺は庇護されるようなか弱い存在じゃねぇから、まあ仕事の事で厳しくするのは当然なんじゃね?」
 なんて言ってはみたけど、当時の俺は不当に辛く当たられていると思っていたんだよな。
 今ならそれは違うとわかる。

「でも、お前の事を可愛いと言っていた。こっちの世界に来たら性格が変わったのか? それとも吹っ切れたのか?」
「わかんないけど、あの人は一度死んでるだろ? そうしたらまぁ、色々と吹っ切れたりするのかもな」
 俺の場合は本当にひょいと境界を超えてしまったので大した感慨も無いけど、先輩は違う。
 ひょっとしたら覚えていないだけで、ラノベのテンプレよろしく神様にも会っているのかもしれない。

「なあ、それよりこれヤメロよ!」
 リッドは俺を逃がさない為か床に胡座を掻いて膝に載せ、ガッチリと抱え込んでいた。カゲボウシはとっくに追っ払っている。
 そこまでされなくたって俺がリッドから逃げるなんて不可能だし、そもそも逃げる気も無いってのに。

「ユウトが不足しているんだ。補充させろ」
 そう言いながらクンクンと頭のてっぺんや耳の後ろの匂いを嗅がれて恥ずかしい。
 こいつのやる事はどうにも獣臭いというか、変態臭いと言うか……。

「なぁ、匂いばっか嗅いでないで、そろそろ中身にも興味を持ってくれねえ?」
「そうやって誤魔化そうとしているんじゃないだろうな?」
「そう思うなら止めとけば?」
「……仕方がない、誤魔化されてやる」
 リッドは偉そうにそう言うと、俺のパンツの前をカチャカチャと開けてズルリと下着ごと取り去った。
 シャツは着たまま開いた襟元から手を突っ込んで小さな尖りを転がし、思わず喘ぐように顎を上げた俺の唇を上から覆う。
 キスと乳首への愛撫とやんわりとした股間への刺激に、俺はあっという間に理性が蕩けて膝が弛んでしまう。

「ユウ、一人で寂しかったか?」
「ん……あんたが置いていったアレがあったから平気」
「ユニコーンの角を使ったのか?」
 軽く驚いたリッドの声に幾分かバツの悪い思いで答える。

「だって、あんたの所為で前だけじゃイけなくなったんだもん。後ろが無いと、ナカを擦られないと治まらない」
「随分といやらしい身体だ」
「だからあんたがそうしたんだろ!」
「責任は取る」
「当たり前だ。俺はあんた以外とはやれねーんだから……ンッ!」
 話している途中でつぷりと後ろに指が入って来て腰を突き出してしまう。
 奥まで開発された身体はリッドの指を上手に飲み込むようになった。

「気持ちいいか?」
「イイ……」
「この辺?」
「そこ……と、反対側も……」
「もっと太いモノが欲しい?」
「うっ、ん……ゴリッとして」
 俺は二本目の指も難なく迎え入れ、ナカを掻き回されてやはりコレでなくては駄目だと思う。

「あんたの、指が、スキ……」
「指だけか?」
「指も、舌も……アレも、スキ」
 まだ半分しか飲み込めていない、たった二回しか挿れられていないリッドの分身を俺の身体は確かに恋しがっていた。

「今日は最後までしてもいいか?」
「……おう」
 リッドのブツを根元まで飲み込める自信はない。
 でもこれだけ欲しがっているのだから何とかなるんじゃないかって気もする。
 俺は逸る気持ちを抑えながら軟膏を取り出したリッドの動きを期待を持って見つめた。
 そしてザラリとした軟膏の感触に震え、そこをヒクつかせて上擦ったような顔を上げたらギィィ……とドアが開いて逆光になったその人と目があった。

(んぎゃぁああああ! どうして先輩がっ!)
「ふあんっ!」
 吃驚する俺の後孔に待ったなしでリッドの指が這入ってくる。
 心と身体のダブルの衝撃に頭の中が真っ白になった。

「……ッ!」
 俺の姿を凝視したまま固まって動けない先輩と、後孔を指で犯されて動けない俺、そして無言のまま平然と俺を弄り続けるリッドと室内に響くクチョクチョという粘着質な水音。
 凍り付いた世界の中、ぽたりと床に水滴が落ちてやっと俺は口を開いた。

「見るなっ! 先輩、見ないで――リッド、ヤメロっ!」
「ユウ、ちゃんと前を押さえてないと見えてしまうぞ?」
 リッドに指摘されて俺は自分がシャツ一枚の格好をしていて、裾を押さえなくては勃ち上がったイチモツも指を咥え込んだ穴も見られてしまうと気付き、慌ててシャツを押さえた。
 俺は後ろをリッドに弄られたまま前を隠すのが精一杯で羞恥心に涙ぐみながら首を横に振る。

「先輩、ヤッ……頼むから、見ないで……」
 先輩にこんな姿を見られたくないのに、先輩は呪縛でも掛けられたかのようにその場から一歩も動かない。
 ただ俺の情けない姿をじっと見ている。

「リッド、やぁ……」
「イヤ? 俺の指に食い付いて離さないのに?」
 意地悪く指摘されてリッドを睨む。
 固まってしまった身体を解すように丁寧にナカに軟膏を塗り込まれ、擦られて充血した粘膜は更に強い刺激を求めてざわめいている。
 こんなにも深い快楽があると教えたのはリッドなのに、しらばっくれやがってムカつく。

「お前は、想像しねぇの? 指の代わりにお前がナカに入ってたらって、包み込んで欲しいって思わねぇの? なぁ、奥に行こうぜ。人に見られてすんのはイヤだよ」
 今さら止める事は出来そうもないので、俺は場所を移そうとリッドに提案した。
 けれどリッドは成長したお前の姿を見せてやらなくては等と白々しい事を言う。

「リッド、お願い……入ってるとこ、見られるのヤダ」
 幾ら見えてないからって、後ろに指を咥え込んだ姿を他人に見られるのは辛い。
 しかも太股の内側をタラタラと先走りや溶けた軟膏が伝い落ちている。

「ユウ、お前が嫌がってないって、そいつにわからせたい。悦んで自分から身体を開くところを見せたいんだ」
 ふざけんな。マッハのスピードでそう思ったけど、体内に埋め込まれた指先がナカで小刻みに動いて腰から崩れ落ちそうになる。
 駄目だ。リッドが恋しくて堪らなかった俺の身体は、やっと与えられた至福の悦びに逆らえない。
 だってずっとリッドに触れて欲しくて堪らなかった。欲しいって、ユニコーンの角オモチャなんかじゃ満足出来ないって身を捩ってのたうった。
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