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アーサー様に屋敷を案内してもらう。
使用人の紹介や辺境騎士団の団長をアーサー様が務めていることも聞いた。最後に、日当たりのいい部屋にやって来た。花の刺繍をあしらった若草色のカーテン。ふかふかした明るい絨毯、猫脚のテーブルとソファなど可愛らしい調度品に心が弾む。
「ここはシャーロットの部屋だ。好みがわからなくて、若いメイドたちに聞いて揃えたのだが、どうだろうか?」
予想外の言葉にびっくりして、胸に熱いものがこみ上げる。感激して目に涙が溜まった。私の顔を見ていたアーサー様が慌てたように口をひらく。
「……っ! 気に入らなかったのなら変更もできるから、泣かないでほしい!」
ふるふると首を大きく横に振った。
「ち、違うんです! こんなに素敵なお部屋を用意していただけたことが嬉しくて……。それにお部屋、すごく可愛いです。アーサー様、本当にありがとうございます……っ」
「そうか。気に入ってもらえてよかった」
アーサー様のほっとした顔を見たら、涙が引っ込んだ。すぐ後に、くう、と小さくお腹が鳴り、両手でお腹を慌てて押さえた。アーサー様を窺うかがうと、ふいっと目を逸らされる。肩が小さく震えているのは、勘違いだと思いたい。
「食事の時間なのに連れ回してしまって、すまなかった。辺境騎士団の食堂で食べてもいいだろうか? シャーロットをみんなに紹介したい」
身体がびくんと跳ねた。
アーサー様は優しいけど、副団長のレオン様は怖い。回復薬を持ってくる約束を破ったのは私だから仕方ない。それでも、辺境騎士団のすべての人に怒りを向けられることを想像したら、ぞくりと背筋が凍った。
「大丈夫だ。回復薬を持参すると知っていたのは、俺とレオンだけだ」
「ほ、本当ですか……?」
身震いしている私を安心させるように、アーサー様はゆっくりうなずいた。
「俺のかわいい婚約者を、みんなに自慢させてくれないか?」
「…………か、かわいい?!」
「ああ、かわいい」
「揶揄わないでください……っ」
婚約者だったハウエル様にも一度も言われたことのない言葉に、顔に熱が帯びていくのがわかる。思わず両手で顔を覆った。
「駄目か?」
優しく手を解かれて、私の赤らんだ顔をアーサー様が覗き込む。小さく首を横に振っただけの返事に、アーサー様はありがとう、と嬉しそうに笑った。
アーサー様に屋敷を案内してもらう。
使用人の紹介や辺境騎士団の団長をアーサー様が務めていることも聞いた。最後に、日当たりのいい部屋にやって来た。花の刺繍をあしらった若草色のカーテン。ふかふかした明るい絨毯、猫脚のテーブルとソファなど可愛らしい調度品に心が弾む。
「ここはシャーロットの部屋だ。好みがわからなくて、若いメイドたちに聞いて揃えたのだが、どうだろうか?」
予想外の言葉にびっくりして、胸に熱いものがこみ上げる。感激して目に涙が溜まった。私の顔を見ていたアーサー様が慌てたように口をひらく。
「……っ! 気に入らなかったのなら変更もできるから、泣かないでほしい!」
ふるふると首を大きく横に振った。
「ち、違うんです! こんなに素敵なお部屋を用意していただけたことが嬉しくて……。それにお部屋、すごく可愛いです。アーサー様、本当にありがとうございます……っ」
「そうか。気に入ってもらえてよかった」
アーサー様のほっとした顔を見たら、涙が引っ込んだ。すぐ後に、くう、と小さくお腹が鳴り、両手でお腹を慌てて押さえた。アーサー様を窺うかがうと、ふいっと目を逸らされる。肩が小さく震えているのは、勘違いだと思いたい。
「食事の時間なのに連れ回してしまって、すまなかった。辺境騎士団の食堂で食べてもいいだろうか? シャーロットをみんなに紹介したい」
身体がびくんと跳ねた。
アーサー様は優しいけど、副団長のレオン様は怖い。回復薬を持ってくる約束を破ったのは私だから仕方ない。それでも、辺境騎士団のすべての人に怒りを向けられることを想像したら、ぞくりと背筋が凍った。
「大丈夫だ。回復薬を持参すると知っていたのは、俺とレオンだけだ」
「ほ、本当ですか……?」
身震いしている私を安心させるように、アーサー様はゆっくりうなずいた。
「俺のかわいい婚約者を、みんなに自慢させてくれないか?」
「…………か、かわいい?!」
「ああ、かわいい」
「揶揄わないでください……っ」
婚約者だったハウエル様にも一度も言われたことのない言葉に、顔に熱が帯びていくのがわかる。思わず両手で顔を覆った。
「駄目か?」
優しく手を解かれて、私の赤らんだ顔をアーサー様が覗き込む。小さく首を横に振っただけの返事に、アーサー様はありがとう、と嬉しそうに笑った。
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