55 / 76
第三章 黒猫杯
Welcome to our home
しおりを挟む
俺は、あーちゃんこと魔神アスモデウスを家に連れて帰った。
今玄関の前にいる。
もし、「元の場所に戻してきなさい!」なんて言われたらどうしよう、とか考えてしまう。
いやまぁ、そんなことはないだろうというのはわかる。
みんな良い人だし、大丈夫なはず。
でも、「ただし普通の場合に限る」なんだよなぁ……。
俺たちの普通っていうのも、世間的にはぶっとんでるんだろうけど、そんな俺たちでも魔神というのは普通なんかじゃない。
魔神という点だけが不安だ。
家で暮らしてもいいってなっても、怖がられたりしたらあーちゃんはきっと傷つくんだろうなって思う。
傷つくようなことになったら連れてきた意味がない。
あー、やめだやめ!
考えてもしょうがない!
「よし、行くか!」
俺はあーちゃんを連れて家に入った。
奥から話し声が聞こえる。
リビングで談笑しているようだ。
「あーちゃん、こっちだよ」
こくんと頷いておとなしくついてくるあーちゃん。
俺はドキドキしながらみんなに声をかけた。
「た、ただいまー」
「おかえ……あら、お客さん?」
「綺麗な人だね~。
どうしたの?
ナンパしてきたの~?」
「んなわけないっしょ!
コホン。
他のみんなは?
まだ戻ってきてない?」
「うん、薫子とバハムルくんは畑でパレオは研究室でアルフレートくんたちは工房ね。
お昼ご飯食べたばっかりだからしばらく戻ってこないんじゃない?」
「そっか、そうだよね。
とりあえずここにいる人に先に紹介しちゃうか。
えーっとですね、さっきセーフティエリアの森で会いました。
あーちゃんです。
ほら、あーちゃん、自己紹介して」
「……あーちゃんは、あーちゃんっていうの」
そしてペコリ。
「あー、というわけで、あーちゃんです。
で、なんだけど……。
冷静な対応をお願い致します」
「なんだし?
かしこまって」
「こちらのあーちゃんは、えーっと……、一ヶ月くらい前にうちでも話題に上がったことがあるダンジョンにお住まいの……。
……魔神アスモデウスさんです!」
「そ。
あーちゃんは、魔神。
アスモデウス」
「「「「……」」」」
やばい、なんだこの沈黙。
だめだ、とりあえず何か言わなきゃ!
「えーっとね、あーちゃんは目が覚めたらダンジョンにいたらしくて、自分が魔神ってこと以外何もわからないみたいで、少し前までずっとダンジョンの中にいたらしいんだけど、お腹が減って最近外に出るようになったみたいで、口の周りをベタベタにしながら桃を食べてて可愛らしいなって思って、ずっとダンジョンで一人だなんて俺だったらつらすぎるなって思って――」
「はいはいおーけージズー。
落ち着いて、ストップストップ」
「あ、はい」
ダメって言われるのが怖くてつい一気に捲し立ててしまった。
子供みたいだ、恥ずかしい。
「え……、魔神?
魔神って伝承にある、あの魔神……!?」
アレッサンドラがテンパってらっしゃる。
「要するに、アスモデウスさんをここに住まわせたいってことだよね?」
「う、うん」
「それなら薫子呼んできてからじゃないと。
家主ってことになってるし、女神だし」
「それはそうなんだけど、なんていうか。
ここの実質的なボスって、ぶっちゃけ澪じゃん?
クリスとレオなんか、澪に絶対服従って感じだし?」
俺の言葉にみんな頷いている。
「ええー!?
みんな私のことそんな風に思ってたわけ?
なんでよ!」
「怖いとかそういうんじゃないよ?
しっかりしてるし、みんなの胃袋を掴んでるから、ねえ?」
またしてもみんな頷く。
「やめてよ!
なにそれ、なんかオカン的ポジションじゃん!
うわー、ショックだなー」
「いいじゃ~ん。
それだけみんなに信頼されてるってことでもあるんだしね~」
「いや、でも……、私日本でまだ二十二歳だったんだけどなぁ……」
「えーっと、それで……、あーちゃんの件いかがでしょう?」
「そうだねー……。
アスモデウスさん。
ジズーはこう言ってるけど、あなたはここに住みたいって思ってるの?」
「うん。
ジズー、良い人。
友達、なりたい。
一人はいや、寂しい」
「うっ!」
お、澪の保護欲に突き刺さったかな?
「アスモデウスさん。
いや、あーちゃん!
あなたの家は今日からここです!
ようこそ我が家へ!」
「堕ちるのはやすぎだし!」
よく考えたら、澪って猫大好き人間だったっけ。
そんな人があーちゃんみたいな子、放っておけるわけないか。
「ちょっと待っててね!
みんな呼んでくるから!」
そう言うとダッシュで外に出ていった。
「ごめんね~あーちゃん。
たまにあんな感じになるのよ~。
ビックリしたかもしれないけど、良い人だから大丈夫だよ~。
あ、ここ座って~」
こくんと頷いて椅子に座るあーちゃん。
歓迎されたのがわかったのか、なんとなく嬉しそうだ。
その後、戻ってきた薫子さんとバハムル、パレオ、アルフレート、ミッシェルに紹介した。
薫子さんとバハムルはめっちゃ普通に歓迎してたが、パレオとアルフレートとミッシェルは驚きすぎて顎がはずれそうになってた。
まぁ、このリアクションもすっごくましな方なんだろうなぁ。
何はともあれ、よかった!
とりあえずなんとかなった!
「ちょっと早いけど、おやつにしようか。
せっかくだし、あーちゃん歓迎会的な感じでここでみんなで食べよう。
ちょっと多めに作っといたけどちょうどよかったね」
「今日はちょっと凝ってマンゴープリンにしたよ~」
「マンゴープリン!?」
「なにそれうまそうだし!」
「あら、いつもとちょっと色は違うわね」
澪と雫がみんなにマンゴープリンを配っていく。
あーちゃんは、目の前に置かれたマンゴープリンをじっと見てる。
当然見るのも初めてだろうし、どんな味なのか想像もできないよね。
「これ、なーに?」
「マンゴープリンっていうんだよ。
美味しいよー?
さ、食べてみてよ」
澪に促され、こくんと頷きぱくっと一口。
ついついみんな注目してしまう。
「どうかな~?」
「びっくり。
これ、おいしい。
幸せの味」
そう言って、一口一口ゆっくり味わって食べる。
うん、かなり気に入ったみたいだ。
「こういうプリンもあるんすね!」
「甲乙つけがたいっす!」
「プリンと果物が合わさるとこのようになるのですね」
「おいしいのだー!」
ドラゴン四人はちゃっかり二個目を確保して食べている。
安定の食いしん坊っぷりだ。
そんなドラゴンたちを見てるあーちゃん。
もしかしておかわり欲しいのかな?
「あーちゃん、もう一個食べる?」
「あーちゃんの分、食べたからもうない」
「オレのプリン食べていいよ。
俺がおにぎり食べたばっかりでお腹一杯だから」
「いいの?」
「うん、いいよ。
はいどうぞ」
「これおいしくて大好き。
ありがとう」
「どういたしまして」
そしてまたゆっくりと味わって食べる。
美味しそうに食べてるのを見るのが好きって人がいるけど、正直今までその気持よくわかんなかったけど、あーちゃんのおかげで良く理解できた。
いくらでも食べ物をあげたくなる。
気をつけて食べさせすぎないようにしないと、あーちゃん太っちゃうな。
太っても食べる姿は癒やされるんだろうけど……、っていかんいかん。
こういう考えが、太らせてしまう原因だ。
太った魔神なんて格好つかないし、あーちゃんを太らせないように気をつけよう。
食べ終わったあーちゃんに今度は澪がプリンをあげている。
やばい、気をつけなきゃいけないのは俺だけではないようだ。
今玄関の前にいる。
もし、「元の場所に戻してきなさい!」なんて言われたらどうしよう、とか考えてしまう。
いやまぁ、そんなことはないだろうというのはわかる。
みんな良い人だし、大丈夫なはず。
でも、「ただし普通の場合に限る」なんだよなぁ……。
俺たちの普通っていうのも、世間的にはぶっとんでるんだろうけど、そんな俺たちでも魔神というのは普通なんかじゃない。
魔神という点だけが不安だ。
家で暮らしてもいいってなっても、怖がられたりしたらあーちゃんはきっと傷つくんだろうなって思う。
傷つくようなことになったら連れてきた意味がない。
あー、やめだやめ!
考えてもしょうがない!
「よし、行くか!」
俺はあーちゃんを連れて家に入った。
奥から話し声が聞こえる。
リビングで談笑しているようだ。
「あーちゃん、こっちだよ」
こくんと頷いておとなしくついてくるあーちゃん。
俺はドキドキしながらみんなに声をかけた。
「た、ただいまー」
「おかえ……あら、お客さん?」
「綺麗な人だね~。
どうしたの?
ナンパしてきたの~?」
「んなわけないっしょ!
コホン。
他のみんなは?
まだ戻ってきてない?」
「うん、薫子とバハムルくんは畑でパレオは研究室でアルフレートくんたちは工房ね。
お昼ご飯食べたばっかりだからしばらく戻ってこないんじゃない?」
「そっか、そうだよね。
とりあえずここにいる人に先に紹介しちゃうか。
えーっとですね、さっきセーフティエリアの森で会いました。
あーちゃんです。
ほら、あーちゃん、自己紹介して」
「……あーちゃんは、あーちゃんっていうの」
そしてペコリ。
「あー、というわけで、あーちゃんです。
で、なんだけど……。
冷静な対応をお願い致します」
「なんだし?
かしこまって」
「こちらのあーちゃんは、えーっと……、一ヶ月くらい前にうちでも話題に上がったことがあるダンジョンにお住まいの……。
……魔神アスモデウスさんです!」
「そ。
あーちゃんは、魔神。
アスモデウス」
「「「「……」」」」
やばい、なんだこの沈黙。
だめだ、とりあえず何か言わなきゃ!
「えーっとね、あーちゃんは目が覚めたらダンジョンにいたらしくて、自分が魔神ってこと以外何もわからないみたいで、少し前までずっとダンジョンの中にいたらしいんだけど、お腹が減って最近外に出るようになったみたいで、口の周りをベタベタにしながら桃を食べてて可愛らしいなって思って、ずっとダンジョンで一人だなんて俺だったらつらすぎるなって思って――」
「はいはいおーけージズー。
落ち着いて、ストップストップ」
「あ、はい」
ダメって言われるのが怖くてつい一気に捲し立ててしまった。
子供みたいだ、恥ずかしい。
「え……、魔神?
魔神って伝承にある、あの魔神……!?」
アレッサンドラがテンパってらっしゃる。
「要するに、アスモデウスさんをここに住まわせたいってことだよね?」
「う、うん」
「それなら薫子呼んできてからじゃないと。
家主ってことになってるし、女神だし」
「それはそうなんだけど、なんていうか。
ここの実質的なボスって、ぶっちゃけ澪じゃん?
クリスとレオなんか、澪に絶対服従って感じだし?」
俺の言葉にみんな頷いている。
「ええー!?
みんな私のことそんな風に思ってたわけ?
なんでよ!」
「怖いとかそういうんじゃないよ?
しっかりしてるし、みんなの胃袋を掴んでるから、ねえ?」
またしてもみんな頷く。
「やめてよ!
なにそれ、なんかオカン的ポジションじゃん!
うわー、ショックだなー」
「いいじゃ~ん。
それだけみんなに信頼されてるってことでもあるんだしね~」
「いや、でも……、私日本でまだ二十二歳だったんだけどなぁ……」
「えーっと、それで……、あーちゃんの件いかがでしょう?」
「そうだねー……。
アスモデウスさん。
ジズーはこう言ってるけど、あなたはここに住みたいって思ってるの?」
「うん。
ジズー、良い人。
友達、なりたい。
一人はいや、寂しい」
「うっ!」
お、澪の保護欲に突き刺さったかな?
「アスモデウスさん。
いや、あーちゃん!
あなたの家は今日からここです!
ようこそ我が家へ!」
「堕ちるのはやすぎだし!」
よく考えたら、澪って猫大好き人間だったっけ。
そんな人があーちゃんみたいな子、放っておけるわけないか。
「ちょっと待っててね!
みんな呼んでくるから!」
そう言うとダッシュで外に出ていった。
「ごめんね~あーちゃん。
たまにあんな感じになるのよ~。
ビックリしたかもしれないけど、良い人だから大丈夫だよ~。
あ、ここ座って~」
こくんと頷いて椅子に座るあーちゃん。
歓迎されたのがわかったのか、なんとなく嬉しそうだ。
その後、戻ってきた薫子さんとバハムル、パレオ、アルフレート、ミッシェルに紹介した。
薫子さんとバハムルはめっちゃ普通に歓迎してたが、パレオとアルフレートとミッシェルは驚きすぎて顎がはずれそうになってた。
まぁ、このリアクションもすっごくましな方なんだろうなぁ。
何はともあれ、よかった!
とりあえずなんとかなった!
「ちょっと早いけど、おやつにしようか。
せっかくだし、あーちゃん歓迎会的な感じでここでみんなで食べよう。
ちょっと多めに作っといたけどちょうどよかったね」
「今日はちょっと凝ってマンゴープリンにしたよ~」
「マンゴープリン!?」
「なにそれうまそうだし!」
「あら、いつもとちょっと色は違うわね」
澪と雫がみんなにマンゴープリンを配っていく。
あーちゃんは、目の前に置かれたマンゴープリンをじっと見てる。
当然見るのも初めてだろうし、どんな味なのか想像もできないよね。
「これ、なーに?」
「マンゴープリンっていうんだよ。
美味しいよー?
さ、食べてみてよ」
澪に促され、こくんと頷きぱくっと一口。
ついついみんな注目してしまう。
「どうかな~?」
「びっくり。
これ、おいしい。
幸せの味」
そう言って、一口一口ゆっくり味わって食べる。
うん、かなり気に入ったみたいだ。
「こういうプリンもあるんすね!」
「甲乙つけがたいっす!」
「プリンと果物が合わさるとこのようになるのですね」
「おいしいのだー!」
ドラゴン四人はちゃっかり二個目を確保して食べている。
安定の食いしん坊っぷりだ。
そんなドラゴンたちを見てるあーちゃん。
もしかしておかわり欲しいのかな?
「あーちゃん、もう一個食べる?」
「あーちゃんの分、食べたからもうない」
「オレのプリン食べていいよ。
俺がおにぎり食べたばっかりでお腹一杯だから」
「いいの?」
「うん、いいよ。
はいどうぞ」
「これおいしくて大好き。
ありがとう」
「どういたしまして」
そしてまたゆっくりと味わって食べる。
美味しそうに食べてるのを見るのが好きって人がいるけど、正直今までその気持よくわかんなかったけど、あーちゃんのおかげで良く理解できた。
いくらでも食べ物をあげたくなる。
気をつけて食べさせすぎないようにしないと、あーちゃん太っちゃうな。
太っても食べる姿は癒やされるんだろうけど……、っていかんいかん。
こういう考えが、太らせてしまう原因だ。
太った魔神なんて格好つかないし、あーちゃんを太らせないように気をつけよう。
食べ終わったあーちゃんに今度は澪がプリンをあげている。
やばい、気をつけなきゃいけないのは俺だけではないようだ。
0
お気に入りに追加
198
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
カバディ男の異世界転生。狩られたい奴はかかってこい!!
Gai
ファンタジー
幼い子供を暴走車から守ったスポーツ男子、一条大河。
鍛えた体も、暴走車には勝てず、亡くなってしまったが……運良く、第二の人生を異世界で迎えた。
伯爵家という貴族の家に生まれたことで、何不自由なく過ごす中……成長する過程で、一つ問題が生まれた。
伯爵家にとっては重大な問題だが、一条大河改め、クランド・ライガーにとって、それは非常に有難い問題だった。
その問題故に他者から嘗められることも多いが……そういった輩を、クランドは遠慮なく狩っていく。
「狩るぜ……カバディ、カバディ、カバディ、カバディ、カバディ、カバディ、カバディ!!!!」
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
解放の砦
さいはて旅行社
ファンタジー
その世界は人知れず、緩慢に滅びの道を進んでいた。
そこは剣と魔法のファンタジー世界。
転生して、リアムがものごころがついて喜んだのも、つかの間。
残念ながら、派手な攻撃魔法を使えるわけではなかった。
その上、待っていたのは貧しい男爵家の三男として生まれ、しかも魔物討伐に、事務作業、家事に、弟の世話と、忙しく地味に辛い日々。
けれど、この世界にはリアムに愛情を注いでくれる母親がいた。
それだけでリアムは幸せだった。
前世では家族にも仕事にも恵まれなかったから。
リアムは冒険者である最愛の母親を支えるために手伝いを頑張っていた。
だが、リアムが八歳のある日、母親が魔物に殺されてしまう。
母が亡くなってからも、クズ親父と二人のクソ兄貴たちとは冷えた家族関係のまま、リアムの冒険者生活は続いていく。
いつか和解をすることになるのか、はたまた。
B級冒険者の母親がやっていた砦の管理者を継いで、書類作成確認等の事務処理作業に精を出す。砦の守護獣である気分屋のクロとツンツンなシロ様にかまわれながら、A級、B級冒険者のスーパーアスリート超の身体能力を持っている脳筋たちに囲まれる。
平穏無事を祈りながらも、砦ではなぜか事件が起こり、騒がしい日々が続く。
前世で死んだ後に、
「キミは世界から排除されて可哀想だったから、次の人生ではオマケをあげよう」
そんな神様の言葉を、ほんの少しは楽しみにしていたのに。。。
オマケって何だったんだーーーっ、と神に問いたくなる境遇がリアムにはさらに待っていた。
来訪神に転生させてもらえました。石長姫には不老長寿、宇迦之御魂神には豊穣を授かりました。
克全
ファンタジー
ほのぼのスローライフを目指します。賽銭泥棒を取り押さえようとした氏子の田中一郎は、事もあろうに神域である境内の、それも神殿前で殺されてしまった。情けなく申し訳なく思った氏神様は、田中一郎を異世界に転生させて第二の人生を生きられるようにした。
異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。
星の国のマジシャン
ファンタジー
引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。
そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。
本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。
この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!
伯爵家の次男に転生しましたが、10歳で当主になってしまいました
竹桜
ファンタジー
自動運転の試験車両に轢かれて、死んでしまった主人公は異世界のランガン伯爵家の次男に転生した。
転生後の生活は順調そのものだった。
だが、プライドだけ高い兄が愚かな行為をしてしまった。
その結果、主人公の両親は当主の座を追われ、主人公が10歳で当主になってしまった。
これは10歳で当主になってしまった者の物語だ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる