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第一話 始まりの電話
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一本の電話から始まった。
学校が終わって、仕事先に向かう途中、無機質な初期の着信音が鳴り響いた。
非通知と表示された電話に、出なきゃいけない気がした。
『もしもし?』
私が出ても相手は数秒間は何も答えなかった。
『こんにちは。さっそくだが、一人殺してほしい者がいる。私の願いを聞いてくれるか?』
『は?頭でもおかしいんじゃないの。』
『口は災いの元、て知ってるか?こっちにはお前の大好きな妹がいるんだって知ってるか?』
その言葉を聞いた瞬間、体が崩れ落ちた。
うそだ。うそだ。うそだ!!
だって妹は、、、琴音(ことね)は病室にいるはずなのに
『嘘だと思うなら、病院に確かめてみればいい。そうだな、、明日の夜10時にまた電話しよう。』
ツー……ツー……と切れた音。
仕事先に電話して、今日は休むことを伝え、すぐに走って琴音がいるはずの病院へと足を運んだ。
着いた病院はいつもの静けさとは違い、医者、看護師が慌ただしく走り回っていた。
逆にその光景が不気味に思えた。
かすかな希望をかけて琴音の病室へ行く。
どうか、どうかお願いします。
琴音だけは無事でいてください。
神なんて信じてない私が神頼みするなんて笑えるよね。
「琴音……?」
いつもなら、綺麗な声で<お姉ちゃん>と呼んでくれる琴音はいなくて。
窓は開いて、風でカーテンが揺れる。
頬から涙が伝う感じがした。
学校が終わって、仕事先に向かう途中、無機質な初期の着信音が鳴り響いた。
非通知と表示された電話に、出なきゃいけない気がした。
『もしもし?』
私が出ても相手は数秒間は何も答えなかった。
『こんにちは。さっそくだが、一人殺してほしい者がいる。私の願いを聞いてくれるか?』
『は?頭でもおかしいんじゃないの。』
『口は災いの元、て知ってるか?こっちにはお前の大好きな妹がいるんだって知ってるか?』
その言葉を聞いた瞬間、体が崩れ落ちた。
うそだ。うそだ。うそだ!!
だって妹は、、、琴音(ことね)は病室にいるはずなのに
『嘘だと思うなら、病院に確かめてみればいい。そうだな、、明日の夜10時にまた電話しよう。』
ツー……ツー……と切れた音。
仕事先に電話して、今日は休むことを伝え、すぐに走って琴音がいるはずの病院へと足を運んだ。
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かすかな希望をかけて琴音の病室へ行く。
どうか、どうかお願いします。
琴音だけは無事でいてください。
神なんて信じてない私が神頼みするなんて笑えるよね。
「琴音……?」
いつもなら、綺麗な声で<お姉ちゃん>と呼んでくれる琴音はいなくて。
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頬から涙が伝う感じがした。
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