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第十六章「雪、騒がずにはいられない」
87.雪像とかまくら
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ショコラ達が雪合戦を始めた頃ハルはそれを遠目で見ながら、ため息をついてとあるものを作っていた。
それはハルがいた世界では「かまくら」と呼ばれるものだ。
ハルは一度でいいからかまくらの中で読書をしたいと思っており、早速作り始めた。
ハルはまず、魔法である程度の雪を集め、土台を固めていったが、そこに先程までクレセと雪合戦していたレイラ達がやって来たのだ。
レイラ達はハルを見つけるなり、目を輝かせた。
「ハル様、何をしてるのですか?」
「え、楽しそう! 手伝っていい?」
「別に構わないけど……」
「ホント!? いやー、クレセがショコラさんと真剣勝負するといって聞かなくて……」
その後はしばらく4人でかまくら作りに集中していた。
そしてそろそろ昼になりそうな頃に、残りの3人も庭の方へとやって来た。
「うー……寒っ!よくこの中で皆遊べるな」
「へ? 寒いですか?」
「幽霊には分からないだろ……」
まず先にやって来たのはルチアとミスティの2人だ。相変わらずくっついており、お揃いのマフラーまでしてある。ハルは2人を見つけると早速呼んだ。
「おーい、お2人さん。暇なら手伝ってくんない? サフィとか抜けちゃってさぁ」
「何でまだ……でも……面白そうだな。手伝うよ」
「ルチアさんが手伝うなら私もやりますわ!」
この頃にはサフィは飽きたと言って、マーシャ達の雪だるま作りに没頭しており、レイラはそうそうにドジを発揮し、追い出されていた。
そして、日がちょっと落ちそうな時間帯になると家のことがひと段落したのか、セレネがお茶と軽食を持ってやって来たのだ。セレネはハル達とそして楽しそうに雪だるまを作っているクロエに気づいた。
「皆様、お茶とお菓子の用意が出来ました。ところで楽しそうですね。私も混ぜて貰っていいかしら」
「え、いいの? じゃあちょっと手伝って欲しいことが……」
「お嬢様、こちらの雪だるまは?」
「あら、セレネ手伝ってくれるの? よかったぁ、まだあと5人残ってるのよね」
ハルの方をガン無視し、クロエの元に颯爽と行ったセレネ。ハルはそれ見てだろうなぁ……と思いつつもちょっと肩を落とし、再びかまくら作りに戻った。
そして、そろそろ日が暮れて夜になりそうな頃に、かまくらとそして、クロエ達が一生懸命作った雪だるまが全て完成したのであった。
それはハルがいた世界では「かまくら」と呼ばれるものだ。
ハルは一度でいいからかまくらの中で読書をしたいと思っており、早速作り始めた。
ハルはまず、魔法である程度の雪を集め、土台を固めていったが、そこに先程までクレセと雪合戦していたレイラ達がやって来たのだ。
レイラ達はハルを見つけるなり、目を輝かせた。
「ハル様、何をしてるのですか?」
「え、楽しそう! 手伝っていい?」
「別に構わないけど……」
「ホント!? いやー、クレセがショコラさんと真剣勝負するといって聞かなくて……」
その後はしばらく4人でかまくら作りに集中していた。
そしてそろそろ昼になりそうな頃に、残りの3人も庭の方へとやって来た。
「うー……寒っ!よくこの中で皆遊べるな」
「へ? 寒いですか?」
「幽霊には分からないだろ……」
まず先にやって来たのはルチアとミスティの2人だ。相変わらずくっついており、お揃いのマフラーまでしてある。ハルは2人を見つけると早速呼んだ。
「おーい、お2人さん。暇なら手伝ってくんない? サフィとか抜けちゃってさぁ」
「何でまだ……でも……面白そうだな。手伝うよ」
「ルチアさんが手伝うなら私もやりますわ!」
この頃にはサフィは飽きたと言って、マーシャ達の雪だるま作りに没頭しており、レイラはそうそうにドジを発揮し、追い出されていた。
そして、日がちょっと落ちそうな時間帯になると家のことがひと段落したのか、セレネがお茶と軽食を持ってやって来たのだ。セレネはハル達とそして楽しそうに雪だるまを作っているクロエに気づいた。
「皆様、お茶とお菓子の用意が出来ました。ところで楽しそうですね。私も混ぜて貰っていいかしら」
「え、いいの? じゃあちょっと手伝って欲しいことが……」
「お嬢様、こちらの雪だるまは?」
「あら、セレネ手伝ってくれるの? よかったぁ、まだあと5人残ってるのよね」
ハルの方をガン無視し、クロエの元に颯爽と行ったセレネ。ハルはそれ見てだろうなぁ……と思いつつもちょっと肩を落とし、再びかまくら作りに戻った。
そして、そろそろ日が暮れて夜になりそうな頃に、かまくらとそして、クロエ達が一生懸命作った雪だるまが全て完成したのであった。
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