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第十三章「天使と悪魔っているんだ」
60.戦争勃発
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リリスは自分よりも巨大な槍を薙ぎ、ガブリエルはこれまた本人よりも大きい剣を構えた。
空はいつの間にか嵐になっており、その戦いが激しくなることを予言してるようだった。
案の定、二人の対決はヒートアップし、いつの間にかリリスについてきた悪魔の軍団がやってきて応援を始めた。
「フレーフレー! リリス様!」
「負けないでくださーい!」
「今日こそ我ら悪魔軍の勝利を!」
「ママ! 頑張って!」
「ガブリエル様! どうか負けずに!」
「天使達の威光を示すときです!」
「是非とも勝って欲しい!」
「お母様! 勝って!」
いつの間にか天使達も応援に混ざり、周りの熱は一気に盛り上がる。が、応援していたはずの天使と悪魔達がいがみ合い始めた。
「リリス様ー!」
「ハン、あの厚化粧のおばはんのどこがいいんだが……」
「あんだとてめぇ! 今リリス様を馬鹿にしたか!? それを言うならオマエのとこの女王の体は貧相だな!」
「はぁぁぁぁぁぁ!? 今陛下を侮辱しましたねぇ!? 喧嘩売ってますかぁ!?」
「ああ、そうだよ! やってやろうかぁ!?」
「望むところですよ!」
その天使と悪魔が喧嘩を始めたことを皮切りに、まわりの天使と悪魔も戦闘を開始した。
そしてその中には当然。
「さーて、ミカエルこの前の決着といこうか!?」
「まー、はしたない。大声を上げるなんて……まぁ、その喧嘩を買わないという手は無いですけど」
と、ルシファーもミカエルも喧嘩を始めた。
最早、ハル達そっちのけで始まった戦争を見た2人は「なにこれカオス」と思いながら、この情景を見ていた。
そんな時セレネが玄関の前に来て、ハル達に告げる。
「あのー……お茶を運ぼうと思ったのですが……何があったんです?」
セレネも今何が起こっているのか分からないと言う表情で見た。
そうこうしている間に、2つの軍勢の戦いはますますヒートアップしており、収拾がつかなくなっていた。
ハルはころんと足下に何か当たったと思い見るとそこにはカボチャの一部が転がっていた。何事と思い、後ろを見ると何と畑の一部が壊滅状態になっていたのだ!
ハルは未だ呆然とするショコラを叩いて正気に戻し、畑の惨状を見させた。流石にショコラもこのままではいけないと思ったのかあり得ないことを口にした。
「よし! アイツらを止めよう!」
「何言ってるんですか!? 相手は天使と悪魔ですよ!?」
「安心しろって! 下級ぐらいならなんとかなるなる!」
「はい!?」
そう言うとショコラは自分の槍を構えながら、嵐の中に突っ込んでいった。ハルはセレネに「すみません、屋敷の中だけでも守護結界を張るようにルチアさんやリリィに言ってください」と、伝えショコラについて行った。
「お、嬢ちゃん、俺達に加勢してくれ! グワッ! 何を……!」
「よし、このお嬢はオレたちの味方っぽいな! よーし、手をくん……ガハッ!」
「うるせぇー! さっさと喧嘩を止めろ!」
ショコラは怒りにまかせて魔法を付与した槍を振るう。それだけで悪魔と天使の大半は気絶状態になった。
「まったくショコラさん、なにやってるんですか!」
「だって、このままじゃ家に被害が出るだろ!?」
「そうですね! じゃあ仕方が無い!」
ハルも(半分やけくそだが)レイラのポーションで回復しつつ、強力な魔法を放った。穢れを苦手とする天使族には血の魔法を、一方浄化が苦手な悪魔族には光魔法と言った具合に。
このように天使と悪魔達を次々倒した結果、残るはリリスとルシファー、そしてガブリエルとミカエルの4人になった。
未だ激しく戦いを続ける双方を見て、2人は相談した。
「私は前のようにあの2人を止めますからショコラさんはあの女王様達を」
「分かった、行くぞ!」
2人はそれぞれの持ち場に向かった。
「いーかげん諦めてよね! ミカエル!」
「それはこっちのセリフよ、ルシファー」
セリフは強めだが、2人は最早体力が残り少なく少しフラフラになっていた。その間にハルが割り込んだ。
「はい、2人ともそこまでね」
「な、人間!?」
「ハルさん!?」
2人は突如現れたハルに驚いたがハルはまったく気にせず2人に呪文をかけた。
「スリープ。とっとと寝てなさい」
その呪文を唱え終わると同時に2人は地べたに寝転んだ。
「あっちゃ~入れないなこれ……」
ショコラはリリスとガブリエルの戦いを少し離れたところで見ていた。2人が出す圧はかなりのものでショコラレベルの大魔女ですら、容易に近づけないものだった。
そこにルシファーとミカエルを寝かしたハルがやって来た。
空はいつの間にか嵐になっており、その戦いが激しくなることを予言してるようだった。
案の定、二人の対決はヒートアップし、いつの間にかリリスについてきた悪魔の軍団がやってきて応援を始めた。
「フレーフレー! リリス様!」
「負けないでくださーい!」
「今日こそ我ら悪魔軍の勝利を!」
「ママ! 頑張って!」
「ガブリエル様! どうか負けずに!」
「天使達の威光を示すときです!」
「是非とも勝って欲しい!」
「お母様! 勝って!」
いつの間にか天使達も応援に混ざり、周りの熱は一気に盛り上がる。が、応援していたはずの天使と悪魔達がいがみ合い始めた。
「リリス様ー!」
「ハン、あの厚化粧のおばはんのどこがいいんだが……」
「あんだとてめぇ! 今リリス様を馬鹿にしたか!? それを言うならオマエのとこの女王の体は貧相だな!」
「はぁぁぁぁぁぁ!? 今陛下を侮辱しましたねぇ!? 喧嘩売ってますかぁ!?」
「ああ、そうだよ! やってやろうかぁ!?」
「望むところですよ!」
その天使と悪魔が喧嘩を始めたことを皮切りに、まわりの天使と悪魔も戦闘を開始した。
そしてその中には当然。
「さーて、ミカエルこの前の決着といこうか!?」
「まー、はしたない。大声を上げるなんて……まぁ、その喧嘩を買わないという手は無いですけど」
と、ルシファーもミカエルも喧嘩を始めた。
最早、ハル達そっちのけで始まった戦争を見た2人は「なにこれカオス」と思いながら、この情景を見ていた。
そんな時セレネが玄関の前に来て、ハル達に告げる。
「あのー……お茶を運ぼうと思ったのですが……何があったんです?」
セレネも今何が起こっているのか分からないと言う表情で見た。
そうこうしている間に、2つの軍勢の戦いはますますヒートアップしており、収拾がつかなくなっていた。
ハルはころんと足下に何か当たったと思い見るとそこにはカボチャの一部が転がっていた。何事と思い、後ろを見ると何と畑の一部が壊滅状態になっていたのだ!
ハルは未だ呆然とするショコラを叩いて正気に戻し、畑の惨状を見させた。流石にショコラもこのままではいけないと思ったのかあり得ないことを口にした。
「よし! アイツらを止めよう!」
「何言ってるんですか!? 相手は天使と悪魔ですよ!?」
「安心しろって! 下級ぐらいならなんとかなるなる!」
「はい!?」
そう言うとショコラは自分の槍を構えながら、嵐の中に突っ込んでいった。ハルはセレネに「すみません、屋敷の中だけでも守護結界を張るようにルチアさんやリリィに言ってください」と、伝えショコラについて行った。
「お、嬢ちゃん、俺達に加勢してくれ! グワッ! 何を……!」
「よし、このお嬢はオレたちの味方っぽいな! よーし、手をくん……ガハッ!」
「うるせぇー! さっさと喧嘩を止めろ!」
ショコラは怒りにまかせて魔法を付与した槍を振るう。それだけで悪魔と天使の大半は気絶状態になった。
「まったくショコラさん、なにやってるんですか!」
「だって、このままじゃ家に被害が出るだろ!?」
「そうですね! じゃあ仕方が無い!」
ハルも(半分やけくそだが)レイラのポーションで回復しつつ、強力な魔法を放った。穢れを苦手とする天使族には血の魔法を、一方浄化が苦手な悪魔族には光魔法と言った具合に。
このように天使と悪魔達を次々倒した結果、残るはリリスとルシファー、そしてガブリエルとミカエルの4人になった。
未だ激しく戦いを続ける双方を見て、2人は相談した。
「私は前のようにあの2人を止めますからショコラさんはあの女王様達を」
「分かった、行くぞ!」
2人はそれぞれの持ち場に向かった。
「いーかげん諦めてよね! ミカエル!」
「それはこっちのセリフよ、ルシファー」
セリフは強めだが、2人は最早体力が残り少なく少しフラフラになっていた。その間にハルが割り込んだ。
「はい、2人ともそこまでね」
「な、人間!?」
「ハルさん!?」
2人は突如現れたハルに驚いたがハルはまったく気にせず2人に呪文をかけた。
「スリープ。とっとと寝てなさい」
その呪文を唱え終わると同時に2人は地べたに寝転んだ。
「あっちゃ~入れないなこれ……」
ショコラはリリスとガブリエルの戦いを少し離れたところで見ていた。2人が出す圧はかなりのものでショコラレベルの大魔女ですら、容易に近づけないものだった。
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