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本編

団長の指がいい… ★

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「は……」



 アマーリエは寝そべったまま小さく息をついた。

 息を吐いて少しでも体の熱を下げないと、体がおかしくなってしまいそうだった。

 休もうと提案して二時間以上は寝られた。一休みして目が覚めたら、だんだん体がむずむずしてきた。この程度でフリードリッヒを起こしてはいけないと思っていたら、そのうち体が火照って堪らなくなった。

 身を掻き抱いて、枕に頭を乗せてぼんやりとこちらを向いて眠っているフリードリッヒの端正な顔を見つめる。

 寝顔自体は前に一度見たことあるが、何度見ても完璧に整った顔だ。目を閉じているだけで男の色香すら感じる。あの時は素面だったから見とれるだけで済んだが、今はかえって体を熱くしてしまう。



(キス……してほしい……ああ、いけない。そんなこと考えてちゃダメだわ。もう少しだけでも我慢しなきゃ)



 フリードリッヒは気遣ってくれるが、申し訳なさを感じてしまう。むずむずする熱を内股を擦り合わせて何とか堪えてきたが



(団長……)



 アマーリエはフリードリッヒの方向を向いたまま、そっと秘部に指を這わせた。



「ん……」



 すでに花弁の間は蜜であふれてきており、指を動かすと粘い水音が耳に聞こえてくる。

 衣擦れよりも溢れはじめた蜜を花芯や花弁に塗り絡めて指を動かすたびに、くちゅくちゅとはしたない音を立てる。



「んっ……ぁ……っ……」



 フリードリッヒの指が触れていると思いながら花芯を転がすと吐息に甘い声が混ざる。フリードリッヒの顔を見つめながら、フリードリッヒの長い指が触っているのだと思うと気持ちよくて蜜が自然と溢れてくる。



「んっ……んっ……だん……ちょう……」



 シャツの上から乳房を持ち上げるように揉みながら、先の柔らかな淡い色の部分にそっと触れる。

 フリードリッヒは乳房に手で触れたあと、口に含んで吸い上げたり舌で丹念に舐る。フリードリッヒの舌で辿られていると思って指で先を捏ねるように強弱をつけて弄ぶ。芯が入ったように硬くなっていく先は、摘めば弾力があって弄るたびに気持ちよい。



「ぁっ……む、んっ……だ……んぅ……ちょ、ぅ……」



 吐息と共に漏れるあえかな声が大きくなりそうになるたびに、枕のカバーを噛んで声を殺す。

 腰の辺りにある小さく震える感覚が強くなってきた。達する前の予兆だと察して、アマーリエは指を動かす早さを早める。

 フリードリッヒの端正な寝顔を見つめながら、フリードリッヒの指の動きを己の指に重ねた。



(すき。好き、団長……大好き……)



「はっ、ぁ……フリード……リッヒっ、さ、まぁ……っ、んぅっ……」



 ふるふると身を震わせてやっと達した。

 だがどこか足りない。体の芯が燃えるような熱が少し足りない。



(団長の指の方が良かった)



 フリードリッヒの指先はアマーリエよりも少し硬い。指の感触が違うせいだろうか。



(これで……ちょっと落ち着ける)



 達すると少しだけ熱が落ち着く。一回でもフリードリッヒに抱かれる回数を減らすためには自分で慰めるしかない。



(団長に不本意なことを必要以上にさせたくない)



 少し荒くなった息を枕に顔をうずめて整えながら己に言い聞かせて、顔をあげてフリードリッヒに視線を戻す。

 その先では、フリードリッヒがアマーリエを熱く鋭い眼で見つめていた。



「ひっ……ゃっ……」



 焔が翻る熱く鋭い眼にアマーリエは小さく悲鳴を上げた。

 咄嗟に身を引こうとしたが、手首を掴まれてベッドに押し付けられる。

 アマーリエはフリードリッヒの情欲の焔が翻る熱い眼差しと腕に縫い取られたまま、何も言えずに呆然とフリードリッヒを見あげていた。

 どくどくと自分の心臓の鼓動が駆ける。



(団長……いつから見てたの?)



 フリードリッヒはアマーリエのはしたない姿をどこから見ていたのだろう。



「何をしていた」



 静かな声で問いかけられる。冷淡な声は先程のことなど知らぬ気だが、知らないはずもない。



「団長……」

「アマーリエ」



 囁くように言う声は蠱惑的で耳元で言われたわけでもないのに背筋をくすぐる官能的な響きがあった。



「ひぁっ……ぁんっ、あぁっ……」



 指で先程達したばかりの花芯を押し潰すように捏ねられるとアマーリエは悲鳴のような嬌声をあげた。余韻の残る体では堪え切れなくて身を捩ってされるがままだった。



「ちゃんといいなさいと言っただろう」



 どこまでも静かな声だったが、生まれながらに人の上に立つ者の威光を感じさせる声だった。



「ぁはっ……ぁっごめんなさっ……ぃっ……だって一回したら……落ち着くと思って」

「こんなにとろとろにして? 落ち着いているとは思えないな」



 硬いフリードリッヒの指が花芯を押し潰しながら、指を二本蜜壷へと滑り込ませる。何の抵抗もなく長い指を飲み込んだ。アマーリエの内壁は喜ぶようにフリードリッヒの指にまとわりつく。



「言いなさい、アマーリエ。これで落ち着いているからもういい? それとも続きが欲しいの?」

「ぁあっ……ぁっ、ぁあ……っ……」

「どちらか教えて、アマーリエ」



 指を引き抜いて耳元で囁いた。蠱惑的な甘い声だった。恥も外聞もなくアマーリエはフリードリッヒの見あげながら懇願した。



「続きを……お願いします、団長」

「よく言えたね、アマーリエ」



 告げ終わると同時に口づけられた。重ねられた唇は熱くて心地よい。

 数拍の間をおいて唇が離されたが、続けて重ねられる。ついばむような短い口づけを何度もされながら体を確かめるように撫でられると、触られたところから心地よくてじわりと熱が伝わってくる。



「っ……はぁ……」



 唇を離されても残る余韻に吐息が漏れた。痺れる様に体が熱い。フリードリッヒの口づけは身を熱くする。熱い吐息を漏らして感じ入っているとフリードリッヒがじっとアマーリエを見つめていることに気づいた。感じ入った顔を見られていたことに今更気づいて恥じ入ってしまう。



「これでいい?」



 フリードリッヒは指の背で頬にかかった髪を横に流しながら問う。アマーリエはフリードリッヒの眼差しを見つめながら頷くとフリードリッヒは満足げに笑みを浮かべる。中から熱い蜜が溢れてくるほど官能的な笑みだった。



「次はどうされたい?」

「団長が満足するまでここに触れてください」



 乳房を指し示す。人より大きめらしい乳房は柔らかくて張りもある。男性にはないから大きめの乳房はそれだけで武器だとエリーゼに聞いた。男性は大小あれど、乳房を触るのは好きだと。



(だから触って欲しい。団長が思いっきり触ったら、少しはご満足いただけるかな)



 もっと触れられたいという気持ち以上にフリードリッヒに少しは満足してほしい。



「満足するまで……か。難しいな」

「難しい……ですか?」

「夜通し攻めてみたい気もする。君がどんな顔をするのか興味はあるが……それでは困るだろう」



(夜通し……フリードリッヒさまに……)



 フリードリッヒにこのまま乳房をずっといじられる。

 想像すると下腹部が疼くも、焦れるような熱にアマーリエは身を震わせた。



「こ、困ります……ので、しばらくで良いです」

「では、ほどほどに」



 フリードリッヒは言うなり、アマーリエの乳房の頂を指で摘んだり捏ねるように弄る。布越しなのに気持ちよくて身を捩る。指で引っかくような刺激は布越しのせいかもどかしいようなくすぐったさと法悦が絶妙で焦らされているような気持ちになる。



「っは……ぁんっ……っやっ、ぁ……」



 シャツ越しに乳房を弄りながらボタンを外して頂に舌を這わせる。吸い上げたり舌で乳房を弄ぶ。大きな手はアマーリエの乳房を掴んで優しく揉みしだき、もう一方の手では器用にアマーリエの乳房を揉みながら淡い頂を指で挟むようにして優しく捏ねる。優しく捏ねたと思えば少し指に力を入れて強く刺激されアマーリエは甘い声を堪え切れず身を捩った。



「っぁん……んっ、ぁっ……ぁっ団長っ……ぁあっ」



 執拗なほどフリードリッヒは乳房の頂を舌で転がし、時に吸い上げる。口に含みながらも舌での愛撫をやめない。

 体は火照り、フリードリッヒに愛撫されるたびに体の奥が喜悦に熱く震える。どこまでが薔薇の雫のもたらす熱なのかわからないが、



(フリードリッヒさまにされると、堪らなく悦い)



 フリードリッヒは上手なのだと思わずにはいられない。フリードリッヒが薔薇の雫を飲んだ時には、アマーリエは処女だったのに感じてしまった。

 フリードリッヒが乳房に次々と唇を這わせて、軽く肌を吸い上げる。いささか擽ったい感触だが、フリードリッヒに唇でされているのだと考えるとじわりと震えるような法悦に肌が粟立った。



「アマーリエ」



 フリードリッヒはアマーリエに口づける。アマーリエは目を閉じてフリードリッヒの唇を感じていた。

 目を開けるとフリードリッヒがじっとアマーリエを見下ろしていた。

 光の加減で青にも紫にも見える眼差しが熱を帯びて、アマーリエだけを美しい色の眼に映していることに得もいわれぬ満足感を覚えた。



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