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本編

団長にならいいんです 4★

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 アマーリエが達した余韻に浸っているとフリードリッヒは身を起こして、ズボンから隆起したものを取り出した。

「っ……」

 ズボンから覗く隆起した長大なものにアマーリエは息をのんだ。

(え、うそ……おっきい……)

 天を突くように上を向いて屹立したものは、アマーリエの想像以上大きさだった。いや、そもそも大きさなど想像したこともなかった。「性的に興奮すると大きくなる」程度の知識しかなかった。驚きの余り、アマーリエはフリードリッヒの雄茎から目を逸らせずにいた。

(い、いけない……じろじろ見ちゃ……)

 視線を逸らして恥じ入る。驚きと興味で異性のものをじろじろみるなど、貴族の女性としてあまりに不躾だ。
 男兄弟も多く、十歳にもならない頃までは風呂にも一緒に入ったこともあった。しかし、そういうところを見た記憶がさっぱり残っていない。

(だ、大丈夫よね。裂けたりはしないと思うけど)

 長いと思ったフリードリッヒの指より長くて太い。質量が指とは違う。先ほど解してもらったが、あれより長くて大きいのにアマーリエは受け止め切れるのか不安に内心で狼狽えた。
 フリードリッヒはアマーリエの膝を持ち、足を左右に開かせる。

「っ……」

 足が開かれ、秘所がしかと晒され、戸惑いも溶けるほどの恥じらいに身を熱くした。
 フリードリッヒは屹立した雄茎をアマーリエの花弁の間に擦り付けはじめた。擦り付けられ、猛った雄茎の硬さに身を硬くする。思ったより硬くて鋼のようだ。硬いものを擦り付けられても溢れた蜜で滑って、花芯に擦れると腰に走る痺れにアマーリエは秘部がひくつく感触を覚えた。
 蜜をすくうように擦り付けていたが、フリードリッヒは蜜口に硬くなったものをあてがう。

「っ……」

 あてがわれてアマーリエは息をついて身を硬くする。
 覚悟をせねばならない。

(痛いのは最初だけっていうし……すぐに慣れるはず)

 フリードリッヒを助けるためにはアマーリエはそれを受け入れねばならない。アマーリエは目を閉じてシーツを握りしめて入ってくるのを待つ。

「アマーリエ」

 低く甘みがかった掠れた声に目を開けた。見上げるとアマーリエを見下ろしたまま、すっとアマーリエの髪を外に流した。指先の優しい感触が愛しくなる。

「力を抜きなさい」
「は、はい……」
「息を緩く吐いて」
「はぁ……っんっ……ぁっ……」

 中を割りさいて進入してくる硬い感触に眉根がよる。指よりも大きくて長いものが自分の奥まで入ってきて、想像よりも大きな質量にアマーリエは身を慄かせた。逞しい大きさの雄茎がアマーリエの隘路を押し広げ、隙間なく中を埋め尽くしている。

「……ふっ……く……んっ……」

 動かなくても身のうちを圧迫され、アマーリエは息をつくたびに鼻に抜けるような声を漏らしそうになるのを必死に耐えた。

(声、聞かれるのはやっぱり恥ずかしい)

 動いてないのに、痛いわけではないのに意図しない言葉未満の音が漏れてくる。

「アマーリエ」

 フリードリッヒに小さく名を囁やかれ、アマーリエは閉じていた目を開けた。

「痛くないか?」
「い、痛いというより苦しいです。私の中、団長でいっぱいです」
「……っ」

 フリードリッヒは息を乱して耐えるような顔をする。

「団長?」

 どうしたのだろう。何があったのか。

「どうしました? もしかして、痛いですか?」

 もしかして、男性も痛みを感じることがあるのだろうか。

(私が力が入ってるから、団長痛い思いを?!)

「ごめんなさい、団長。痛みをやわらげてあげられなくて」

 申し訳なくて眉根を寄せて詫びる。フリードリッヒは少し驚いたように目を見開いたが、やがて頬を緩ませる。
 鼓動が甘くときめく。余韻に打ち震えるアマーリエをフリードリッヒはしっかりと抱きしめる。

「大丈夫だ、アマーリエ。心配してくれてありがとう。馴染むまでこうしていよう」

 耳元で囁く声はずっと好きだった低くて通りの良いフリードリッヒの声が甘く耳に響く。

(いつもの団長の声)

 帰宅してから初めて聞く穏やかな声だった。ずっと切なげだったり熱く掠れた声だったので、いつもの静かな声音を久しぶりに聞いたような気がする。

(大好き、団長)

 ほっとした気持ちで、心の中に溢れてきたのは、フリードリッヒを慕う気持ちだった。

「動き出したら……やめてあげられない」

 耐えるような切なげな声にアマーリエはフリードリッヒの背にそっと腕をまわす。

「……はい。団長のお好きに……」

 アマーリエの促しにフリードリッヒは困ったような声で言う。

「……あまり、煽ってくれるな」
「大丈夫です。覚悟していますから」

(団長にされるなら、どんなことでも平気……団長……フリードリッヒさま、大好き)

「続きを、なさってください」
「アマーリエ」
「んっ……」

 フリードリッヒはアマーリエに口付けた。唇を合わせられ、アマーリエの体が熱く火照る。

「ふっ……んっ、ぅ……」

 角度を変えて何度も口付けながら、アマーリエの舌を舌で絡めて舐めとる。歯列を舐められ、丹念に口内を舐められた。なぞられるたびに口付けられる心地よさに背筋を淡く震わせる。

「んっ、ん、ぁ……はっ……んっ……」

 フリードリッヒを受け入れたまま、何度も角度を変えて口付けられて、そのたびにフリードリッヒの剛直が奥を押し上げて苦しいはずなのに、じんと疼くような――淫悦の喘ぎに悶えるように疼く感触を覚えた。
 息を上手く継げなくて、意識がぼんやりと霞んできたころに唇を離された。唇を離されると寂寥感が胸をちくりと刺す。
 フリードリッヒは身を離さず、息の絡む間近にアマーリエを見つめた。

「アマーリエ、済まない」

 切なげに目を細めてフリードリッヒは短く詫びた。フリードリッヒはアマーリエを抱きしめるように身を重ねる。胸のうちに再び身じろぎすらさせない熱いものが熾ってきた。

「最初だけでもゆっくり動く。アマーリエ、少し我慢してくれ」
「はい……団長」

 アマーリエは身じろぎもできず、フリードリッヒの腕に抱かれてフリードリッヒを感じて身を熱くして眼差しを見上げていた。
 熱っぽい眼差しに愛されていると感じてしまう。

(自惚れては駄目)

 自分に言い聞かせても、熱い眼差しに心が蕩けそうだ。

(ああ、フリードリッヒさま)

 心の奥がじんと熱く濡れるような感覚に力が抜け、アマーリエは泣きたいような心地でいた。

「んっ、ぁっぁっ、んっ……ふっ、ぁっ……」

 フリードリッヒは短く何度もキスを落としながら、ゆっくりと注挿を始めた。
 浅くゆっくりと動かされ、何よりフリードリッヒに口付けられてアマーリエは小さく喘ぎを漏らした。唇から何度も零れゆく声を恥じ入る余裕もなかった。
 動きだすと、猛った雄茎が中を擦る感覚に慣れないためだろう、痛みを覚える。ひたすらにフリードリッヒを感じて痛みをやり過ごす。フリードリッヒの長大なものが蜜口だけでなく中を押し広げ擦りあげ、満たしているのを感じている。

「アマーリエ」

 切なげな吐息混じりに名を囁かれると、苦しいはずなのに、苦しさも痛みも和らいで中が疼いて堪らない。

「ぁっ……ぁんっ、ぁっ、フリードリッヒっ……団長……団長っ……ぁっ……」

 うわごとのように名を呼んだ。無性にフリードリッヒの名を呼びたかった。
 いや、呼びたいのかすらよく分からない。唇がフリードリッヒの名を繰り返し形作る。
 求めるように名を繰り返していると、フリードリッヒは応えるようにアマーリエの体を愛撫する。乳房を揉みしだきながら指の腹で胸の先をこねるように繰り返し押しつぶすと、下腹部の痛みを押し流すような法悦にアマーリエは身を捩って甘い喘ぎを漏らした。

「アマーリエ……っアマーリエ……」

 低く吐息交じりに囁く声はいささか掠れているのに、どこか甘やかでアマーリエの中を熱くする。
 浅かった注挿が次第に深くなっていく。奥を突かれて名を囁かれたり、口付けされると強い感覚が下腹部を疼かせる。
 法悦の疼きなのだとアマーリエが自覚するとますます疼きを強く覚えた。強い疼きにアマーリエは堪えられずに身を捩って喘いでいた。

「ぁぁっ……はっんっ、ぁっ、ぁっ……ぁあっやっ……だんちょ……」

 気がしかと保てないような感覚が奥からせりあがってくる。深く繋がって奥を強く突かれると、強い感覚が断続的に腰から下腹部を疼かせる。達する直前の宙に浮きそうな感覚に似ていて、アマーリエは咄嗟にフリードリッヒの腕に縋りつく。
 だがすぐにいけないと思って手を離すと、フリードリッヒはアマーリエの乳房を揉みしだく手を離しアマーリエの手をとる。

「いい、掴まっていなさい」

 アマーリエの腕を己の背に導きながら遠慮をするなと、アマーリエを気遣ってくれる。アマーリエは導かれるままフリードリッヒの背に縋って背を仰け反らせて、与えられるまま咽ぶように法悦の喘ぎを漏らす。

「アマーリエ……そろそろ出すぞ」
「っぁっ、はっ、ぃっ……ぁぁっ、団長っ構いませっ、んっ、ぁっぁぁっ……っぁあ……」

 フリードリッヒが逞しい背を震わせた瞬間、アマーリエの中に熱い飛沫が注がれた。熱い飛沫が注がれる感触にアマーリエは達して、法悦に身を震わせた。
 脱力して息を荒げるアマーリエに、フリードリッヒは身を重ねた。アマーリエとフリードリッヒは身を重ねあい、息を荒げて気だるい余韻に浸っていた。耳にかかるフリードリッヒの荒い息が、余韻に浸るアマーリエを甘く震わせる。
 フリードリッヒは身を重ねたまま、アマーリエを腕に抱く。意識的か無意識かの行為にアマーリエは酷く心地よくて、フリードリッヒの背に回した腕にいささか力を込めた。

(良かった……ちゃんとできた)

 まず一回相手をすることができた。あとはフリードリッヒが満足するまで頑張ればいい。
 ただひとまず、フリードリッヒが苦しい思いをしなくてすむと思うと喜びがこみ上げた。

「っアマーリエ」

 アマーリエの名を切なげに呟かれアマーリエは下腹部に熱い疼きを覚え、同時にフリードリッヒの欲望がアマーリエの中で硬くなっていくのを感じた。

「っ……団長? あの、これは……」

 アマーリエは戸惑い問いかける。先ほどフリードリッヒは確かに達したはずなのに、なぜ再びフリードリッヒのものは硬くなっていくのだろう。 

「済まない。……治まらない」

 切れ切れに切なげに呟くと、フリードリッヒは中で硬くなっていくものを動かし始めた。

「ぁっ……ぁっんっ……はぁっ、団長っ……」

 先ほどいったばかりなのにフリードリッヒのものは硬くなっていく。アマーリエも先ほど達した余韻にひくつく中を、硬くなったフリードリッヒのものがかき回す。

(こんなに早く次がしたくなるものなの? これも薬のせい?)

 そう思うと悔しさがこみあげてくる。

「っふ……んっ、んんっ……」

 深く口付けられ、舌を絡められながら、アマーリエはフリードリッヒの忸怩たる思いを思って涙を流した。



 
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