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意味が分かると……
意味が分かると怖い話
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掃除のため部屋を整理していた所、押し入れの中から懐かしい物が出てきた。
「中学の時技術で作ったラジオじゃん」
ラジオを見た所傷が付いてる様子もなく、使い物になりそうだ。
俺は電池を入れ替え、チューナーを回す。
『ピー……と言う訳で……ザザー……六回表……キュルキュルキュル』
おぉ、動く動く。
しばらく部屋をうろついて、電波を受信しやすい位置を探す。
『彼が扉を開けると』
ナレーションらしき低い男の声で、俺はチューナーのダイヤルを止めた。
『その部屋の棚には、整然とある物が並んでいた』
お、意外とクリアに聴けるぞ。
と思った矢先。
『人間の頭』
「!?」
『男はそのおぞましさに、ただ言葉を失くした。その時、後ろの扉が静かに開いた』
怪談特集……かな。
まぁ夏だし、やっててもおかしくない。
『それは血まみれの大きな口を開け、しわくちゃの肌を引っ掻き、虚ろな目をして立っていた。男は直感した。"後ろの生首たちをコレクションしたのは、コイツだ"と。それは男に向かって、こう言った』
『さ よ う な ら 』
ゾッとした。
今の声が、ラジオから出たものとは到底思えない。
そこら中のスピーカーが反響してるみたいで、本当に『それ』がいるみたいだった。
俺は思わず、ラジオのスイッチを切った。
どうしよう。
またラジオを聴く勇気はないし、家には誰もいない。
俺はあまりにも怖かったので、友人に片っ端からメールを送った。
お、早速誰かから返ってきたぞ。
[くだらなくはないけど……
ビビってもしょうがないよな(笑)
ものすごい怖かったって言ってたけど
ラジオの雑音聴き間違えただけでしょ
いちいち気にしないほうがいいよ
ま~今暇だから付き合うよ
すぐ行くから! ]
はぁ、良かった。
こんなことでビビってる俺は認めたくないけど、さっきのアレは反則だろ。
──しばらくして、俺の部屋の扉が音もなく開いた。
俺は、気がつかなかった。
分かった?
このお話の真相は、友人からのメールにあるわ。
[くだらなくはないけど……
ビビってもしょうがないよな(笑)
ものすごい怖かったって言ってたけど
ラジオの雑音聴き間違えただけでしょ
いちいち気にしないほうがいいよ
ま~今暇だから付き合うよ
すぐ行くから!]
ふふ、もう分かったかしら?
全ての行の一文字目を、繋げて読んでいくと……
『く・ビ・も・ラ・い・ま・す』
無事……だと良いけどね。
「中学の時技術で作ったラジオじゃん」
ラジオを見た所傷が付いてる様子もなく、使い物になりそうだ。
俺は電池を入れ替え、チューナーを回す。
『ピー……と言う訳で……ザザー……六回表……キュルキュルキュル』
おぉ、動く動く。
しばらく部屋をうろついて、電波を受信しやすい位置を探す。
『彼が扉を開けると』
ナレーションらしき低い男の声で、俺はチューナーのダイヤルを止めた。
『その部屋の棚には、整然とある物が並んでいた』
お、意外とクリアに聴けるぞ。
と思った矢先。
『人間の頭』
「!?」
『男はそのおぞましさに、ただ言葉を失くした。その時、後ろの扉が静かに開いた』
怪談特集……かな。
まぁ夏だし、やっててもおかしくない。
『それは血まみれの大きな口を開け、しわくちゃの肌を引っ掻き、虚ろな目をして立っていた。男は直感した。"後ろの生首たちをコレクションしたのは、コイツだ"と。それは男に向かって、こう言った』
『さ よ う な ら 』
ゾッとした。
今の声が、ラジオから出たものとは到底思えない。
そこら中のスピーカーが反響してるみたいで、本当に『それ』がいるみたいだった。
俺は思わず、ラジオのスイッチを切った。
どうしよう。
またラジオを聴く勇気はないし、家には誰もいない。
俺はあまりにも怖かったので、友人に片っ端からメールを送った。
お、早速誰かから返ってきたぞ。
[くだらなくはないけど……
ビビってもしょうがないよな(笑)
ものすごい怖かったって言ってたけど
ラジオの雑音聴き間違えただけでしょ
いちいち気にしないほうがいいよ
ま~今暇だから付き合うよ
すぐ行くから! ]
はぁ、良かった。
こんなことでビビってる俺は認めたくないけど、さっきのアレは反則だろ。
──しばらくして、俺の部屋の扉が音もなく開いた。
俺は、気がつかなかった。
分かった?
このお話の真相は、友人からのメールにあるわ。
[くだらなくはないけど……
ビビってもしょうがないよな(笑)
ものすごい怖かったって言ってたけど
ラジオの雑音聴き間違えただけでしょ
いちいち気にしないほうがいいよ
ま~今暇だから付き合うよ
すぐ行くから!]
ふふ、もう分かったかしら?
全ての行の一文字目を、繋げて読んでいくと……
『く・ビ・も・ラ・い・ま・す』
無事……だと良いけどね。
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