マニーフェイク・フレンズ

なにこれ

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月見さんと遊んだ日からどこかいつも上の空で何も手につかなくなっていた。

「星野お前体調でも悪いのか？」

「えっ、あ、ああ…そんなことないですよ」

仕事中ぼーっと品出しをしていたら店長に声をかけられて無難に返事を返す。

あの日お金を渡してからパーキングまで月見さんに送って貰ってそのまま解散になったけれど、帰っている間も家に着いてからもずっと心に重りを巻き付けたような苦しさがまとわりついていた。

仕事も手につかないって相当な気がするけど、この感情がお金のやり取りの罪悪感から来たものなのか、はたまたまた別の原因があるのかもよく分からないしずっと悩んでること自体しんどいと感じる。

「最近ミスも多いし何かあるなら話聞くぞ」

「ありがとうございます。でも、大丈夫ですよ」

「大丈夫には見えないけどな。まあ、聞いて欲しくなったらいつでも相談してこい」

そう言って仕事に戻って行った店長の背中を数秒見つめてから視線を外して手に持っていた商品を目の前の棚に出した。

コンテナの中に入れられた沢山の商品を見て品出しも悩みもまだまだ無くならないなってため息をつく。

こんな話誰にもできないしな…。

「まじでしんどすぎる……」

数秒も経たないうちにまたため息をついてまた仕事に取り掛かる。

今はとにかく仕事に集中するために気合いを入れ直した。