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悪役令息は紅茶を飲ませたようです②

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指を抜くと、ゆっくりとエルヴィスの腹の上にまたがった。立ち上がった棒の先端が秘部に当たり、全身にゾクゾクとした不思議な感覚が走る。微かに太ももが震えていて、心がかすかに怖気ずく。

(怖い……)

初めての行為というのものあり、どうなってしまうのか怖くて中々腰を落とすことが出来ない。それに、エルヴィスのそれが予想以上に立派すぎて、僕の中に本当に入るのかと、疑問が浮かんでしまう。

「……っ、ん……なんだ?」

そのとき、薬が切れたのかエルヴィスがゆっくりと目を開けた。予想よりも早い目覚めに驚いて息を飲む。エルヴィスも、自分の置かれている状況が呑み込めず混乱しているようだ。

「なにしてんだ!?」 

その声を聞いて、顔を出していた恐怖心が吹っ飛んでいくのを感じた。僕は決めたんだ。復讐のためなら手段は選ばないって。

「ねえ、今どんな気分?」
「どういうつもりだ」
「あはは、その顔!たまらないよ」

怒るエルヴィスの顔を見て、恍惚の笑みを浮かべてしまう。ゆっくりと腰を落としてやれば、慣らした秘部へと少しずつエルヴィスが入ってくるのを感じた。
圧迫感と微かな痛みに眉を寄せながらも、挿入を続けていく。

「やめっ、ろ……っ」
「は、あははは、ほら、もうすぐ全部入っちゃうよ。抵抗しなくてもいいのかい?」

わざと煽りながら、腰を降ろしていく。途中、上手く進められず苦しさに微かに呻くと、エルヴィスのエメラルドの瞳が、一瞬、心配の色を宿したのが分かった。
それが悔しくて、歯を食いしばって更に腰を落としていく。刹那、エルヴィスが腰を動かして、僕の奥をノックしてきた。

「ひゃっ、あっ。動くなっ」
「っ、じれってー」

こんな状況に置かれているというのに、その言葉が出てくるあたりがエルヴィスらしい。いや、エルヴィスというよりも阿佐谷の方かな。彼は経験豊富だったのだろうから。
最奥へと入りきったことに安堵しながら、次は腰を上へと引き上げていく。動かすたびに感じる、破瓜の痛みと小さく拾い上げる快感に眉を寄せた。

「お前ただで済むと思うなよ」
「それは、僕の言葉だよっ、ぁ……」

憎々しげに発せられた言葉が、なによりも僕の快感を誘い、震えさせる。その顔をもっと見せて欲しい。エルヴィスが嫌がれば嫌がるほど、怒れば怒るほどに僕の心は満たされて、幸福を感じられるんだ。それを原動力にして、なんだってやり切れる自信がある。

しっかりと足に力を込め直すと、先程とは違い勢いよく腰を上げ下げしていく。慣れてきたことで、痛みも少しずつ和らぎ、簡単に腰を動かすことが出来る。

「っ、ふっ、」

唇を噛んで声を我慢する。快感に腰砕けを起こしそうになりながら、必死に腰を動かしていると、エルヴィスも我慢出来なくなったのか、僕に合わせて腰を動かし始めた。

「あ、やあっ、んん!」

自分で腰を動かすときよりも強烈に感じる気持ちよさに、思わず声が漏れる。その声を聞いて、興奮したのか肉棒の硬さと大きさが増して、更に快感が強まった。

「おいっ、のけ!」
「や、だよ」

限界が近いのだろう、余裕のない表情でエルヴィスが叫ぶ。そんなエルヴィスに顔を近づけて、キスが出来そうな距離で笑みを返してやる。

「イって」
 
囁いた瞬間、理性の糸が切れたように、エルヴィスが腰を激しく動かし始めた。あまりの快感に、エルヴィスの首に顔を埋めてされるがままになってしまう。

「はあ、あっ、もう」

一際奥に腰が打ち付けられると、ドクドクと白濁が注がれる感覚がして、笑みが浮かぶ。余韻が身体を満たし、もっと欲しいと身体がうずく。けれど、それを我慢して腰を浮かせると、一気にエルヴィスを自身から引き抜いた。
秘部に手を持っていき、見せつけるように開いてやれば、ドロリと中から液が溢れてきた。

「ねえ、見てよ。これで君は僕から絶対に逃げられない」

婚姻前に体の関係を持ってしまったことは良くはなかったと思うけれど、それよりも重要なのは僕の中に第一王子である彼の子種が仕込まれてしまったことだ。この事実がある限り彼は僕を受け入れるしかなくなる。

もちろん、避妊薬を飲んでいるから妊娠することはないとは思うけれどね。時間稼ぎにはなる。その期間内に婚姻してしまえば済む話だ。

「なんで、こんなこと」
「なんで?それは自分が一番わかっていることでしょう」
「日野、お前っ」
  
反論しようとするエルヴィスの唇に人差し指を当てて、妖艶に微笑んでやる。

「間違えないで。僕は夏月じゃない。カレンデュラ=デイドリームだよ」

君をどん底に突き落として、後悔させてやる。今回のはそのための一手に過ぎない。
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