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これは、マンネリ?
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「ポリネシアン、セックス……?」
「そう! ポリネシアンセックス!」
言われた言葉の意味はよくわからなかったけれど、それがセックスの一種であることだけはすぐに理解できた。
まあ、おもいきりセックスって言ってるし、わからないわけがない。
嬉しそうな顔で笑っている恋人の顔を見ながら、俺は気付かれないように小さくため息をついた。
別れたいと言われなくてよかった。
仕事をして、帰ってきて、ごはんを食べて、風呂に入って、寝る前にセックスを一回。
次の日が休みだったら、セックスは二回になったり、三回になったりするけど、まあそろそろ二十代も後半に突入してるからか、だいたい二回くらいで終わる。
セックスするのに、五時間も六時間もかけて、ふたりとも玉が空になるまでやりまくったり、毎日のように寝不足になっていたりした大学時代はもう遠い昔の話だ。
マンネリ、というほどではないけれど、毎日のように同じ流れでセックスしていたら、なんだかセックスがただの抜き作業のように感じられるようになってきた。
毎日一回、なんて、それこそ義務だと思ってるんじゃないかと思う。
どう思っているのか、アイツに聞けたことはないけれど。
最初の頃は、それこそ尻の準備をしてる最中だって、これからアイツとセックスするんだな、と思うだけでどきどきしていたし、お揃いのパジャマを着ていちゃいちゃしながら、ベッドの上で服を脱がしあうだけでもどきどきしていた。
それがいまや、特にどきどきすることもなく、体を洗うついでに尻の準備をするし、どうせすぐに脱ぐからと、風呂場からベッドまで裸のままで移動する。
そのあとは、ベッドの上でぱかっと足を開いて抱かれるか、尻をぐっと上げて抱かれるか、くらいの違いで、体位が変わる程度のことでしかない。
たまに、横向きでやることもあるが、そこまで代わりばえのすることじゃないから、たいして珍しいことでもない。
どうせ、一発出せばすっきりする話だから、特にこだわりもないしな。
セックスの回数もだいたい決まってるから、コンドームもローションも、定期的に通販でポチって補充すれば大丈夫。
昔みたいに、帰ってくるなり急にがっついたアイツに襲われて、玄関で口を塞ぎながらするのはもちろん、洗濯物を干してる最中に襲われて干した布団の影で口を塞がれながらとか、シンクで洗い物をしていたら背後から抱きしめられてシンクにしがみついたまま、なんてこともなくなったから、ゴムが足りなくなったりしない。
だから、ゴムがないから生でしてもいいか、なんて無茶も言われなくなったし、あとは口でしてくれないか、なんておねだりされることもなくなった。
胸の中がもやもやする。
まあ、一緒に暮らして五年目だし、こんなもんだろ、と自分を誤魔化した。
やっぱり女の子の方がいいのか、なんて怖くて聞けない。
これが、ただのマンネリならいいのに。
だが、そう思っていたのは、俺だけではなかったようだ。
アイツの手には、『ひでんしょ』と書かれたノートが握られている。
思わずそれを見て、小学生の頃、自作していたゲームの攻略ノートのことを思い出してしまった。
あれはどうなっただろうか。
たぶん、実家の倉庫にでも眠っているだろうと思うけれど。
「なあ! ちゃんと話を聞いてくれよ」
そんなことを考えていたら怒られた。
でも、『ひでんしょ』だしな。
そんなの笑うしかないだろ。
「そう! ポリネシアンセックス!」
言われた言葉の意味はよくわからなかったけれど、それがセックスの一種であることだけはすぐに理解できた。
まあ、おもいきりセックスって言ってるし、わからないわけがない。
嬉しそうな顔で笑っている恋人の顔を見ながら、俺は気付かれないように小さくため息をついた。
別れたいと言われなくてよかった。
仕事をして、帰ってきて、ごはんを食べて、風呂に入って、寝る前にセックスを一回。
次の日が休みだったら、セックスは二回になったり、三回になったりするけど、まあそろそろ二十代も後半に突入してるからか、だいたい二回くらいで終わる。
セックスするのに、五時間も六時間もかけて、ふたりとも玉が空になるまでやりまくったり、毎日のように寝不足になっていたりした大学時代はもう遠い昔の話だ。
マンネリ、というほどではないけれど、毎日のように同じ流れでセックスしていたら、なんだかセックスがただの抜き作業のように感じられるようになってきた。
毎日一回、なんて、それこそ義務だと思ってるんじゃないかと思う。
どう思っているのか、アイツに聞けたことはないけれど。
最初の頃は、それこそ尻の準備をしてる最中だって、これからアイツとセックスするんだな、と思うだけでどきどきしていたし、お揃いのパジャマを着ていちゃいちゃしながら、ベッドの上で服を脱がしあうだけでもどきどきしていた。
それがいまや、特にどきどきすることもなく、体を洗うついでに尻の準備をするし、どうせすぐに脱ぐからと、風呂場からベッドまで裸のままで移動する。
そのあとは、ベッドの上でぱかっと足を開いて抱かれるか、尻をぐっと上げて抱かれるか、くらいの違いで、体位が変わる程度のことでしかない。
たまに、横向きでやることもあるが、そこまで代わりばえのすることじゃないから、たいして珍しいことでもない。
どうせ、一発出せばすっきりする話だから、特にこだわりもないしな。
セックスの回数もだいたい決まってるから、コンドームもローションも、定期的に通販でポチって補充すれば大丈夫。
昔みたいに、帰ってくるなり急にがっついたアイツに襲われて、玄関で口を塞ぎながらするのはもちろん、洗濯物を干してる最中に襲われて干した布団の影で口を塞がれながらとか、シンクで洗い物をしていたら背後から抱きしめられてシンクにしがみついたまま、なんてこともなくなったから、ゴムが足りなくなったりしない。
だから、ゴムがないから生でしてもいいか、なんて無茶も言われなくなったし、あとは口でしてくれないか、なんておねだりされることもなくなった。
胸の中がもやもやする。
まあ、一緒に暮らして五年目だし、こんなもんだろ、と自分を誤魔化した。
やっぱり女の子の方がいいのか、なんて怖くて聞けない。
これが、ただのマンネリならいいのに。
だが、そう思っていたのは、俺だけではなかったようだ。
アイツの手には、『ひでんしょ』と書かれたノートが握られている。
思わずそれを見て、小学生の頃、自作していたゲームの攻略ノートのことを思い出してしまった。
あれはどうなっただろうか。
たぶん、実家の倉庫にでも眠っているだろうと思うけれど。
「なあ! ちゃんと話を聞いてくれよ」
そんなことを考えていたら怒られた。
でも、『ひでんしょ』だしな。
そんなの笑うしかないだろ。
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