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夏休み その1
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期末テストが終わり、とうとう夏が来た。
暑さで鉄板のように高温に温められたアスファルトが波打って見えるこの時期。
外は蝉の大合唱で騒がしい。
思えば一学期は色々と振り回された。
今日が終わればしばらく彼女とも会わなくなる。
騒がしすぎる高校生活とは一旦おさらばとなると少し安心できた。
静かな生活は久々だ。
「さやか殿はなにか予定あるのか?」
夢は現実へと戻された。
振り向くとやはり賀川さんはニコッと笑ってそこに居た。
そして、流れるように前の人の席の椅子にまたがって話しかけてきた。
「なぁさやか殿。夏休みといえば外せないイベントがあるのだか、何だかわかるか?」
「夏休みのイベント?課題が沢山出るから早いうちに片付けてしまわないとね。しかも賀川さんあなたは今回は免れたものの欠点ギリギリだったんだから学生業に専念しないとでしょ 」
「そこでだ。さやか殿、合宿を行わないか?」
合宿……。
その言葉には小さい頃に見た学園モノアニメにも多数登場し、高校生らしいイベントではある。だが賀川さんは一体どこでやるつもりなのだろうか、合宿を行う宛でもあるのだろうか。
「どこでするとか考えているの?」
「いいや、考えてはない。だができそうな気はしてるぜ」
「さやか殿、もしや海に別荘を持っていたりしないか?」
賀川さんから思わぬ一言を言われて冷や汗が止まらなくなった。
なぜなら、実際に別荘はいくつか持っているからだ。
学校にも私が令嬢ということは秘密にして欲しいと言ってた分、私が令嬢で別荘を持っているということは私が言わない限り言われないと信じていたからだ。
彼女の場合は恐らく事実は知らないとは思うが謎にそういう時の直感だけはすごい。
合宿……どこでしょうかな。
そんな風に考えながら帰ろうとすると電話の着信音が鳴り響いた。
私のカバンから音がする。
スマホの画面を見るとお母さんからの電話だった。
出てみると懐かしい優しい声がする。
「元気にしてる?もうすぐ夏休みでしょ?久々に帰ってきたらどうかなって。きっと友達も作ってると思うし、友達も連れておいで」
さすがお母さんだ、私のお母さんはかなり天然みたいで突然思いつき、突然行動をする……。
そして巻き込まれることが多かった……。
なんか今と変わらない気がするけど。
これは嫌な予感がする……。
「そうだ!来月の2週目空いてるよね?帰るための切符送っておいたから、友達の分ワンセットも入れてあるから誘っておいて」
嫌な予感はやはり当たってしまう。
お母さんは軽く言ってたが交通費って……帰るのに新幹線使うところよ?
まさかね……いや、あの人ならそこも言いそうではある。
「なぁ、お母さんが切符送ってくれるのか?」
「ふぇ!?」
「だって……さっきから通話スピーカーになってるぞ……」
やらかした……恐る恐るスマホの画面を見ると確かにスピーカーのところがオンになっていた。
「学校だからもう切るね、じゃあ!」
急いで切ったが一体いつからスピーカーモードになっていたのだろうか……。
「ちなみにだが最初からスピーカーだったぞ」
終わった……
これはあのパターンになるに違いない。
「せっかく送ってくれているんだったら行こうよ!むしろ行かなかったら悲しいだろ!」
はぁ……またこうなるのか。
やっぱり静かな日常はしばらくお預けらしい。
暑さで鉄板のように高温に温められたアスファルトが波打って見えるこの時期。
外は蝉の大合唱で騒がしい。
思えば一学期は色々と振り回された。
今日が終わればしばらく彼女とも会わなくなる。
騒がしすぎる高校生活とは一旦おさらばとなると少し安心できた。
静かな生活は久々だ。
「さやか殿はなにか予定あるのか?」
夢は現実へと戻された。
振り向くとやはり賀川さんはニコッと笑ってそこに居た。
そして、流れるように前の人の席の椅子にまたがって話しかけてきた。
「なぁさやか殿。夏休みといえば外せないイベントがあるのだか、何だかわかるか?」
「夏休みのイベント?課題が沢山出るから早いうちに片付けてしまわないとね。しかも賀川さんあなたは今回は免れたものの欠点ギリギリだったんだから学生業に専念しないとでしょ 」
「そこでだ。さやか殿、合宿を行わないか?」
合宿……。
その言葉には小さい頃に見た学園モノアニメにも多数登場し、高校生らしいイベントではある。だが賀川さんは一体どこでやるつもりなのだろうか、合宿を行う宛でもあるのだろうか。
「どこでするとか考えているの?」
「いいや、考えてはない。だができそうな気はしてるぜ」
「さやか殿、もしや海に別荘を持っていたりしないか?」
賀川さんから思わぬ一言を言われて冷や汗が止まらなくなった。
なぜなら、実際に別荘はいくつか持っているからだ。
学校にも私が令嬢ということは秘密にして欲しいと言ってた分、私が令嬢で別荘を持っているということは私が言わない限り言われないと信じていたからだ。
彼女の場合は恐らく事実は知らないとは思うが謎にそういう時の直感だけはすごい。
合宿……どこでしょうかな。
そんな風に考えながら帰ろうとすると電話の着信音が鳴り響いた。
私のカバンから音がする。
スマホの画面を見るとお母さんからの電話だった。
出てみると懐かしい優しい声がする。
「元気にしてる?もうすぐ夏休みでしょ?久々に帰ってきたらどうかなって。きっと友達も作ってると思うし、友達も連れておいで」
さすがお母さんだ、私のお母さんはかなり天然みたいで突然思いつき、突然行動をする……。
そして巻き込まれることが多かった……。
なんか今と変わらない気がするけど。
これは嫌な予感がする……。
「そうだ!来月の2週目空いてるよね?帰るための切符送っておいたから、友達の分ワンセットも入れてあるから誘っておいて」
嫌な予感はやはり当たってしまう。
お母さんは軽く言ってたが交通費って……帰るのに新幹線使うところよ?
まさかね……いや、あの人ならそこも言いそうではある。
「なぁ、お母さんが切符送ってくれるのか?」
「ふぇ!?」
「だって……さっきから通話スピーカーになってるぞ……」
やらかした……恐る恐るスマホの画面を見ると確かにスピーカーのところがオンになっていた。
「学校だからもう切るね、じゃあ!」
急いで切ったが一体いつからスピーカーモードになっていたのだろうか……。
「ちなみにだが最初からスピーカーだったぞ」
終わった……
これはあのパターンになるに違いない。
「せっかく送ってくれているんだったら行こうよ!むしろ行かなかったら悲しいだろ!」
はぁ……またこうなるのか。
やっぱり静かな日常はしばらくお預けらしい。
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