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明日の事を考えると…

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「婚約するって話本当だったんだな…」
「なんだ?突然思い出したように…」
ブラッドは、部屋の中で風呂上がりの濡れた髪をタオルで拭き取る姿を同じ部屋にいるショーンが、机がある椅子に座りじっとブラッドを見ていた。
「いや、お前が城内の宝石店はあるのか?って聞いてきた時は驚いたが、まさか婚約指輪を買うとは思っていなかったからさ…相手はお前が話していた女子高生か?!」
「そうだが」
「……なんかムカつくな…今まで女に見向きもしない奴がいつの間にか彼女作って、それも十代の女子高生に手を出すなんて…」
「俺もまだ十代だが?」
「は?お前まだ十代だっけ?」
「もうすぐ二十歳になる」
「……俺と同じ二十一だと思っていた…ため口だし、体術も馴れていたし木刀や剣にも馴れていたしさ…」
ショーンはブラッドが年下だと聞き、いまだに信じられない顔でブラッドを見ていた。
「体術と剣は幼い頃から教わったんだ」
「そっか、お前近衛隊長の息子だったのを忘れてた!それなら納得するよ…」
「…その近衛隊長の息子だからなんでも出来るって周りから言われるのが嫌なんだ」
「だから寮生活をしてるのか?」
「それもあるが…屋敷にいると部屋が広い分、思い出すのがイヤでもあった…」
ブラッドは、フランシスとフォスティヌが婚約して一緒にいる姿が静かな部屋の中で思い出すのがイヤでもあった。
「なんの事かわらないけど…まあ、婚約おめでとう」
「ああ」
「それ、それ、その普通にため口になっているから俺と同い年と思うだろうが」
「そうか?」
「…はぁ…もういいや、なんか疲れた…」
「ふっ、肩でも解してやろうか?」
「よけいに肩こる…そういえば明日だろ?あのしつこい夫婦の屋敷に行くのは…彼女も一緒なのか?」
「ああ…本当は彼女を連れて行きたくないし、俺も行きたくない…」
ブラッドは不機嫌な顔でショーンに話をしていた。
「無理に行かなくてもいいんじゃないのか?親でも親戚でもないのに、お前の変な所が真面目なんだよな」
「……」
「彼女連れてデートに行けば?」
「デ!?」
パサッ!と手に持っていたタオルが離れブラッドは固まっていた
「おい?タオル落としたぞ」
「え?あ、ああ…」
ブラッドはタオルを拾い上げ考えていた。
「……デートは何処に行けばいいんだ…?」
「何処でもいいじゃん、彼女が行きたい場所とか?」    
「行きたい場所……」
「間違っても娼婦館には行くなよ。まぁ、女から誘われる姿を彼女に見て欲しいなら話は別だけどな」
「はぁ…そんな事するわけないだろう、彼女が気分を悪くするだけだ」
「顔に似合わず真面目なんだよな~…男は女から誘われば寄って行くのが普通だろう?俺だったら誘われたら行くけどな…まぁ、男が女を誘うのが多いけどな」
「……何処に行くんだ?」
「は?」
「誘われたら行くと言っていたが…」
「何処って…宿に泊まるか屋敷へ泊まるか…その時の気分もあるけどな……まさかお前、女の扱い…何も知らないとか…?」
「ただ聞いただけだ」
「ははは、悪い。お前の場合女の方が寄ってくるから羨ましいよな…彼女は嫌だろうけどな、まあ…真面目なお前なら彼女も安心するだろう」
「……ああ」
笑みを見せるブラッドは、明日もし屋敷を抜け出していけるならフォスティヌと何処へ行こうと…フランシスの事を忘れ、早くフォスティヌに会いたいと…その事ばかりを考え眠れそうもなかった。
    











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