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明るい朝と静かな朝

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「お嬢様!?どうしたのですか?その目は……」
朝、メイドのソニアがいつものようにフォスティヌの身仕度で部屋に入ると、ベッドの上でぼんやりとしているフォスティヌを見てさらに、目が腫れていたのにも驚き声をあげていた。
「あ…おはようソニア」
「おはようございます…お嬢様、昨日学園で何かあったのですか?」
メイドのソニアも学園でフランシスとの噂が流れているのを聞いて知っていたため、また何か言われたのではと心配してベッドの側に来てフォスティヌに声をかけていた。
「ううん、大丈夫よ。私を見て話をしている人も何人かいるけど気にしていないから…別の話で困っていると言うのかな…」
「別の話?」
「な、なんでもないから…心配してくれてありがとうソニア」
笑顔を見せるフォスティヌは、首を傾げるソニアにクスクスと笑い、身仕度を終え制服を着るとフォスティヌは、引き出しを見ては頬を赤く染め小さな箱を触っていた。
「……夢ではなかったんだ……」
「何か言いましたか?」
「ううん、なんでもない行きましょう」
フォスティヌは引き出しを締めメイドのソニアと一緒に部屋を出た。
「おはようございます。お父様、お母様」
「ああ、おは……目が腫れているぞフォスティヌ…大丈夫なのか?そのまま学園に行って…生徒はフランシスの事だと思うだろう…」
「うん、大丈夫。言いたい人は言わせていればいいの!…みんなが話をするわけでもないから…」
「まぁ…ふふふ」
父親は驚いていたが、ブラッドがいる事でこんなに違うのかと安堵の表情を見せ、今朝は家族の明るい朝をむかえていた。

「……婚約指輪は用意しているのか?」
「えっ!?婚約指輪…?!」
食卓の場で父親がフランシスに声をかけ、シャロンの婚約指輪を用意しているのかフランシスに尋ねていた。
「……その様子だとまだのようだな…」
父親はため息を吐きフランシスは考え事をして父親に声をかけた。
「…指輪を贈るのは結婚指輪だけだと思っていたから…」
「普通なら婚約式と結婚式を二回挙げるのだか、今では式は一回だけと決めている所が多いようだが…ルーベンス家がどうするのか…あの娘の事だ婚約指輪も欲しいだろう」
「……でも、フォスティヌの時は婚約指輪はなかった…」
「…親同士で決めた婚約でもあった…婚約指輪はないが結婚式と披露宴は盛大に挙げる話をしていた…お前とフォスティヌが住む屋敷も考えていた…」
「……」
フランシスは、父親から自分とフォスティヌの事を考えていたのだと聞き婚約破棄を早まった事に後悔していた。
(…フォスティヌに話さなければこのまま学園を卒業して結婚していたかもしれない…シャロンとの事も知られずにすんだかもしれないんだ…結婚したあとシャロンの事を話せば……)
ぶっぶっと一人言を言うフランシスに父親は心配していた。
「…婚約指輪はルーベンスの娘と相談するといい…お前が決めた婚約者だ…次は裏切るような事はするな…」
「……」
母親は父親とフランシスの会話を黙って聞いていた。








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