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抱きしめてくれる温もり②

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「……誰ですか?」
「「!?」」
メイドのソニアがフォスティヌを抱きしめている姿を見てブラッドに『誰ですか?』と声にだしていた。
「……前も同じ事を言われたような…」
「え?」
「ああ、いや、何でもない…放しても大丈夫そうだな」
「あ、はい…」
ブラッドはフォスティヌを抱きしめていた手を放しフォスティヌも騎士服から手を放した。
「あの…ブラッド先輩…騎士服が…」
フォスティヌは申し訳ないといった顔でブラッドに謝っていた。
「気にするなすぐに乾く」
「……」
メイドのソニアは二人の様子を見て知り合いだと分かった。
「あの…お嬢様とは……」
「ああ、同じ学園で顔見知りだ…フランシスと同期でもある」
「!そうだったのですか、私はフォスティヌお嬢様付きのメイドのソニアと申します」
メイドのソニアはブラッドに頭を下げて挨拶をした。
「その手に持っているのは、ホットドッグか?」
「はい、お嬢様が食したいと申されましたから」
「そうか、旨かっただろう?」
「えっ!?あ、はい…だからまた食べたいと思ってソニアに頼んだのです」
「……今日は一人でなくて良かった」
「え…」
笑みを見せるブラッドにフォスティヌは恥ずかしそうに目を逸らしていた。
(……心配してくれた?…って事なのかな……)
「…だが…何故、泣いていたんだ?」
ピクッとフォスティヌは体が揺れ顔を下に向けていた。
その様子を見ていたメイドのソニアが話し出していた。
「……実は…フランシス様からお嬢様の婚約破棄を申されたそうなんです…」
「何!?」
ブラッドはメイドのソニアからフランシスの婚約破棄を聞き驚いていた。
(あいつ…俺の返事を待っと言って……)
「ソ、ソニア…先輩に言わなくても……」
「いいえ、お嬢様。こればかりは私も言わずにはいられません!」
「……」
怒るメイドの姿を見ていたブラッドは『何があったんだ?』とメイドのソニアをじっと見てしまった。
「今日、フランシス様からお便りがありまして、お屋敷に向かいましたらフランシス様のお部屋に女性とご一緒だったようなのです。フランシス様はその女性と結婚いたしますとお嬢様に申されたそうなんです」
「!!……そうなのか?」
「……はい…兄様と同じ同期の方だと言われていました…『シャロン』と言っていたと思います…その人は別の人との結婚のお話があったと聞いて…私を…その男性と結婚して欲しいと兄様から言われました……」
「……」
「誰なのかも知らない人と結婚してくれと言われて…私は…兄様にとって……なんだろうって……」
「……フランシスはその男の名前を言わなかったのか?」
「はい……」
「はあ…あのバカ、名前ぐらい言っておけ」
「え?」
目に涙を溜めるフォスティヌにブラッドは頭をグシャと触りフォスティヌの前に膝をついた。
「どうしたのですか?」
「……その、男は俺の事だ…」
「え?」
フォスティヌは目の前で膝をついて同じ目線で話をするブラッドに茫然としていた。







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