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婚約者としての償い

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フランシスは城内の帰りに真っ直ぐシャロンの屋敷へと向かった
「フラン!」
「シャロン!」
屋敷の中でフランシスとシャロンは数日ぶりに会った。
「元気にしていたかい?」
「ええ、あなたも元気そうで良かったわ」
「…君のご両親に挨拶をしないと…」
「お父様もお母様も今は外出しているの」
「!じゃあ……」
笑顔を見せるフランシスにシャロンはクスッと笑みを見せていた
「君の部屋へ行きたいな…」
「もう、フランたら」
唇を重ねたフランシスとシャロンは階段を上りシャロンの部屋へと向かった。
部屋の前ではメイドが二人と執事が立って待っていた。
「お久しぶりでございます。フランシス様」
「ああ、シャロンの部屋へ入りたい。両親が戻って来たら知らせて欲しい」
フランシスはいつものように金貨を執事とメイドに渡そうとした
「申し訳御座いませんフランシス様。お受け取り出来ません」
「!?何故だ?いつも渡している金額だが…」
「旦那様が、フランシス様をシャロンお嬢様のお部屋にお通しをお断りするようにと申されております」
「は?」
「えっ!?……どうして?フランはわたくしと交際しているのよ。」
シャロンは『何故?』と執事に声を上げフランシスを部屋に入れるように言った。
「申し訳御座いません、フランシス様は『婚約者』では御座いませんとわたくし達はお聞きしておりますので、お部屋に入りましてもお二人にしてはいけませんと旦那様から言われております。」
「……」
「……」
フランシスとシャロンは執事から聞かされ部屋に行くのを諦めた二人は沈んでいた。
「…散歩は良いでしょう?」
「メイドをお付けいたしますが」
「良いわよそれでも…行きましょうフラン…」
「……ああ」
フランシスとシャロンはメイドを四人連れての散歩となった。
「……ごめんなさい…お父様がここまでするなんて…」
「…君が謝る事はないよ……早くブラッドに会わないと…」
「何故フランが彼と会わなくてはならないの?」
「ブラッドに婚約者がいるのか知りたいんだ」
「でも、彼は…お父様が言われたように婚約者が…」
フランシスは歩く足を止め暫く黙ったまま下を向く姿をシャロンは『どうしたの?』と、声をかけようとした。
「……もし、ブラッドに婚約者がいないのなら…フォスティヌをブラッドの元へ行かせたいと思っているんだ……」
「えっ!?」
はぁ…と小さく息を吐いたフランシスは空を見上げていた。
「……やっと、君にも言えた…これで、フォスティヌに話ができる……」
「…フラン……」
フランシスはシャロンを抱きしめフォスティヌに婚約破棄を伝える覚悟ができた。
「……でも、もしもブラッド君に婚約者がいると分かったら…彼女はどうするの?…」
「僕が、彼女の伴侶を捜してあげたいんだ…僕がフォスティヌにしてあげたい償いだと思っている……君には暫く無理をさせてしまうかもしれないけど…」
「ううん…わたくしも一緒に償うわ」
「シャロン……」
フランシスは、今夜両親にフォスティヌの婚約破棄を伝え明日フォスティヌの屋敷へ向かう事を話しをした。



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