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父と兄に見られながら…

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「ウィル、顔が赤いが大丈夫か?」
「えっ、だ、大丈夫です…」
俺とジル王子の前に座る王様が声をかけ、今の俺のウィルの笑顔は、苦笑いをしていると思う…最近、色んな事がありすぎて天使のウィルが俺のせいで崩れているんじゃないかと思う今日この頃…ついさっきまではジル王子と…こんな事がシェル王子とニックに知れたら…俺はどうしたらいいんだ…
「どうした?ウィル」
スッと指が頬を触るジル王子に、さっきまで俺にあんな事やこんな事や誘うような声をかけていたのが嘘のように普通に接してくるのがちょっとムカついた…
「…なんでもありません」
プイッと顔を逸らした俺は、不貞腐れているんだと自分でも自然と出てしまったようで、後から(あちゃ~っ)と思い何も言ってこないジル王子をチラッと見た。
「クッ…」
「な…なんで笑って…コホン!ジル兄様、笑うなんて失礼です僕は……!?」
ジーッ…と満面の笑顔を見せるジル王子に俺は言葉を失い、今の俺は顔が火照るように熱かった。
「私がどうした?ウィル」
「ぅ…そ…その笑顔反則です!何も言えなくなります…」
クスクスと笑みを見せるジル王子は、俺の手を取り「小さいな」と言うと俺は「すぐに大きくなります」と言い返した。
(な、なんで手を掴むんだ?ほらっ、王様が変な顔でこっちを見て…あっ、イケメン王様に変な顔と言ってしまった。心の中だから大丈夫だろう)
「……」
俺達の会話をジッと見る王様は不思議そうな顔をして俺とジル王子に声をかけた。
「……お前達、いつの間にそんなに仲が良くなっていたのだ?」
「おかしいか?」
「い、いや…喜ばしい事だが…今までが今までだからな…」
王様がマジマジと俺とジル王子を見ているから気まずい…
(そうだよな…ウィルが俺と替わる前に話して欲しかったし…もし俺とウィルが入れ替わらなくてもジル王子はウィルに心を広げてくれたかな…)
「…ジル、私に席をかわってくれるか?」
「何故だ?」
「何故…私が来るまでウィルと一緒だっただろう。それにウィルは私に会いに来てくれたのだ!父親に席を譲るべきではないのか?!」
「……」
ジー…とまるで睨み合うみたいな父と兄に俺は??が頭の中に浮かび、俺はシェル王子とジル王子の睨み合っていた時を思い出しブルッと震えた……お漏らしはしていない…
「…ぼ、僕、父様とジル兄様が一緒に座る所が見たいな?」
「「?!」」
「二人がお茶を飲んでいるのを見たいから…」
「そ、そうか…だが私はウィルの隣で飲みたいのだが…まぁ、ウィルの頼みなら仕方あるまい。ジル、私の隣へ来るといい」
「……」
チラッと俺の方を見たジル王子に笑顔を向け「はぁ」と声を出したジル王子は、ソファーから離れ王様の隣に座り腕と足を組んで不機嫌そうな顔で俺の方を見た。
(…な…なんだ?さっきまでの甘い態度がグルッと回転して苦い態度に変わったんだけど?!)
俺は「一緒に座る所が見たいな」と言った事に後悔して、暫くジ~~ッと俺を見る王様とジル王子に口元がピクピクと動く笑顔を向けた俺は、早くポットとカップを持って来てくれるメイドを待った。










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