兄たちが弟を可愛がりすぎです

クロユキ

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マッサージ再開⑦

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「こちらの毛を付けました棒は緊張を解します効果がありますようで、こちらの布を巻きました棒では足の裏の血行を良く致します働きがあるようです。ウィル様がその例で御座います」
「そうか…」
「……」
(俺は医師じぃさんの実験台かよ!)
ジル王子は、医師じぃさんから二本の手作り棒を見て説明を聞き頷く姿を見せていた…
「だが、何故棒でマッサージをする?普通は手を使うのではないのか?」
「手を使いますとウィル様が痛いと申されましたので、他にマッサージが出来ます物は無いのかと思いましたところ、騎士学校に行きましたときに先生が棒を持ちまして、ご自分の肩を叩いていますのを見まして思い付いたのです」
「……」
(医師じぃさん…学校の先生が肩を叩く棒を見て、なんでウィルのマッサージに繋がるんだよ?)
「ウィル」
「えっ、あ、はい…」
じっと見ている青い目に一瞬ドキッとしてしまった。
「私もマッサージをしても良いか?」
「へ?えっ!?なんで?」
「心配する事は無い、マッサージは初めてではない」
「…し、心配は…き、今日は疲れたかな~って…もう良いかな~って…えへへ…」
俺は苦笑いのような笑顔をジル王子に向け、仰向けに寝かされた足を庇うように手をパタパタと振っていた。
「…ふっ、笑い疲れたの言い間違いでは無いのか?」
「うっ、え…えっと、医師様の手作り棒でのマッサージは初めてではないのですか?」
「ああ、お前が棒でのマッサージが嫌であれば普通にマッサージをするとしょう」
「……」
(『イヤならマッサージはしない』とは言わないんだな…)
「……軽く解して欲しいです…」
俺は観念してマッサージをジル王子に任せる事にした。
「ああっ」
「ジル様、棒はお使いにならないのですかな?」
「初めは私の手で解してみよう」
「分かりました。もし、必要でありましたら申して下さい、ほっほっほっ」
ジル王子は医師じぃさんと話し終え、着ていた騎士服を脱ぎ白いシャツの袖を曲げ始めていた。
(やる気まんまんです~っみたいに騎士服脱いでんだけど…シェル王子みたいに擽り攻撃はしないと思うんだけど…なんで兄弟揃ってマッサージしたいのかよく分かんないな…)
「準備は良いか?ウィル」
「えっ、う、うん…」
第二段のマッサージが始まろうとしていた…






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