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シェル王子の部屋④
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「そうですか、春人からのお茶なのですねウィル」
「はい、僕も飲みましたがとっても美味しいです。まさか、騎士学校でお茶が飲めるなんて思っていなかったです。」
「ウィルがとても美味しいと言うのですから、今から頂きますのが楽しみです」
ニコニコと俺とシェル王子は笑顔で話し、俺は手に持っているお茶の葉が入っている缶をシェル王子に見せた。
「兄様この缶の中に茶っ葉が入っています。見てみますか?」
「ええっ」
パカッと缶の蓋を取った俺はシェル王子にお茶の葉を見せた。
「…緑の葉なのですね、紅茶とは違います色をしていますし香りも…紅茶のように爽やかな匂いではありませんね…」
「葉っぱの匂いに似ているでしょう?」
「そ、そうですね…私達が良く見ます緑の景色と言いましょうか…ウィルはこの緑の葉が好きなのですか?」
「はい、好きですシェル兄様」
「……」
笑顔で茶っ葉が好きだと言うとシェル王子のため息が聞こえた
「…はぁ、私はお茶の葉に成りたいです…」
「?」
「何でもありません…ウィル貴方はこのお茶の葉を医務室の先生に頂きましたと聞きましたが、名前は聞きましたか?」
「はい、アンドレ先生です」
「アンドレ医師…初めて聞く名前です。私が騎士学校を卒業しました後に入りました先生でしょう」
「あっ、シェル兄様、僕アンドレ先生のお茶仲間になったんです」
「お茶仲間…ですか?」
シェル王子は首を傾げ顔が真顔になっていた…
「うん、このお茶を飲みほしたのは僕が初めてで、皆苦手だと言って飲まない人が多いんだって、医師様も苦手だと笑っていました」
「…皆さんが苦手と言います程…凄い味なのですか?」
シェル王子が飲む前から考え事をするような気難しい顔になり、茶っ葉が入った缶をジーと見て、俺はシェル王子にお茶を飲む前から話してはいけないことを話したような気がして…まずは飲んで貰うため笑顔を向けた。
「シ、シェル兄様まずは飲んでみて下さい」
「……私一人で飲むのですか?ウィルは飲まないのですか?」
「クスッ、僕も飲みますからそんな不安な顔はしないでシェル兄様」
「っ…いえ、私は不安などありません…ウィルが美味しいと言っていますお茶には…」
落ち着かないのか、腕を組んで顔を逸らしているシェル王子を見て俺は、テーブルの上に置いてあるポットにスプーンを持ちお茶の葉を入れた。
「一杯、二杯、三杯…四…あれ?」
「!?ち…ま、待ってくださいウィル、貴方何杯お茶の葉を入れるのですか?!」
シェル王子が慌ててお茶の葉を入れる俺を止めた。
俺はポットの中を覗き込み山盛りになっている茶の葉を見て苦笑いをした。
「えへへへ、入れすぎたかも~でも、これはこれで味が出て美味しいと思うからお湯を入れて良いかも」
「『良いかも』ではありません、紅茶と同じ分量ではありませんか?」
「え?紅茶の葉は入れた事がないから分かんないけど?」
(パックに入っているのしか見たことないしな)
「…はぁ…私にポットを渡して下さい」
「はい」
俺はポットの中に四杯以上入れた葉っぱをシェル王子に渡しポットの中を覗き込んでいた。
「ぶふ…」
「…どうして笑うのですか?ウィル」
「えっ、ポットの中をウィンクして覗いているから」
「……はぁ、ウィルこのお茶の葉の量は少なくしても良いのですか?」
「え、はい、多分多く入れたと思うからシェル兄様が『このくらいかな?』と思う量で良いと思います」
「……適当にと言いましょうか…紅茶と同じで宜しいのでしょうか?」
「それで良いと思います。シェル兄様」
「……」
ため息を吐いたシェル王子は、ポットの中に入っているお茶の葉を缶の中に入れ、俺に『このくらいですか?』と減らしながら聞き、俺もどのくらいの量で良いのか分からないから紅茶を飲み慣れているであろうシェル王子に任せ、いよいよお茶タイムの時間になった。
「はい、僕も飲みましたがとっても美味しいです。まさか、騎士学校でお茶が飲めるなんて思っていなかったです。」
「ウィルがとても美味しいと言うのですから、今から頂きますのが楽しみです」
ニコニコと俺とシェル王子は笑顔で話し、俺は手に持っているお茶の葉が入っている缶をシェル王子に見せた。
「兄様この缶の中に茶っ葉が入っています。見てみますか?」
「ええっ」
パカッと缶の蓋を取った俺はシェル王子にお茶の葉を見せた。
「…緑の葉なのですね、紅茶とは違います色をしていますし香りも…紅茶のように爽やかな匂いではありませんね…」
「葉っぱの匂いに似ているでしょう?」
「そ、そうですね…私達が良く見ます緑の景色と言いましょうか…ウィルはこの緑の葉が好きなのですか?」
「はい、好きですシェル兄様」
「……」
笑顔で茶っ葉が好きだと言うとシェル王子のため息が聞こえた
「…はぁ、私はお茶の葉に成りたいです…」
「?」
「何でもありません…ウィル貴方はこのお茶の葉を医務室の先生に頂きましたと聞きましたが、名前は聞きましたか?」
「はい、アンドレ先生です」
「アンドレ医師…初めて聞く名前です。私が騎士学校を卒業しました後に入りました先生でしょう」
「あっ、シェル兄様、僕アンドレ先生のお茶仲間になったんです」
「お茶仲間…ですか?」
シェル王子は首を傾げ顔が真顔になっていた…
「うん、このお茶を飲みほしたのは僕が初めてで、皆苦手だと言って飲まない人が多いんだって、医師様も苦手だと笑っていました」
「…皆さんが苦手と言います程…凄い味なのですか?」
シェル王子が飲む前から考え事をするような気難しい顔になり、茶っ葉が入った缶をジーと見て、俺はシェル王子にお茶を飲む前から話してはいけないことを話したような気がして…まずは飲んで貰うため笑顔を向けた。
「シ、シェル兄様まずは飲んでみて下さい」
「……私一人で飲むのですか?ウィルは飲まないのですか?」
「クスッ、僕も飲みますからそんな不安な顔はしないでシェル兄様」
「っ…いえ、私は不安などありません…ウィルが美味しいと言っていますお茶には…」
落ち着かないのか、腕を組んで顔を逸らしているシェル王子を見て俺は、テーブルの上に置いてあるポットにスプーンを持ちお茶の葉を入れた。
「一杯、二杯、三杯…四…あれ?」
「!?ち…ま、待ってくださいウィル、貴方何杯お茶の葉を入れるのですか?!」
シェル王子が慌ててお茶の葉を入れる俺を止めた。
俺はポットの中を覗き込み山盛りになっている茶の葉を見て苦笑いをした。
「えへへへ、入れすぎたかも~でも、これはこれで味が出て美味しいと思うからお湯を入れて良いかも」
「『良いかも』ではありません、紅茶と同じ分量ではありませんか?」
「え?紅茶の葉は入れた事がないから分かんないけど?」
(パックに入っているのしか見たことないしな)
「…はぁ…私にポットを渡して下さい」
「はい」
俺はポットの中に四杯以上入れた葉っぱをシェル王子に渡しポットの中を覗き込んでいた。
「ぶふ…」
「…どうして笑うのですか?ウィル」
「えっ、ポットの中をウィンクして覗いているから」
「……はぁ、ウィルこのお茶の葉の量は少なくしても良いのですか?」
「え、はい、多分多く入れたと思うからシェル兄様が『このくらいかな?』と思う量で良いと思います」
「……適当にと言いましょうか…紅茶と同じで宜しいのでしょうか?」
「それで良いと思います。シェル兄様」
「……」
ため息を吐いたシェル王子は、ポットの中に入っているお茶の葉を缶の中に入れ、俺に『このくらいですか?』と減らしながら聞き、俺もどのくらいの量で良いのか分からないから紅茶を飲み慣れているであろうシェル王子に任せ、いよいよお茶タイムの時間になった。
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