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ヤスミン嬢から逃げて
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ヤスミン嬢と離れたシェル王子とカイザック王子は、ウィル王子の部屋へと向かっていた。
「ヤスミン嬢は諦めて行ったかもな」
「はあ~っ…」
シェル王子は手を額にやると大きなため息を出していた。
「…結構褒めていたなヤスミン嬢…誰が見ても分かると言うか…どうすんだシェル兄」
「どうすると言われましても、まだ何も言われていませんよ」
「今から言い寄って来るかも知れないだろう?」
「私には関係ありませんよ」
「それはそうだけど…シェル兄は優しすぎなんだよだから女が寄って誤解まで受け…あ!」
「……」
バッと口を押さえたカイザック王子は、隣を歩くシェル王子の顔をチラッと見てガシガシと頭を触り息を吐いた。
「わ、悪いシェル兄…」
「貴方が謝る事はありません、私は女性に優しくしている積もりはありませんが?」
「いや…笑顔で話しかけているだろう。それが女達に好感度をあげていると言うか…」
「では、怒った顔を見せたら良いのでしょうか?それともジルのように不機嫌さが出ました方が良いのでしょうか?」
「…いや…何もそこまでしなくても…」
「ふふっ、こんな事を言いますとジルから叱りを受けてしまいますね…」
「……ヤスミン嬢も分かっていると思うが、側室でも父上の奥さんだからな…弁えているといいが…」
「お話しをするだけでしたら私は何も言いません」
「そうだけどさ…何かあった場合が…今夜護衛を増やした方がいいんじゃないのか?」
「大袈裟すぎますよ…はぁ…」
「はははは、確かに」
シェル王子とカイザック王子は声を上げて笑い、ウィル王子の部屋に近くまで来ていた。
「ところで、ウィルに用があったのか?」
「ウィルの顔を見に行くだけです」
「俺は、ヤスミン嬢から離れる為ウィルの部屋に行くと思った」
「ふふふ、それもありますがウィルに会いたいのは本当ですよ」
ウィル王子の部屋の前にはレオン護衛騎士とトーマス護衛騎士が立っていた。
「お疲れ様です。ウィル王子は居ますか?」
「は!お疲れ様です。シェル騎士団長、カイザック副団長」
「お疲れ様です。シェル騎士団長、カイザック副団長」
シェル王子とカイザック王子はウィル王子の部屋に入り部屋の中ではメイドのマリアがいた。
「シェル様、カイ様」
メイドのマリアは部屋の中に入った二人の王子に頭を下げた。
「ご苦労様です。マリア、ウィルは……」
「まだ、お目覚めにはなっていません」
シェル王子はマリアからウィル王子が起きていないと話し、二人の王子はベッドの上で眠るウィル王子の寝顔を見ていた。
「ははは、ぐっすり寝ているなウィルは」
「ふふっ、そうですね…食事部屋へ行くのを止め、ウィルの寝顔を見ていたいものです」
「そうだよな~っ」
二人の王子はやんわりとした顔を見せ見下ろしていた。
「…う…ん…んんん~~~っと…良く寝……へ!?」
俺は思いっきり両手を広げてバンザ~イして見上げると、シェル王子とカイザック王子が見下ろしニコニコ笑顔で俺を見ていた。
「……シェル…兄様?…ザック兄様…いつの間に…」
「御早う御座いますウィル、可愛い寝顔でしたよ」
「なんだもう目が覚めたのか、まだ寝て良いぞウィル」
「カイ様、夕食の時間が遅くなります」
「え…夕食…あっ、僕まだ夕食がまだだったんだ。シェル兄様が「おはよう」と言ったので朝に成ったのかと思った~っ、でも、どうして兄様達が部屋に居るの?」
俺はベッドから起き上がり二人の兄王子を見上げた。
「お前の護衛騎士を決めた帰りに寄った」
「え!?僕の護衛騎士ですか?」
「ええ、数日間ですが、レオン護衛騎士とトーマス護衛騎士と同じ数日ですが護衛騎士を新たに増やしました。明日、部屋へ挨拶に向かいます」
(まさか、護衛が増えるとは思ってなかったな朝と夜に決めてんだろうな…レオンさんとトーマスさんを一日中働かせる訳にもいかないし…でもそれなら担当の騎士でも良かったんじゃないのか?学校の日直みたいに毎日違う騎士が来てさ……)
「…シェル兄様、ニックはいつ戻るのですか?」
『え?』と少し驚く顔をしたシェル王子は俺の顔を見て苦笑いのような笑みを見せていた。
「…心配しなくても後、数日で護衛に戻りますよ」
「そうだったな、ニック騎士は今巡回任務に成っていたな…この前巡回上司のマット騎士が、騎士仲間もできたようで夜間の仕事も頑張っていると聞いたぞ」
「良かった…向こうでも頑張っているみたいで安心した」
「そうですか…彼は護衛ではなく巡回騎士が似合うのかもしれませんね」
「もう、シェル兄様」
「ふふふふ」
『冗談ですよ』と笑みを見せるシェル王子…王子達と話しをしてマリアさんが夕食の準備を始め、シェル王子とカイザック王子はウィルの部屋を出た。
(あっ、カイザック王子にお茶誘うの忘れた…まあ、会った時に言えばいっか)
「ヤスミン嬢は諦めて行ったかもな」
「はあ~っ…」
シェル王子は手を額にやると大きなため息を出していた。
「…結構褒めていたなヤスミン嬢…誰が見ても分かると言うか…どうすんだシェル兄」
「どうすると言われましても、まだ何も言われていませんよ」
「今から言い寄って来るかも知れないだろう?」
「私には関係ありませんよ」
「それはそうだけど…シェル兄は優しすぎなんだよだから女が寄って誤解まで受け…あ!」
「……」
バッと口を押さえたカイザック王子は、隣を歩くシェル王子の顔をチラッと見てガシガシと頭を触り息を吐いた。
「わ、悪いシェル兄…」
「貴方が謝る事はありません、私は女性に優しくしている積もりはありませんが?」
「いや…笑顔で話しかけているだろう。それが女達に好感度をあげていると言うか…」
「では、怒った顔を見せたら良いのでしょうか?それともジルのように不機嫌さが出ました方が良いのでしょうか?」
「…いや…何もそこまでしなくても…」
「ふふっ、こんな事を言いますとジルから叱りを受けてしまいますね…」
「……ヤスミン嬢も分かっていると思うが、側室でも父上の奥さんだからな…弁えているといいが…」
「お話しをするだけでしたら私は何も言いません」
「そうだけどさ…何かあった場合が…今夜護衛を増やした方がいいんじゃないのか?」
「大袈裟すぎますよ…はぁ…」
「はははは、確かに」
シェル王子とカイザック王子は声を上げて笑い、ウィル王子の部屋に近くまで来ていた。
「ところで、ウィルに用があったのか?」
「ウィルの顔を見に行くだけです」
「俺は、ヤスミン嬢から離れる為ウィルの部屋に行くと思った」
「ふふふ、それもありますがウィルに会いたいのは本当ですよ」
ウィル王子の部屋の前にはレオン護衛騎士とトーマス護衛騎士が立っていた。
「お疲れ様です。ウィル王子は居ますか?」
「は!お疲れ様です。シェル騎士団長、カイザック副団長」
「お疲れ様です。シェル騎士団長、カイザック副団長」
シェル王子とカイザック王子はウィル王子の部屋に入り部屋の中ではメイドのマリアがいた。
「シェル様、カイ様」
メイドのマリアは部屋の中に入った二人の王子に頭を下げた。
「ご苦労様です。マリア、ウィルは……」
「まだ、お目覚めにはなっていません」
シェル王子はマリアからウィル王子が起きていないと話し、二人の王子はベッドの上で眠るウィル王子の寝顔を見ていた。
「ははは、ぐっすり寝ているなウィルは」
「ふふっ、そうですね…食事部屋へ行くのを止め、ウィルの寝顔を見ていたいものです」
「そうだよな~っ」
二人の王子はやんわりとした顔を見せ見下ろしていた。
「…う…ん…んんん~~~っと…良く寝……へ!?」
俺は思いっきり両手を広げてバンザ~イして見上げると、シェル王子とカイザック王子が見下ろしニコニコ笑顔で俺を見ていた。
「……シェル…兄様?…ザック兄様…いつの間に…」
「御早う御座いますウィル、可愛い寝顔でしたよ」
「なんだもう目が覚めたのか、まだ寝て良いぞウィル」
「カイ様、夕食の時間が遅くなります」
「え…夕食…あっ、僕まだ夕食がまだだったんだ。シェル兄様が「おはよう」と言ったので朝に成ったのかと思った~っ、でも、どうして兄様達が部屋に居るの?」
俺はベッドから起き上がり二人の兄王子を見上げた。
「お前の護衛騎士を決めた帰りに寄った」
「え!?僕の護衛騎士ですか?」
「ええ、数日間ですが、レオン護衛騎士とトーマス護衛騎士と同じ数日ですが護衛騎士を新たに増やしました。明日、部屋へ挨拶に向かいます」
(まさか、護衛が増えるとは思ってなかったな朝と夜に決めてんだろうな…レオンさんとトーマスさんを一日中働かせる訳にもいかないし…でもそれなら担当の騎士でも良かったんじゃないのか?学校の日直みたいに毎日違う騎士が来てさ……)
「…シェル兄様、ニックはいつ戻るのですか?」
『え?』と少し驚く顔をしたシェル王子は俺の顔を見て苦笑いのような笑みを見せていた。
「…心配しなくても後、数日で護衛に戻りますよ」
「そうだったな、ニック騎士は今巡回任務に成っていたな…この前巡回上司のマット騎士が、騎士仲間もできたようで夜間の仕事も頑張っていると聞いたぞ」
「良かった…向こうでも頑張っているみたいで安心した」
「そうですか…彼は護衛ではなく巡回騎士が似合うのかもしれませんね」
「もう、シェル兄様」
「ふふふふ」
『冗談ですよ』と笑みを見せるシェル王子…王子達と話しをしてマリアさんが夕食の準備を始め、シェル王子とカイザック王子はウィルの部屋を出た。
(あっ、カイザック王子にお茶誘うの忘れた…まあ、会った時に言えばいっか)
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