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騎士学校への訪問者⑧
しおりを挟む「だがウィル、何故騎士学校の医務室にいる?」
「あっ、医師様が騎士学校に用があると言っていたので僕も一緒に行く事に成ったのです。学校の様子とか見てみたいな~と思って来ました」
「……学校を見てどう思った」
「えっ…まだ僕より上の先輩達を見掛けただけなのですが…僕と余りかわらない生徒が沢山いて僕も学校へ行けたら良いな~と思いました。でも僕はまだ準備が出来ていないので、遅れても良いので学校へ行きたいと思いました」
(ウィルの身体でどれ程体力が持てるのか分からないけど、学校へ行きたいしとにかく友達が出来たら良いなと思っている。問題は勉強だよな……まず文字の勉強から始まんないといけないのがキツイ…ウィルの記憶力に期待するしかないよな…でもさ、神経や精神とか俺の意思で動いているんだよな!?最悪の場合頭の中が俺春人となると心配なんだよな……)
「う~ん…」
俺は目を閉じて考え事をしていたようでトン!と指先が眉間に触れ押されているのに気付いた俺は、閉じていた瞼を開き顔が近くまで寄っていたジル王子に目が見開いて見てしまった。
「……ジ…」
「何を気難しい顔をしている?眉間にシワが寄っていたぞ」
「えっ……」
クスッと笑顔を見せるジル王子を見て俺は顔が火照り、まさかジル王子から『眉間にシワが寄って気難しい顔をしている』と言われるとは思いもしなかった。
(なんだよその笑顔は…俺に…ウィルに告白してスッキリしましたの顔を見せてさ…俺なんて王子達の告白を受けてどうしたら良いのかグルグルと悩んでんのに……それにニックの事も…)
「…学校は騎士学校とは限らない、勉学に進みたいのなら学園に通う事も出来る」
「学園ですか?」
「ああ、騎士の中でも学園から騎士に上がる者もいる」
「学園から…」
(……ニックが確か学園から騎士学校へ入ったとか言っていたっけ、今度ニックに学園の事訪ねてみようかな)
俺は、さっきから黙って俺とジル王子を見ているメルシエの方へ顔を向けた時、メルシエは俺の方を見ているのではなくジル王子をじっと見ているようだった。
「メルシエ先輩、聞いても良いですか?」
「え?あっ、何…?」
「学校生活はどんな感じですか?」
「……えっ…学校生活……そうだね…友達と別れてまだその友達の事が気になっている自分が嫌だと思う事かな……」
「?喧嘩別れをしたと言う事ですか?」
「えっ、あっ、なんでもないごめんね変な話しをして、学校生活は楽しいよ。でも剣稽古の時運動場を走らされるのはちょっと…ははは」
「あの先生は昔からそうだ」
「えっ!?あ、あの…ジル王子、リアム先生をご存知なのですか?」
「ああっ、私もこの騎士学校の卒業生だからなあの先生の授業には思い出深い」
「卒業生だったのですか?!ジル王子」
「ええっ!?ジル兄様学校に行っていたのですかーっ!?」
「……二人で何故驚く…」
「ぷっ」
「「「!?」」」
俺とジル王子そしてメルシエ三人同時に離れで笑う声が聞こえ振り向いた。
「えっ……あ、失礼しましたジル様」
声を出して笑っていたのはジル王子の護衛騎士の一人ブランさんだった。
(ブランさんが笑った?珍しいな…俺が見た事があるブランさんはいつもジル王子を気に掛けている様子で、あの庭園で一緒にお茶をして以来自然と笑う姿を見た事がなかったな…護衛騎士の人達もなんか変わったのかな?)
「あの…お話しの所申し訳御座いません…直ぐに戻りますので暫くお待ち下さい」
「ああっ、すまない部屋を出る所だったな私達の事は気にせずに」
「はい、有り難う御座います。ウィル王子暫く待っていて下さい」
「はい」
アンドレ先生が扉の前に立った時コンコンと扉を叩く音がしてまた誰か来たと思った。
カチャとアンドレ先生が扉を開けるとレオンさんとマリアさんが扉の前に立っていた。
「あっ、アンドレ先生お待たせ致しました。ウィル王子は……え?」
レオンさんが俺の方を見て驚いた顔をしているのが見え、その後ろをマリアさんが「レオン様どうしたのですか?」と声を掛けてアンドレ先生の方を見て頭を下げた後、俺の方へ顔を向け「ウィル様……え?」とレオンさんと同じ表情を見せて二人とも扉の前で立ち止まっていた。
(ははは、驚くだろうな…此処に来るはずのない人が来て、俺と一緒に並んでベッドの上に座って居るのを見たら誰でも驚くだろうな……)
「あっ、医師様が騎士学校に用があると言っていたので僕も一緒に行く事に成ったのです。学校の様子とか見てみたいな~と思って来ました」
「……学校を見てどう思った」
「えっ…まだ僕より上の先輩達を見掛けただけなのですが…僕と余りかわらない生徒が沢山いて僕も学校へ行けたら良いな~と思いました。でも僕はまだ準備が出来ていないので、遅れても良いので学校へ行きたいと思いました」
(ウィルの身体でどれ程体力が持てるのか分からないけど、学校へ行きたいしとにかく友達が出来たら良いなと思っている。問題は勉強だよな……まず文字の勉強から始まんないといけないのがキツイ…ウィルの記憶力に期待するしかないよな…でもさ、神経や精神とか俺の意思で動いているんだよな!?最悪の場合頭の中が俺春人となると心配なんだよな……)
「う~ん…」
俺は目を閉じて考え事をしていたようでトン!と指先が眉間に触れ押されているのに気付いた俺は、閉じていた瞼を開き顔が近くまで寄っていたジル王子に目が見開いて見てしまった。
「……ジ…」
「何を気難しい顔をしている?眉間にシワが寄っていたぞ」
「えっ……」
クスッと笑顔を見せるジル王子を見て俺は顔が火照り、まさかジル王子から『眉間にシワが寄って気難しい顔をしている』と言われるとは思いもしなかった。
(なんだよその笑顔は…俺に…ウィルに告白してスッキリしましたの顔を見せてさ…俺なんて王子達の告白を受けてどうしたら良いのかグルグルと悩んでんのに……それにニックの事も…)
「…学校は騎士学校とは限らない、勉学に進みたいのなら学園に通う事も出来る」
「学園ですか?」
「ああ、騎士の中でも学園から騎士に上がる者もいる」
「学園から…」
(……ニックが確か学園から騎士学校へ入ったとか言っていたっけ、今度ニックに学園の事訪ねてみようかな)
俺は、さっきから黙って俺とジル王子を見ているメルシエの方へ顔を向けた時、メルシエは俺の方を見ているのではなくジル王子をじっと見ているようだった。
「メルシエ先輩、聞いても良いですか?」
「え?あっ、何…?」
「学校生活はどんな感じですか?」
「……えっ…学校生活……そうだね…友達と別れてまだその友達の事が気になっている自分が嫌だと思う事かな……」
「?喧嘩別れをしたと言う事ですか?」
「えっ、あっ、なんでもないごめんね変な話しをして、学校生活は楽しいよ。でも剣稽古の時運動場を走らされるのはちょっと…ははは」
「あの先生は昔からそうだ」
「えっ!?あ、あの…ジル王子、リアム先生をご存知なのですか?」
「ああっ、私もこの騎士学校の卒業生だからなあの先生の授業には思い出深い」
「卒業生だったのですか?!ジル王子」
「ええっ!?ジル兄様学校に行っていたのですかーっ!?」
「……二人で何故驚く…」
「ぷっ」
「「「!?」」」
俺とジル王子そしてメルシエ三人同時に離れで笑う声が聞こえ振り向いた。
「えっ……あ、失礼しましたジル様」
声を出して笑っていたのはジル王子の護衛騎士の一人ブランさんだった。
(ブランさんが笑った?珍しいな…俺が見た事があるブランさんはいつもジル王子を気に掛けている様子で、あの庭園で一緒にお茶をして以来自然と笑う姿を見た事がなかったな…護衛騎士の人達もなんか変わったのかな?)
「あの…お話しの所申し訳御座いません…直ぐに戻りますので暫くお待ち下さい」
「ああっ、すまない部屋を出る所だったな私達の事は気にせずに」
「はい、有り難う御座います。ウィル王子暫く待っていて下さい」
「はい」
アンドレ先生が扉の前に立った時コンコンと扉を叩く音がしてまた誰か来たと思った。
カチャとアンドレ先生が扉を開けるとレオンさんとマリアさんが扉の前に立っていた。
「あっ、アンドレ先生お待たせ致しました。ウィル王子は……え?」
レオンさんが俺の方を見て驚いた顔をしているのが見え、その後ろをマリアさんが「レオン様どうしたのですか?」と声を掛けてアンドレ先生の方を見て頭を下げた後、俺の方へ顔を向け「ウィル様……え?」とレオンさんと同じ表情を見せて二人とも扉の前で立ち止まっていた。
(ははは、驚くだろうな…此処に来るはずのない人が来て、俺と一緒に並んでベッドの上に座って居るのを見たら誰でも驚くだろうな……)
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