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ウィル王子と食後のデザート⑪

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「それではウィル王子わたくしは失礼致します、シェル様を御願い致します」
「はい、分かりましたエリックさんお疲れ様です」
ニコッっと俺は満面の笑みをエリック騎士に見せ一瞬見開いた目をしたエリック騎士だったがスッと目を閉じ開けた時のエリック騎士は顔色も変えず頭を下げ部屋を出ていった。
俺は子供の笑顔には興味無いか……とちょっと落ち込んだ。
日本人の容姿に似ているエリック騎士に笑顔を見せれば話しやすいかなと思った…そんな事を考えていた時、もの凄い視線を感じた俺は視線の方へ顔を向けると、レオン騎士が嫌そうな顔を見せているのが分かり俺は「へ?」と思わず声を出してしまった。
「……レオンさんどうしたのですか?」
「えっ……あっ、はいどう致しました?ウィル王子」
レオンさんはまるで魔法にでも掛かったように一瞬にいつもの心配そうに見せる顔に戻っていた為、本人も分からずあの顔に成って居たのかな?と俺はニコッとレオンさんにいつもの笑顔を見せた。
レオンさんは「えっ?」と言った後頬が赤く成るのが分かりレオンさんも笑顔を見せていた。
やっぱ皆笑う顔は良いよな…そしてじっと見る視線にまた気付き今度はマリアさんが俺の顔をじっと見て声を出していた。
「これ以上増やさないで下さい」
「何を?」
俺は何を増やすんだ?と首を傾げていた時扉を叩く音が聞こえていた。
「失礼致しますウィル王子書物をお持ち致しました」
メイド二人が部屋の中に入ってきた。一人はガラスのポットに水が入り、ガラスのコップが二つもう一つのコップには見慣れた果汁が入っている飲み物を持ち、もう一人のメイドは両手に三冊から五冊程の薄い本を持ちメイド達は部屋の中に入り、椅子に座って居る俺の側に来て、テーブルの上に絵本?!と飲み物を置いていた。
「有り難う御座います」
俺はメイド達にニコッと微笑みメイド達は頬を赤く染め二人とも笑顔で返し頭を下げていた。
やっぱウィルの笑顔は最強だな、そういえばこの部屋化粧台があったよな……後でレオンさんに鏡の所まで連れて行って貰おうかな、俺もウィルの顔を見てみたい……俺はテーブルの上に置かれた本に手を伸ばそうとした。
「えっ?!」
「嘘っ!?」
っとメイド二人の声が聞こえ手を口元を押さえ、真っ赤な顔に笑顔で驚いている姿を見て、目線はベッドの上に眠っているシェル王子を見ての反応だった。
シェル王子は、今は服のボタンを外して居る為、肌が見える状態で白い肌と長い金色の髪が広がる姿は眠っている姿でも見惚れるほど綺麗な人だと思った。
メイド達が動く気配も無く見惚れているとマリアさんが、シェル王子が眠っているベッドの側に寄り肌が見えるシャツに手を掛け前開きのシャツを閉じると、くるっとメイド二人の方へ身体を向けた。
「御用が在りましたらまたお知らせしますお疲れ様です」
「えっ、あ、はい……分かりました……」
「また、御呼びください……」
マリアさんはメイド二人に声を掛けるとシェル王子が見えない位置に立ち、メイド達に見せる事無くメイド二人はチラッチラッと見ながら部屋を出ていった。
「……マリアさんってシェル兄様のメイド付き見たいに見えたけど……」
「そうですね…マリアさんは今幾つなのでしょうか…」
「僕がマリアさんの事も忘れて自己紹介の時、「十八歳です名前はマリアです」とパチッと片目を閉じて自己紹介していた記憶が……」
「えっ、私と同じ歳なのですね」
「レオンさん十八歳何ですか?!」
「はい…先月に誕生日をむかえました……」
「おめでとうございます!何かお祝いしたいですね」
「え、あ……お祝いだなんて……私は……」
「誕生日のお祝いはしましたか?」
「はい、私は騎士寮に居ますので同期の騎士仲間達と私の部屋で祝ってくれました……後片付けが大変でしたが……」
困った顔で笑顔を見せるレオンさんを見て仲間が居る事に羨ましいと思い、他にどんなお祝いがあったのか聞いたりもした。
俺とレオンさんが会話をしている姿を見ていたマリアさんが、シェル王子の眠るベッドの側でボソッと呟いた。
「シェル様、早く目を覚ましませんとウィル様が取られてしまいますわ~」
と、意味不明な事を言っていた。







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