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ウィル王子の部屋へ向かい

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「ウィル王子次は何を致しましょう」
メイドのコリンの尋ね事は相変わらず続いていた。
そして彼ニック騎士もウィル王子の部屋から出る準備をしていた
「それでは殿下私はこれで失礼致します。」
「うん、仕事終わりで疲れて居るのにごめんね、巡回の仕事頑張って」
「有り難う御座います。私の事は大丈夫ですまた巡回の仕事前に伺います」
「うん」
ニック騎士はウィル王子と会話を終えるとメイドのコリンの方へと顔を向けた。
「コリンさん殿下の御世話宜しく御願いします」
「は、はい、巡回の御仕事気を付けて下さい」
ニック騎士とメイドのコリンはお互い近距離で会話を交わしニック騎士は部屋を後にした。
ほう……と小さく息を吐き扉の前をじっと見つめるメイドのコリンは悩んでいた。
(ニック様を諦めていたけど目の前に居ると諦めきれず、それにウィル王子の優しさにも心が揺らいでいる、私よりも若いウィル王子この先が楽しみな方……ああっ、悩んでしまうわ)
頬に手を当て悩み喜んでいるメイドのコリンにウィル王子は声を掛けていた。
「コリンさんお願いが在ります僕の寝服を奥に在ります引き出しの中から取って来て貰えますか?今僕が着ている物と同じです」
「あっ、はい、分かりましたウィル王子」
パタパタと走るように歩くメイドのコリンは奥にある衣類を仕舞う棚を見つけ引き出しの中を開けた。
「……こ、これは……」
メイドのコリンは驚き固まってしまったようだ。
「ははは、驚いた?同じ寝服が何十着もあるでしょう!?でも触ると厚みが違うのが分かりますか?」
「えっ、生地の厚みですか?」
メイドのコリンは目の前の引き出しの中にある寝服を一枚ずつ触り確認していた。
「あら、此方の生地と此方の生地の厚みが違います……薄く感じます寝服の生地に厚みを感じます寝服が在ります……これは……」
「うん、季節事に寝服を揃えて居るんだ、春用、夏用、冬用と揃えて僕も知らなかったんだマリアさんが教えてくれたんだ」
(俺はこのパジャマの量を見て驚いた俺が着替えは在りますか?とマリアさんが引き出しから大量のパジャマを取り出すから途中ストップを掛けた程だった。この国ベルスタ王国は秋の季節が無い事をシェル王子から以前聞いた事があった。
シェル王子が「秋はどんなふうですか」と聞かれ思わず「食欲の秋」と答えてしまい笑われたけど、木の葉っぱが地面に落ち色んな色の葉っぱの道が出来ると言った時は、俺と一緒にその葉っぱの上を歩き寝転びたいと言って居たっけ……)
俺はシェル王子との秋の話しを思い出し思わず笑顔に成っていた。
「ウィル王子此方の寝服でよろしいですか?」
メイドのコリンが冬用の寝服を持ち俺のベッドの上に置いた。
「うん、有り難う」
「ウィル王子外出用の服は無いのですか?」
「えっ、あっ、うん僕はまだ外出出来る身体でもないから……」
ハッ……とメイドのコリンはウィル王子の今の身体を知り慌てるように頭を下げていた。
「も、申し訳御座いません……ウィル王子……」
「別に謝らなくても良いよ、それより食器類を厨房へ返してくれますか?」
「は、はい、分かりました」
メイドのコリンはワゴンに乗せた食器をガラガラと押し厨房へと向かっていた。

その頃廊下ではシェル王子にカイザック王子とメイドのマリアが一緒に歩いて居ると「シェル団長にカイザック副団長そしてマリアさん」声を掛けて来たのはレオン騎士とトーマス騎士だった。
「貴方方でしたか、トーマス騎士に御会いする事が出来たのですね」
「シェル騎士団長並びにカイザック副団長お疲れ様です」
ビシッ!と背筋を伸ばすトーマス騎士に「うおおっ!?」と驚くカイザック王子に「はぁ」と息を吐くシェル王子、そしてトーマス騎士をじっと見つめるメイドのマリアはトーマス騎士が少し苦手のようだ。
ぞろぞろと三人から五人へと増え廊下を擦れ違う騎士やメイド達は頭を下げ真ん中を歩くシェル王子達は会話をしながら歩くとふと前方から頭を下げる一人の騎士が廊下の隅に立っていた。
「あら!」
メイドのマリアの声に気付いた四人の王子と騎士達は他の騎士達より目立つグリーン色の騎士服を着るニック・ライナス騎士が立っている事に気が付いた。
「ニック・ライナス……」
最初に声を出したのはシェル王子だった。










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