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ウィル王子の部屋へ

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「う……ん……」
ビクッと声が聞こえる度にビクつく俺は、あの後眠る事が出来なかった……俺は今までベッドの中で眠る事が出来ず俺の隣でスヤスヤと眠るウィルの父親王様の寝顔をずっと見ていた。
と言うか眠れない……俺は仰向けで寝ていた身体を起こす前に、俺を抱き締めて眠る王様に固まり、モゾモゾと動き王様の腕を俺の身体からソッと放し時々聞こえる声に驚きながら、王様の身体が自分でゴロンと動いた為俺の側から離れホッとした俺は身体を起こしボ~ッと朝がきた窓を眺めていた。
「……普通の親子なら別に意識しないで寝るけどな…」
俺の方へ顔を向けて寝る王様はウィルの兄達の中でシェル王子の顔に似ている、シェル王子の寝顔は見た事は無いが王様に似ているのだと思った。
「……俺の所で寝る事に成ったけど、奥さん達の所へ行かなくて良かったのか?」
シェル王子達の母さん達に側室の人達、一人の旦那に奥さんが数人もいる王様に凄いと言うか女好き?!と言うべきなのかその上息子のウィルにまで……キスでとどまってくれて良かったけどこれ以上何かあったらどうしょうと思った、奥さん達がいるからそこまで欲求不満じゃないよなと俺はまだ起きる事の無い王様の寝顔を見るだけだった。
「……それにしてもマリアさん遅いなもう来ても良いのに」
俺はメイドのマリアがまだ来ない為王様を起こしてくれることを頼むつもりだった。

カッカッカッと廊下を歩く足音が早く成って居るのは見習い騎士団の上司アーサー騎士が急ぐかのようにウィル王子の部屋へと向かっていた。
「もっと早く来るはずが、五度寝までしてしまい、今に成ってしまった……ジョンとダリルが気になり寝る事も出来なかった……はあ……」
アーサー騎士は寝不足で足元がたまに躓いたりとしてフラフラながらも早歩きでウィル王子の部屋へと向かった。
廊下を早歩きで行くアーサー騎士の前にメイドで一人ワゴン車を引き歩く姿を見掛け、アーサー騎士はウィル王子付きのマリアと思い後ろから声を掛けた。
「御早う御座いますマリアさ……?」
ビクッと身体が跳ねるメイドの後ろ姿を見て髪の色と振り向くメイドの姿を見てマリアではなかったと謝罪をしたアーサー騎士はメイドの顔を見て驚いていた。
「……済まないマリア様と思い……気分でも悪いのか?」
ぷるぷると真っ青な顔で振り向くメイドを見てアーサー騎士は今日は彼女がウィル王子の世話をするのだろうと声を掛けた。
「…マリア様は御休みなのか?君がウィル王子の世話を?!」
「……お、御早う御座います……マリアが来るまでの間わたくしがウィル王子の御世話を……でも、初めての事でどうすればと…」
「マリア様から何か言われた事は?」
「はい……朝の準備等は聞いて居ます」
「聞いているならその様に準備をすると良いだろう、私もウィル王子の部屋に向かうため一緒に行こう」
「あ……は、はい、有り難う御座います」
ウィル王子の部屋へ向かっているのはメイドのコリンで、アーサー騎士が一緒に行く安心とアーサー騎士が笑顔で話し掛けてくれた事でポッとメイドのコリンは頬を染めていた。

カッカッカッ!と一人の騎士が早歩きで歩きウィル王子の部屋へと向かうのはジル王子の護衛騎士三人組の内の一人の騎士が真っ青な顔で廊下を早歩きで進んでいた。
「何故王様がウィル王子の部屋で寝泊まりに成るんだ?!ジル様が不機嫌に成ってしまわれたではないか…あ~っ、待って居てくれ友よ、今王様を迎えに行く……それまでジル様を頼む」
ジル王子付きの騎士はジル王子から王様がウィル王子の部屋に居ると聞き迎えに行くようにとそして王様の御部屋では無くジル様の部屋へ連れて来るようにと言われ、護衛騎士は急ぎウィル王子の部屋へと向かっていた。

コッコッコッ…とウィル王子の部屋に向かう騎士がまたここにいた。
グリーン色の騎士服を着て巡回騎士仲間と別れたニック・ライナス騎士が廊下を歩きウィル王子の部屋へと向かっていた。
「リンクの奴中々放してくれないため少し遅くなった。彼女が欲しいなら城下町へわざわざ行かなくてもメイド達でも良いのでは?と思ったが…俺を誘わなくても良いと思うけど……城下町か殿下と…春人と一緒に行きたいな喜ぶ顔が目に浮かぶ……」
クスッと笑い、マントも着けて居ない騎士服がまるで護衛騎士のマントを靡かせ歩いて居るように見えるニック騎士の姿は、「早く春人に会いたい」と足音が速く成っていた。














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