上 下
277 / 484

ウィル王子に会いに来て…

しおりを挟む
ウィル王子の護衛を任された見習い騎士のジョン騎士とダリル騎士は今自分達の目の前に立っている王様と近衛騎士のニースに身体が固まりまさかこんな夜中にウィル王子の部屋に来るとは思っても居なかった二人の騎士は先ほど話していた事が本当に成ったとお互いに顔を見合わせ目で会話をしていた。
『今度は王様が来たぞダリル』
『ああっ、凄いなジョン』
ジョン騎士とダリル騎士はお互い声を出さずに目で何を言っているのか分かるほど二人の騎士は目が見開いていた。
「どうしたのだ?二人共私が来た事に驚いたのか?」
「……王様真夜中の訪問はどなたでも驚かれると思いますが…」
「愛しい我が息子に会って何が悪い」
「…御会いする事が悪いと誰も言ってはおりません、王様、シモン騎士の事を御話しをしなくてはウィル王子の御部屋に入る事は出来ません」
「ああっ、そうであったウィル王子の護衛御苦労そなた達に訪ねるが……ん!?ニース、何故私がシモン騎士の事を騎士達に話さなくては成らないのだ?騎士であるそなたの仕事ではないのか?!」
途中まで話し出していた王様は(ん?ちょっと待てシモン騎士の事を何故私が話さなくては成らないのだ?これは騎士であるニースの仕事では?)と思い側にいる近衛騎士のニースに首を傾げ問いかけていた。
「申し訳御座いません王様、つい流れで……君達がウィル王子の護衛を務めて居るのか?」
近衛騎士ニースは軽く王様に礼をした後、身体を見習い騎士二人の方へ向き尋ね始めた。
「は、はい、見習い騎士のジョン・ヒルトンと申します」
「同じく、見習い騎士のダリル・ニーズと申します」
「……見習い騎士が護衛を務めて居たのですね…早急に尋ねるが少し前に騎士がウィル王子の部屋へ訪ねて来なかったか?」
「……騎士、で御座いますか?」
「ああっ、金色の髪をした騎士服が白い騎士だが…」
ジョン騎士とダリル騎士はお互い顔を見合わせウィル王子の窓の鍵を言っていたあの騎士だろうかと二人は顔を頷かせていた。
「あの…少し前ですが白い騎士服を着ました騎士の方でしたら見掛けました。」
「おおっ、やはりシモン騎士だったようだなランプがウィル王子の部屋付近に置いていたと言うからな……ん?それなら門番の元へ行くはずだが?」
「そうですよね…何故ランプを外に置いたままだったのでしょう」
「シモン騎士は何か言って居なかったか?」
「言っておりました、ウィル王子の窓の鍵が開いて居ましたので他の窓も鍵を調べるようにと言われておりました……まだ御調べはしておりませんが…」
「は?窓の鍵?!」
「はい、ウィル王子の部屋の中から来られましたので……」
「な!?部屋の中から出たのかシモン騎士は?ウィル王子が入れたのか?」
王様は驚きの余り声を張り上げてしまい近衛騎士のニースは目を見開いて見習い騎士達の話しを聞いていた。
「いえ、その事まではわたくし達は分かりませんが…ウィル王子は就寝されて居ました事は確かです……」
「……」
「……王様シモン騎士は外からウィル王子の部屋に入ったのでは無いでしょうか?!窓の鍵が開いていましたと言われています所外から部屋に入りました可能性が在ると思いますが……」
「……何故シモン騎士はウィル王子の部屋に入ったのだ?」
「その事は本人から御聞きするしか御座いませんが……」
「そうだな後程訪ねるとしょう…ニース、門番の騎士にシモン騎士の事を知らせてくれ私はウィル王子の部屋にいる」
「…はい、分かりました王様ではわたくしは門番の騎士の元へ行きます」
「ああっ、頼む」
近衛騎士のニースはシモン騎士の安否を門番の騎士に伝える為王様の元を離れ王様はウィル王子の部屋の中へと入って行った。
「なぁ、あのシモン騎士と言う人何かしたのか?」
「さぁ…俺達聞かれたから話しただけだし……」
「王様…部屋に入ったけど泊まるのかな?」
「ええっ!?王様泊まると俺達王様の護衛もする事に成るのか?!」
「それは……困るな」
「困るよな……王様がいつ部屋の扉開けて来るのか分かんないしさ、近衛の騎士さん王様連れて帰ってくれないかな……」
「連れて帰るんじゃないかな?ウィル王子寝て居るからさ王様も王妃様の元へ行くんじゃないかな」
見習い騎士の二人は王様が部屋にいる事に困り近衛騎士ニースが連れて帰る事を願っていた。







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

無自覚な

ネオン
BL
小さい頃に母が再婚した相手には連れ子がいた。 1つ上の義兄と1つ下の義弟、どちらも幼いながらに イケメンで運動もでき勉強もできる完璧な義兄弟だった。 それに比べて僕は周りの同級生や1つ下の義弟よりも小さくて いじめられやすく、母に教えられた料理や裁縫以外 何をやっても平凡だった。 そんな僕も花の高校2年生、1年生の頃と変わらず平和に過ごしてる それに比べて義兄弟達は学校で知らない人はいない そんな存在にまで上り積めていた。 こんな僕でも優しくしてくれる義兄と 僕のことを嫌ってる義弟。 でも最近みんなの様子が変で困ってます 無自覚美少年主人公が義兄弟や周りに愛される話です。

普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ
BL
「君は死にました」 「…はい?」 「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」 「…てんぷれ」 「てことで転生させます」 「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」 BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。

社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈

めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。 しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈ 記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。 しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。 異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆! 推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

その男、有能につき……

大和撫子
BL
 俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか? 「君、どうかしたのかい?」  その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。  黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。  彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。  だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。  大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?  更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

BLゲームの世界でモブになったが、主人公とキャラのイベントがおきないバグに見舞われている

青緑三月
BL
主人公は、BLが好きな腐男子 ただ自分は、関わらずに見ているのが好きなだけ そんな主人公が、BLゲームの世界で モブになり主人公とキャラのイベントが起こるのを 楽しみにしていた。 だが攻略キャラはいるのに、かんじんの主人公があらわれない…… そんな中、主人公があらわれるのを、まちながら日々を送っているはなし BL要素は、軽めです。

攻略対象者やメインキャラクター達がモブの僕に構うせいでゲーム主人公(ユーザー)達から目の敵にされています。

BL
───…ログインしました。 無機質な音声と共に目を開けると、未知なる世界… 否、何度も見たことがある乙女ゲームの世界にいた。 そもそも何故こうなったのか…。経緯は人工頭脳とそのテクノロジー技術を使った仮想現実アトラクション体感型MMORPGのV Rゲームを開発し、ユーザーに提供していたのだけど、ある日バグが起きる───。それも、ウィルスに侵されバグが起きた人工頭脳により、ゲームのユーザーが現実世界に戻れなくなった。否、人質となってしまい、会社の命運と彼らの解放を掛けてゲームを作りストーリーと設定、筋書きを熟知している僕が中からバグを見つけ対応することになったけど… ゲームさながら主人公を楽しんでもらってるユーザーたちに変に見つかって騒がれるのも面倒だからと、ゲーム案内人を使って、モブの配役に着いたはずが・・・ 『これはなかなか… 面白い方ですね。正直、悪魔が勇者とか神子とか聖女とかを狙うだなんてベタすぎてつまらないと思っていましたが、案外、貴方のほうが楽しめそうですね』 「は…!?いや、待って待って!!僕、モブだからッッそれ、主人公とかヒロインの役目!!」 本来、主人公や聖女、ヒロインを襲撃するはずの上級悪魔が… なぜに、モブの僕に構う!?そこは絡まないでくださいっっ!! 『……また、お一人なんですか?』 なぜ、人間族を毛嫌いしているエルフ族の先代魔王様と会うんですかね…!? 『ハァ、子供が… 無茶をしないでください』 なぜ、隠しキャラのあなたが目の前にいるんですか!!!っていうか、こう見えて既に成人してるんですがッ! 「…ちょっと待って!!なんか、おかしい!主人公たちはあっっち!!!僕、モブなんで…!!」 ただでさえ、コミュ症で人と関わりたくないのに、バグを見つけてサクッと直す否、倒したら終わりだと思ってたのに… 自分でも気づかないうちにメインキャラクターたちに囲われ、ユーザー否、主人公たちからは睨まれ… 「僕、モブなんだけど」 ん゙ん゙ッ!?……あれ?もしかして、バレてる!?待って待って!!!ちょっ、と…待ってッ!?僕、モブ!!主人公あっち!!! ───だけど、これはまだ… ほんの序の口に過ぎなかった。

処理中です...