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真夜中の城内

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王様はジャンヌ妃の部屋を通り過ぎ、王妃様の部屋に近付きそして護衛騎士に王妃様の事を訪ねていた。
「護衛御苦労…王妃はもう就寝したのか?」
「はい、お早い就寝だったと思います」
「……そうか、護衛引き続き頼む」
「はい、王様」
王様は小さく息を吐いた後廊下を再び歩き始めた。
王様と近衛騎士が見えなく成り、王妃様の護衛騎士達が話し出していた。
「なぁ、こんな夜中にお戻りと成るという事はジャンヌ様かエリーゼ様の部屋に今まで居たことに成るよな?」
「…ああっ、多分エリーゼ様の部屋から奥は道が無いからな……どちらか御二人の部屋に行かれた可能性はあるな」
「でもさ、部屋に入ったのなら朝方まで王様は帰る事は無いと思ったけどな……」
「それもそうだよな、いつもなら朝方にお帰りに成るのがいつもの事だったよな」
「王様も早く王妃様と仲を取り戻して欲しいけどな……」
「本当にな……あっ、そうだ、お前さ王妃様が出されたお菓子の中におっきいのが有っただろう俺が狙って居たのに先に食べただろう!?何で俺に半分あげなかったんだよ」
「はあ?何で今頃そんな話しに成るんだよ?お前そのお菓子取る様子無かったし要らないと思ったから俺が貰っただけで、何も言って来なかっただろう」
「言える訳けないだろう王妃様が見ている前で、一言「半分居る?」って言ってくれても良かったじゃん」
「俺、お前の彼女じゃないし」
「俺はそう思っている」
「えっ!?」
「え!?あ、いや何でも無い……ごめん」
「……こっちこそ、ごめん……」
王妃様の護衛騎士二人は言い争った後気まずさを残し顔を二人の騎士は赤く染めその後話しをする事なく護衛を続けていた。
カッカッ、コッコッ、と二人の歩く靴音が廊下に響き渡り王様と近衛騎士ニースは今は誰も通りはしない廊下を歩いていた。
「……目が覚めてしまった少し歩くが良いか?」
「はい、王様」
王様は部屋には戻らず城内の廊下を歩き回っていた。
「寝静まった城内を歩き回るのは久しぶりだ、自分の城ではあるが夜は流石に異様な雰囲気を出す感じを受け一人では歩きたく無いものだな」
「クスッ、そうですね」
「別に怖いとは言っては居ないぞ、夜の暗闇より怖いものが在るからな……」
「それは何ですか?」
「……言わずとも分かるだろう今の王妃達の事だ、久しぶりに来たというのに部屋の中へ入る事なく追い出す事は無いだろう……まぁ、通わない私も悪いが……」
王様と近衛騎士ニースの二人が廊下を歩き会話をしているといつの間にか王様達は城内の入り口付近まで歩いていた。
「城内の入り口付近まで歩いていました王様、そろそろ御部屋に戻りましょう」
「ああっ、そうだな……確かこの近くはウィル王子の部屋に繋がる廊下があったな……」
王様がウィル王子の部屋を思い出した時だった、入り口門の門番の騎士二人の話し声が聞こえ王様と近衛騎士ニースは門番の騎士達の元へ歩く事にした。
「どうしたのだ?」
突然の声かけで後ろを振り向いた騎士達は王様の姿に驚き礼を始めた。
「礼はしなくて良いところでそなた達の声が聞こえた為来たのだが何か有ったのか?」
「あっ、いえ…シェル様付きの護衛騎士シモン様が外へ出られましてまだお戻りでは在りませんでしたので……」
「シェル王子付きのシモン騎士が?」
「はい、休憩だと申されまして外の空気を吸いたいと外へ出ましてまだお戻りに成って居ません……お戻りを御待ちしておりましたがお帰りに成らなくて、近くまで外を探しました所ウィル王子の部屋のお近くにランプだけが地面に置かれて居ました」
「ウィル王子の部屋の近くにランプが?」
「はい、それでどうすれば良いのか分からず話しておりました」
王様と近衛騎士ニースはお互い顔を見て王様は暫く考えウィル王子の部屋に向かう事を決めた。
「ウィル王子の部屋に行ってみるか、護衛騎士が何か知って居るかも知れない、もし護衛騎士が知らないと分かればシェル王子の部屋に行く事になるが、お前達には後程分かり次第連絡をするとしょう」
「分かりました王様」
王様と近衛騎士ニースは門番の騎士達に話しを終えウィル王子の部屋へと向かう事に成った。











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