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王様と妃達⑥

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王様はエリーゼ妃とジル王子の事で親子の話しが出来た事に喜び側室に妃達に断られ最終にはエリーゼ妃の部屋で今夜の出来事を話したお蔭で気が晴れた王様は今夜はエリーゼ妃の部屋に来る事が出来笑顔が止まらなかった。
「よし、今度はそこの椅子に座る事にしょう、ほらっ、交替だ!」
「えっ?あ、はい…」
王様は近衛騎士に椅子の移動を言うと移動を始め完全に気分が良い王様は「メイド達と過ごすのも良いな」と思っていた。
「王様いらっしゃいませ、お待ちしてました」
「ワインどれにしますか?デザートも在りますよ」
メイド達もワインで少し酔い始めているメイド達もいた。
「ワインも良いが、デザートを頂こうかな」
「ケーキで良いですか?」
「ああっ、そのホワイトのケーキを頼む……見覚えがあるケーキだが……マノン妃の店のケーキなのか?!」
マノン妃はフィン王子の母親で城下町で住みケーキ店を営んでいる。
「ふふっ、良くお分かりですわね王様、はいそうですマノンの御店のデザートですわ」
エリーゼ妃が小さなケーキがフィン王子の母親の店だと話した。
「この前マノン妃に会ったが元気にしていた…城にも来るように話しをしたのだが……」
「お城に来ましても王様が側室達の方へ行かれましたらマノンは嫌になると思いますけど?」
「いや……それは……」
「マノン妃はお城にいますよりも城下町で働いていた方が宜しいかと思いますわ…わたくしはマノンが羨ましいです」
「エリーゼ?」
エリーゼ妃は王様に話し終えると椅子に座っていた腰を上げ丸いテーブルの側へ行きワインを見定めていた。
メイド達が王様に小声で話しをしていた。
「エリーゼ様が御可哀想ですわ王様」
「えっ?!」
「そうですよ王様、エリーゼ様がどれ程王様を御待ちしていました事か、王様は御存知のはずでは在りませんか?」
「……それは、私も悪いとは思って居るが…」
「側室の方を優先に致しますとエリーゼ様のお立場が悪くなる事は御存じでは無いのですか?王様」
メイド達はワインに酔って居るため王様だろうとお構い無しに次々と王様に愚痴を言い始めていた。
「ふふっ、聞こえていますよメイドちゃん達王様が困っていますよ」
「エリーゼ……」
「王様が側室達を迎えた事で何となくが、そのまま現実に成ったまでですわ……護衛の騎士達に飲み物を持って行きます」
「わたくしもお手伝いします」
「えっ?騎士様離れてしまうの?」
「え、あ……少し歩きたいと思いまして、王様エリーゼ様のお手伝いに席を外しますが宜しいですか?」
「……ああっ、頼む」
近衛騎士はメイド達に謝り席を立ちテーブルの側に立っているエリーゼ妃の元へ歩いていた。
「エリーゼ様わたくしがグラスをお持ち致します」
「あら、メイドちゃん達の側に居ても良いのよ」
「あ、いえ、わたくしは動いています方が落ち着きますので…」
「ふふっ、女性に囲まれるのは好きでは無いの?」
「……少し苦手なもので、あっ、申し訳御座いません…」
「謝らなくても良いわよこれを御願い出来るかしら?」
「はいっ」
近衛騎士は大きめなお皿にワインを入れたグラスを載せエリーゼの後ろを歩き廊下で待機している護衛騎士に持ち運んでいた。
王様は護衛騎士に飲み物を持ち部屋を出たエリーゼ妃に今夜一緒に一夜を過ごせたらと思いワイングラスを手に持ち考えていた。
トン!と肩に何かが置く感じを受け王様は隣を見るとメイドが眠ってしまい王様の肩に頭を寄せる姿を見た。
良く見ると今まで話しをしていたメイド達四人とも頭を寄せ合いお互い眠ってしまい「皆眠ってしまいましたね」と一人のメイドの声が聞こえ声のする方へ王様は顔を向けた。
エリーゼ妃と一緒に座っていたメイドがクスクス笑い王様に話し掛けていた。
「王様も大変ですね二人のメイド達が王様の肩を借りて寝ていますから……」
「ハハハ、そうだね彼女達の頭が重く感じるよ」
王様は自分の隣に座るメイド達の頭をそっと動かし座っていた椅子を立ち上がりエリーゼ妃と一緒に座っていたメイドの側に王様は歩き訪ねていた。
「エリーゼ妃が戻るまで隣は座っても良いかな?」
「えっ?あ……はい」
メイドはまさか王様が隣に座るとは思わず驚いた顔を見せたが断る事が出来ず王様を隣に座らせる事にした。
「君は眠くは無いのかい?」
「えっ、はい…わたくしはワインは飲めませんので今は大丈夫で御座います」
メイドは王様と二人でいる部屋で心臓の鼓動が速くなり顔が真っ赤になるのが分かる程身体は熱く感じていた。
「庭園の手伝いは大変だったね突然エリーゼから言われたのではないかい?」
「いえ、わたくし達も楽しむ事が出来ましたのでお気になさらないで下さい」
ニコッとメイドは微笑み、カップに注いだ紅茶を飲んでいた。
王様は隣に座るメイドをジッと見て(ロラ嬢達と同じ年代かその下かもしれないな…一緒に夜を過ごしたかったのだが…)王様は隣に座るメイドの顔に指でそっと触っていた。
ビクッとメイドは驚き王様の顔を目を見開いて見ていた。
「……お、王様何か…わたくしの顔に……」
「ああっ、済まない綺麗な肌をしていると思いつい触ってしまった……」
「き、綺麗な肌…では御座いません王様…」
メイドは顔が赤くなり王様の顔から目が逸らせなくなり王様の指が頬から唇へ指が触るのが分かりメイドは身体が固まってしまった。
「……庭園での褒美だと思い受け取ってくれないか…」
王様はメイドの顔に手を支えお互いに目が開いたままでメイドは王様の顔から目が離れずに見つめ続け、王様は顔をメイドに近付け軽く唇に触れそして唇を重ねていた。
「……ん」
メイドは目を閉じ手を王様の胸に触り、王様は重ねた唇を動かし舌先をメイドの口の中に入れメイドも口の中に入った王様の舌先をこたえるかのように動かしていた。
メイドは駄目だと思いながらも王様の口付けを受け取りメイドは(王様はわたくしの事を側室の一人として迎えてくれるのだろうか?)と考えるように成り王様と口付けを交わしていた。
「何をしているの?!」
バッ!と重ねていた唇を王様とメイドは離れ声がする方へ顔を向けた……目の前にはエリーゼ妃と真っ青な顔で見ていた近衛騎士が持つお皿の上に、ワインが注がれたグラスが空に成ってお皿の上に置いているグラスがカタカタと動き近衛騎士の腕が震えて居るのが目に入った。









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