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シェル王子の護衛騎士⑥

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シェル王子が寝服に着替える前のシェル王子付きの護衛騎士エリック騎士と幼少からの護衛騎士ロベール騎士がまだ廊下で話しをしている時だった。
「お疲れ様です」
一人のメイドがエリック騎士とロベール騎士に声を掛け他の二人のメイド達も挨拶をしていた。
「御苦労様です、シェル様の入浴時間でしたか…だが最近はシェル様は御一人で入浴をされているようですね」
ロベール騎士はメイド達にシェル王子は一人で入浴をしていると言われメイド達はお互い顔を見て今夜も駄目なのだろうかと気が沈んでいた。
数週間前までは自分達メイドに身体を洗う事を任せてくれたのにと思いながらメイド達はシェル王子の部屋に入って行った。
「シェル様もどうしたのだろうか、急にメイド達に身体を洗う事を拒まれ御一人で洗うように成られたと聞いた……何か心の変化が現れたのか、シェル様の御気持ちも分かるが女性に自分の肌を見せ身体を触らせるのだからな抵抗に成るのも分かるが……」
ロベール騎士がシェル王子の入浴の話しをしている中側でエリック騎士は何も言わず黙ったままロベール騎士の話しを聞いていた。
ロベール騎士がエリック騎士に話しをしている時シェル王子の部屋の扉が開きメイド達三人が部屋を出る姿が見えた。
「「「…失礼致します……シェル様……」」」
メイド達三人はどこか沈んだ顔を見せシェル王子の部屋から出るとロベール騎士がメイド達に訪ねていた。
「シェル様は何と申されたのか?もし入浴だと私達も準備があるのだが…」
ロベール騎士の問いかけに黙ったまま部屋の前に立つメイド達三人は、ポロポロと涙を流すメイドがいて、その姿を見たロベール騎士とエリック騎士は驚き、ロベール騎士が泣いているメイドに声を掛けていた。
「どうしたのだ?何があったのだ?シェル様に何か……」
「……くすん……あんまりですシェル様…私達はまだシェル様のお身体を一度だけ洗って差し上げただけで、この頃は毎日のように御自分でお身体を洗うように成り、私達はシェル様のお身体を洗う事が出来なくなりました。」
「一年間のメイドの仕事の入れ替わりでやっとの思いでシェル様の入浴係になれたのに~~っ!」
「私何てシェル様の腕のみだけ洗う事しか出来なかったのよ、ミレーとマーシェリだけズルいわ、美味しい所を全部二人がシェル様のお身体を洗って居たんですもの」
「三人で話し合いで決めた事よ、身体の部分洗いは交替でと納得したじゃないエルザ」
「……」
「……」
三人のメイド達はシェル王子の部屋の前で不満を言い続け側に護衛騎士がいる事も忘れたかのようにシェル王子の身体を洗う場所の言い争いをしていた。
王子の身体を洗う事で取り乱しているメイド達を見ていたロベール騎士は血の気が引くような感じを受け今のこの三人のメイド達は下心有りすぎではと騒いでいるメイド達に注意を掛けた。
「シェル様の部屋の前で貴女方メイドは話してはいけない事を今話しているのですよ、メイド長に貴女方の事を話しシェル様の入浴係を降りて貰う事に成りますけど宜しいですか!?」
「「「!!」」」
ロベール騎士の話しを聞いたメイド達は顔色が真っ青に成り三人共慌てて謝罪をしていた。
「も、申し訳御座いませんシェル様の担当を降ろす事だけは…」
「ロベール様…メイド長には……御知らせする事だけは御許し下さい」
「……分かりました今回は貴女方のお話しは聞かない事にしますが、シェル様が入浴をなさいませんと御聞きしました。
シェル様から何か言われましたか?」
「あ…はい、器に湯を入れまして拭き物を御持ちするようにと言われました」
「では、早急に支度を御願い致します…今夜はシェル様が遅く御部屋に御戻りの為もうすぐ就寝の御時間に成ってしまわれます。シェル様の身支度の御用意を御願い致します」
「「「はい、ロベール様」」」
三人のメイド達は早歩きでシェル王子の部屋を放れて行き準備の為にまたシェル王子の部屋に来る事に成っている。
三人のメイド達の姿が見えなくなりロベール騎士はドッ…と疲れた感じで、メイド達の話しを最初から聞いていたエリックは何も話さず無表情のままメイド達が去った廊下を見ていた。




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