兄たちが弟を可愛がりすぎです

今日も早朝騒がしいです

ウィルの部屋にやって来たのは第二王子ジルだった
「どうしたジル王子、お前も早朝からもう仕事をしているのか？真面目も良いがたまには息抜きも大事だぞ私を見ろウィルと親子の思い出作りをしている所だ」
ウィルの父さんがまたぎゅ～と抱き締めていた。シェル王子は急に部屋に入ってきたジル王子に問いかけた
「……珍しいですね貴方がウィルの部屋へ訪ねて来るとは、何かありましたか？」
「……フィンが城を出たらしい」
ジル王子から突然のフィン兄の脱走に俺（春人）は驚いたが何故かウィルの父さんはハハハと笑っていた
「笑い事ではありません、フィンの教育を徹底的に行う積もりでいましたのに…護衛騎士をつけていましたが、いつの間にかメイドの姿で逃げてしまったようなんです…」
「「！？」」
「ハハハフィン王子らしいな、私もフィンのメイド姿が見てみたかったなハハハ」
ウィルの父さんは笑いながら俺（ウィル）の頭を撫でていた
メイド姿って…コスプレじゃん…俺（春人）も見てみたかったな…フィン兄のメイド姿似合うだろうな…クスクス小さく笑うとシェル王子がじーと見てきて、ジル王子も瞼がﾋﾟｸｯと動いたような気がした
「笑った、笑った、さて私も戻るとするかウィルともっと居たかったがお兄ちゃんの顔が怖いからなー、また来るよウィル」
ウィルの父さんが頬にキスをして言った、頬っぺにキスは流石に恥ずかしく顔が真っ赤になった…そんな時廊下から足音が聞こえてニックの声がしました。
「おはよう御座います…え？え、何故近衛騎士の方達がいらっしゃるの……」
ニックが恐る恐る部屋の扉が開けっ放しを見て話しも途中になり
更に身体が固まったように見えた
ニックの声がすると、部屋の中にいる王様にシェル王子にジル王子が一斉にニックの方を見たものだから、ニック本人は青ざめている様に見えて俺（春人）は苦笑いするしかなかった
「ああ、彼がウィルの護衛騎士になったと言うニック・ライナス
騎士だね」
おお、ニックウィルの父さんから名前覚えられている……騎士服が代わってカッコいいじゃん、全身真っ黒に赤い線が入りマントも黒で俺（ウィル）の護衛騎士になったんだなと嬉しく思った
ニックも我に帰った見たいで慌てて騎士礼をして挨拶をした
「申し遅れました、本日から第五王子ウィル殿下の護衛を務めますニック・ライナスと申します」
ウィルの父さんは俺（ウィル）から離れニックの所まで歩いてニックの肩に手を置いた
「ウィル王子の事を宜しく頼むよ」
「はっ、陛下」
ポンポンとニックの肩を叩き最後に俺（ウィル）の方を向いて言った
「ウィルまた抱かせてくれ、また来るよ」

ウィルの父さんが誤解を招くような言い方をして部屋を出ていった……ニックは驚いた顔をして俺（ウィル）の方を見て、シェル王子はため息をはき、ジル王子は眉間にシワを寄せて部屋を出ていった……