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俺とシェル騎士団長

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***ニック・ライナス護衛騎士見習い⑥***

もうすぐ俺のウィル殿下の護衛が終わる…殿下の顔を暫く眺めていた時、扉のノックの音が聞こえた。
「おはようございます、ウィル殿下そちらにニック・ライナス騎士は滞在で御座いますか?」
俺の名を呼ぶ一人の騎士の所に駆け寄った。
「おはようございます、わたくしがニック・ライナス護衛騎士見習いです。」
「シェル騎士団長がお呼びだ、騎士室に来るようにとの事だ。」
いよいよだ…俺は殿下の方を向くと殿下が、
「大丈夫ですよ」
と、言って下さった、俺は殿下の顔を見て
「殿下、言って参ります」
頭を下げ俺は殿下の部屋を後にした。

俺は、シェル騎士団長の待っ騎士室に行く前に、昨晩俺と一緒にウィル殿下の護衛担当をするはずだった、彼に会いに行った。
騎士休憩室にいたが何故か顔が青ざめていた。
まだ二日酔いが治っていないのか?と彼の近くに行った。
彼の側には、昨晩の護衛交代の二人の騎士がいた。
「お疲れ、今朝方大変だったみたいだな、フィン王子が帰って来ていたんだろう」
「何故フィン王子が帰っている事がわかったんだ?」
つい先程の事だぞ、俺が何故見たいな顔をしていると、騎士の一人が話した。
「カイザック副団長の声が廊下に響いて、何事と俺達が顔を出したらフィン王子が副団長に首根っこ引っ張られて、行く姿が見えたからな…驚いた」
女性並みに情報早いな…副団長の声の高いのもあるが。
「昨晩のウィル王子の護衛担当悪かったな一人で任せて…」
昨晩一緒に護衛担当するはずの彼から声をかけられた。
「二人に聞いたが団長と副団長がウィル王子の部屋に来ていたんだって?」
あ、そうだ彼にシェル騎士団長から言われていたのを思い出した。
「シェル騎士団長から言付けがあった、後から呼ばれると思うが騎士室に来るように言われた。」
「「「!!」」」
彼の顔が青くなり涙目になっていた。彼の側にいた騎士二人が「頑張れ」の声を掛けていた。
俺も今から騎士室に行く、殿下の部屋でシェル騎士団長が、俺に向けたあの針を刺すような視線が、忘れられないでいた。

俺は騎士室に向かう廊下を歩いている、団長から専属護衛騎士の事を余り、良く思われていないような気もしていた。
騎士室にたどり着き深呼吸をし、扉にノックをした。
「入りなさい」
「失礼いたします。」
扉を閉め、騎士礼をして挨拶をした。
「ニック・ライナス護衛騎士見習い、騎士の命により御伺い致しました」
「…頭を上げなさい、ニック騎士、昨晩からのウィル王子の護衛ご苦労様です。
早速本題へ入りますが、ウィル王子から貴方を専属護衛騎士にしたいと要望がありました…貴方自身はどう思われますか」
シェル騎士団長の金色の目が俺の目をじっ…と見て話をした。
俺の答えは決まっていた。
「わたくしはウィル王子のご要望に御答えしたいと思っております。」
迷いのない俺の言葉に一瞬だが金色の目が睨むように俺を見ているようだった……
「……分かりました、貴方に迷いはないことが分かりました。
ですが直ぐには貴方をウィル王子の、護衛騎士には出来ません、貴方の剣の、実力を見せてもらいます。」
「わたくしの剣の実力ですか…」
「そうです、王国の王子を御守りするのです、生半可な気持ちで護られても困りますから」
一瞬シェル騎士団長がフッと、笑みを浮かべたような気がした。
(貴方に護衛は務まらない)
と、シェル騎士団長の心の声が聞こえた気がした…
「分かりました、わたくしの剣の実力を御見せ致します。」
「…フッでは貴方には剣技試験を受けてもらいます。
貴方の御相手は私が致します。
剣技試験は真剣を使います、辞退をするのでしたら、今のうちですが……」
シェル騎士団長は俺が殿下の護衛を、させたくないのか脅しを掛けて、俺を辞退させようとしているみたいだ…
「シェル騎士団長剣技試験、お引き受け致します。」
「…そうですか、分かりました…今日午後騎士闘技場で行います
貴方も身体を休ませ、午後の試合に備えなさい、私からの話しは以上です、下がって宜しい」
俺はシェル騎士団長に頭を下げ部屋を出た。
俺は扉の前で自分の手が震えている事に気付き笑みを浮かべた。
今日ウィル殿下の専属護衛騎士を決めるための剣技試験がある、しかも真剣…怪我は覚悟のうえ
「俺の相手がシェル騎士団長とは願ってもいないことだ
俺も騎士の息子だ全力で闘ってやる!」


俺は午後の試合に備えるため自分の部屋に向かった。











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