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兄弟の剣技試合

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「騎士一人に、嫉妬してんじゃねぇ!!」
ザック兄からの発言に俺は驚いて、ニックの腕の中で固まっていた……
周りの騎士達は、何が起こっているのだろう……と、少しざわつき始めた。
「…私が、ニック・ライナス騎士に嫉妬していると、言うのですか?」
シェル王子が、ザック兄に少し睨み返したような顔をして話をした。
「ああ、シェル兄は何を考えて、何を思っているのか全く読めないところがあるから分かりずらいが、ウィルの事となると感情が表に出るんだ…今回の剣技試験でもそうだ。
わざわざシェル兄が、直接試験を受けなくても良かったはずだ。
副団長の俺が騎士ニックの試験を、受けても良かったんだ!」
「は?」
俺(ウィル)は、思わず声を出してしまった…。
え、何、そしたらニックの剣技試験は別にシェル王子でなくても良かったんだ……って言うか、ザック兄副団長だったのか!?
「ニック…ザック兄様が副団長って知っていたのですか?」
俺(ウィル)は、お姫様抱っこしてもらっているニックの顔を見て話した。
「はい、カイザック副団長は、俺達騎士の中でも有名で副団長の剣技は、豪腕の持ち主剣豪と言われています。」
なんですと~ザック兄はそんなに凄い人だったのか……
そしたら俺(春人)あんなに悩まなくてもよかったんじゃねぇ、
ザック兄に相談すれば良かったんだ…でも、今更変更できないよな……俺は、シェル王子とザック兄を見ていた。
ザック兄は、腰にある剣を抜きシェル王子に向けて言った。
「シェル兄俺と勝負しろ、俺が勝ったら騎士ニックの剣技試験は俺が行う…そして、ウィルと話し合えよウィルと何があったか知らないが、可愛い弟を泣かすやつは例え兄だろうが許さねぇ」
カチャと剣に力が入ってその剣先をシェル王子に向けた
「フッ…言いたいことを言ってくるねカイは、分かったお前との勝負受けてあげるよ…カイが負けたら彼の試験は私が受ける、それで良いかい?」
「ああ、構わない」
ザック兄との話しが一通り終わったのを確認して、シェル王子は腰に有る剣を静かに鞘から取り出してザック兄に刃先を向けた。
俺(ウィル)はなんでシェル王子とザック兄がお互い剣を向けているのが分からなかった…そんな二人を見てニックが「失礼します」と言って二人の王子達に軽く頭を下げ俺(ウィル)を抱っこしたまま歩き出した。
「え?ニック何処へ…」
急に歩きだしたニックに慌てていた。
「ウィル殿下いまから、シェル騎士団長とカイザック副団長の試合が行われますので、殿下を競技室にお運び致しますそこから、
お二方の試合を観戦してあげてください。」
「えー…何故?」

俺(ウィル)は何故王子二人が試合なるんだ?と首を傾げて競技室に入った。室内にはいっの間にか、メイドのマリアと医師じぃさんが茶…ではなく、紅茶を飲んで和んでいた。
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